ランドセル問題(ブラジルとの比較)
最近日本では
ようやく「さんぽセル」なるものが出来たと思っていたところ、
あろうことか
それに批判が殺到したとかで、
これを考案した双子の少年達が
反論する事態となっている。
🎒🎒🎒
実はブラジルでは古くから
リュックを背負って通学することによる足腰への負担や
背丈の伸びへの障壁になり得ることなどについて
警鐘が鳴らされ、
30年程前から
リュックとキャリーの2-way 型が実際推奨されるようになった。
とりわけ裕福な家庭の子供が通う
小規模の小学校などでは
それが義務化されているような場合もあり、
日本に舞い戻った数年後に渡伯した際に
そういった学校の生徒の姿を見て
目を丸くしたことを思い出す。
というのも、
日本とブラジル双方の文化を背負う私は
とっさに
「日本ではあり得ない」
という思いがよぎったのだ。
そして、すぐさま
何故日本ではあり得ないのかと
自問自答を始めた。
重いランドセルを背負って毎日歩いて通学することが
体力増進に役立っているという側面もあるのでは
なかろうか...、
一方で、
ランドセルが「就学」という
子供の大事なステップの象徴として定着し過ぎて
それ以外のものを否定しまう気持ちが
根付いているだけなのではないだろうか…、
仮に
日本でもランドセルの荷重による
健康被害が叫ばれるようになったら
日本人はどのような反応を示すのだろうか…、
等々、
ひたすら思いを巡らせたものの、
明確な答えは導き出せなかった。
ましてや日本の小学生が
ブラジルの子供達のような
ビニール素材のキャリーを引いて通学する姿など
想像だに出来はしなかった。
🎒🎒🎒
要は、
「さんぽセル」の登場については
日本人の「ランドセル」への思いを剥奪することなく、
荷重の問題を解決したのだから
実に画期的だと感じている。
さんぽセルを批判する人々は
ランドセルがこの50年間で
どれだけサイズアップしてしまったかなどについて
充分認識していないのかもしれない。
「でも今はクラリーノで軽いのよ!」
などと言っている場合ではない。
ランドセルが大きくなっただけではなく、
中身の教科書も
大きく、重くなっているのだ。
我が家は小学校が徒歩2分、
中学校が徒歩1分という好立地なので
さんぽセルを導入しようとは思わないが、
それでも
孫のランドセルを持ち上げる度、
「こりゃ正気の沙汰じゃないワ」
と感じざるを得ない...。
🎒🎒🎒
ブラジルのサイト検索をしてみると、
店頭には、
背負うタイプも引っ張るタイプも
満遍なく置かれていることが分かる。
また、
ネット通販では
このような「通学セット」が
売られたりもしている。
これは
いわば「高級品」だが、
それでも
セットで¥15,000円弱。
実は
日本のランドセルについては、
その値段も理解に苦しむところなので、
この無地のもののようなキャリーリュックであれば、
日本でだって導入しても良いのではないだろうか…
などと思ってしまう辺りは
私の「ブラジル人マインド」のなせる業だとは
重々承知しているが、
それでも尚、
日本人って「形式」だの「象徴」だのに
囚われ過ぎなのでは?
と問いたくなってしまう
偽日本人の Shiomin なのであった…。
お読み頂き、誠にありがとうございました。
※ 「大人も子供も荷物が重いと大変!』、否、
「買い物 コアラ」はこたつぶとんさんの作品です。
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