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ブラジル人がポルトガルで「アメ(飴)を下さい」というと銃弾が出てくる?!
な~んて馬鹿なことはありません。
毎度の
伯葡語 Vs. 欧州葡語の
「とんちんかんシリーズ」
です。
ブラジルではアメ(飴)の類は
(ハードタイプもチュアブルタイプも)
「bala(バーラ)」
といいます。
ところが、ポルトガルの「国語辞典」で
「bala」を引いてみると、
「銃弾」が主要な語義として出てきます。
(※ブラジルでも「銃弾」という意味もあるのはあるんですけどね…。)
他にもいくつか
マイナーな意味が記されてはいますが、
「飴」という意味は出てきません。
欧州葡語で「飴」のことは、
「pastilha(パシティーリャ)」
または
「rebuçado(れブサードゥ)」
といいます。
私はアフリカ葡語圏各国で、
当然通じるものと信じて
「日本の “bala” をどうぞ♪」
と人に薦めていたところ、
ある時モザンビークのホテルのスタッフに
「”bala”とは “pastilha” や “rebuçado”と同じ意味だと
理解してよろしいのでしょうか」
と訊かれたことをきっかけに、
この事実を知るに至りました...。
欧州葡語の「pastilha」という単語は
ブラジルにも存在しますが、
のど飴風のものや、
ミント味のタブレットなど、
やや薬寄りなものを指します。
一方の「rebuçado」はというと、
ブラジルの「国語辞典」では
「周りを覆われたもの。リンゴ飴などの総称」
といった説明がされているので、
単語自体の存在は確認できるものの、
この単語をブラジルで耳にすることは
まずないと思って下さい。
(少なくとも私は聞いたことがありませんでした。)
*****
ところで、上 ↑ の記事でご紹介した
「br」か「pt」を付ける「画像検索ハック」を
今回も使ってみたところ、
ちょっと面白いことが起きたので、
お話しさせて下さい。
無論、「bala br」では「飴」がいっぱい出てきました。
「bala pt」では、さすがにのっけから「銃弾」
ではなかったのですが、
なんだか暗~いイメージの画像たちが
ずらずら~っと。
そこで、ブラジル人が
「飴ちゃん」という言い方と全く同じ感覚で使う
「balinha (バリーニャ)」
(「bala」+「inha (「小さい○○」や「○○ちゃん」を表す語尾)」
で検索してみると、
「br」でも「pt」でも
ブラジルの「飴ちゃん」のサイトが
いっぱ~い!!!!!
でした。 >笑
ちなみに「balinha pt」の結果はこちら。↓
これは、
・ そもそもポルトガル人は、「inha」的な表現をやたらと使ったりしない。
・ ましてや「銃弾ちゃん」なんて言うわけない。>笑
・だとすれば、これは大阪のおばちゃん、否、ブラジル人の言う
「あめちゃん」に違いない!
と、検索エンジンさんが判断したということになります。
う~ん、賢いもんだね~!
*****
さて、
ついでなので、
ブラジルのおばちゃんが
子供に
「飴ちゃんいる?」
というときの表現をお教えします。
(「そんなんいらんわ」とか言わないでね!>笑)
「Quer balinha?」
(ケー・バリーニャ?)
ポイントは、「ケー」が開口音であること、つまり日本語の「ケ」より口を横にも縦にも大き目に開いて発音するところです。
この「ケー」が上手に言えさえすれば、そのあとに「あげたいものの名前」を付ければ文が完成するので、とっても簡単です♪
これで皆さんも立派な大阪のおばちゃんです!
(ん?! そんな話だっけ...?! >爆!)
それはともかく、
欧州葡語圏の子供には
「balinha」を
あげようとはしないでくださいね。
意味が通じないか、
「ママ~、変な人がいるよ~!!」
と言われてしまうのがオチです。>笑
本日もお読み頂きありがとうございました!
※ 猫の落語家はイラストレーターのこたつぶとんさんの作品です。