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アフリカの欧州葡語をしゃべれるようになって失ったもの

以前、いくつかの記事の中で

私はアフリカのポルトガル語圏に通うようになった当初、
大手を振ってブラジルのポルトガル語をしゃべって
横柄な態度を取っていたところがあった

と記しています。

「横柄な態度」と言っても、
単純にブラジル風の馴れ馴れし過ぎる態度であったり、
かしこまった会議で相手には下品なタメ語にしか
聞こえないような「ブラジル語」をしゃべっていた…

というだけのことなのですが、

その後、過ちに気付き、

現地仕込みの
「たたき上げ型アフリカン欧州葡語」を
身に付けたわけですが、

得る者があれば失うものもあるわけでして…。

で、

何を失ったかというと…、

裏話を聞くことが少なくなってしまったんです…!

というのも、

当初の私といえば、

仕事のスキームもよく理解していなければ
自分の立場もイマイチ分かっておらず、

真面目一辺倒な日本人より
アフリカ人のおっさん達の方が
よほど近しい存在だと感じていましたし、

彼らとしても、
私のことを、いくら日本人の顔はしていようとも
コイツは明らかにブラジル人だから

「いざとなったら、こっちの味方になってくれるに違いない!」

と、考えるわけです。

ついでに私はスモーカー...。

日本人達と離れたところで一服しているようなときに
アフリカ側の人間、
ときにはキーパーソンまでもが

雑談をしにやってきて、
ついでに愚痴を言ったり、
つい本音を漏らしたりするのです。

その愚痴や本音というのが

「○○の件は、
本当は我々も日本人が言っているのが正しいと分かってはいるのだが、
△△省がかくかくしかじかにより反対していて」

だの、

「この案件は、
建前はこういう背景によるものだということになっているけれど、
実は中央政府のこういうああいう計画の一環で…」

といった、

それさえ分かれば手の打ちようがある
といった内容であることも少なくなく、

日本側の誤解が解けたり、
再度の渡航という二度手間が省けたり
といったことすら、なくなかったのです。

しかも、

「誰々とかれかれは仲が悪いから気を付けて」

といった内輪の情報が、

後の本調査のときに
大いに役立ったといったようなこともありました。


ところが…、

私は徐々に欧州葡語を操るようになり
(つまりフォーマルな言葉を使うようになり)、

それだけでも
「ブラジル人」から
「ポルトガル語を話す日本人」という
格付けになってしまったというのに、

同時に仕事のノウハウを覚えていくにつれ、
どうしても慎重にもなるし、
つい日本寄りの立場が端々に感じられる
表現なども増えてしまい、

ついでに年もとれば、風貌にも
(止めどなく太ったことがメインの原因ですが)
貫禄がついてしまい、

とにもかくにも近寄り辛くなったんでしょうねぇ…。

で、

相も変わらずスモーカーなので、
一服していると、

アフリカ側のカウンターパートが
話し掛けてきたりはするのですが、

な~んとな~く
世間話の域を超えない話が大半で、

日本の調査団にとっての
私を連れ歩いていることによる
「スパイ効果」(笑)が
明らかに激減してしまったのです…。>爆!

そんなこんなで
若いだけでお馬鹿っぽく見える女性が

「○○国のスパイだった!」

といったニュースなども
すんなり読み流せるようになりました…とさ♪ >笑

✨本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!✨

※ 「あの子もスパイだったりして…」、否、
「憧れのあの子 ネコ」はこたつぶとんさんの作品です。


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