ポルト・デ・ガリーニャスで楽しかったけれど恥ずかしかった話
ブラジルの北東地方、ペルナンブコ州の州都レシフェに
仕事で長期滞在していたとき、
日本から関係者の中でもとくに位の高い人が
10日間程度の日程で現地入りしたことがありました。
その短期滞在中に
できるだけ多く現地踏査を行いたいということで
ブラジル側にも働きかけていたところ、
土曜日でも午前中なら応対&案内できるという
自治体があったため、
通訳の私を含めた4~5人で出掛けた先が
ポルト・デ・ガリーニャスにほど近い地域でした。
朝早く出掛けて、小一時間掛けて辿り着いたその場所で
会議とその周辺の現地踏査を行い、
無事その日の作業を終えたのがちょうどお昼時だったため、
どうせならと、ポルト・デ・ガリーニャスの
ビーチサイドでお昼を食べて帰ろうということになりました。
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時は1990年代、
ポルト・デ・ガリーニャスの観光開発も始まったばかりで
まだ、今のようなリゾートホテルがあるわけでもなく、
観光客もまばらでしたが、
なんてったって、白い砂、ライトブルーの美しい海~✨
今ほどカラフルでこそなかったけれど、
数多くのジャンガーダ(いかだ)と
客待ちをする
ジャンガデイロ(jangadeiro = ジャンガーダの船頭)...。
そんな様子を見ながら
ビーチのこんな ↓ 感じのレストランで
カイピリーニャを飲みながらゆったりと
おいしい魚介類を食べて、
しばしくつろいでいると、
短期滞在中の一番偉い人が
ジャンガーダを指差して
「あれに乗りたい!」
と言い出しました。
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乗りたいか乗りたくないかで言えば、
そりゃあ全員乗りたいのはやまやまなのですが、
それは、
初対面の自治体への表敬から始まったお仕事を終えての
帰り道のこと、
全員スーツ姿だったのです。>爆!
つまり、こんな感じ ↓ の一行が、
こんな景色の ↓ 場所で、
こんな乗り物 ↓ に乗って、
こんな ↓ ことしちゃう?
って話です…。>爆!
言い出しっぺは、一行の中で一番偉く、
数日後には帰国の途に就くことになっている人です…。
それでも全員、思わず
「えっ、でもこの格好ですよ!」
と、声を揃えたものの、
「そんなこと言ってられないじゃない。
残りの数日間で
もう一度こんな遠くまで来れるわけもないし」
と…。
そう言われてしまっては
もう誰も何も言えません...。
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で、どうしたかと?
勿論乗りましたとも!
濡れてしまうと困るので、靴だけは脱ぎました。
そして
脱いだ靴を抱えたビジネススーツの一行は
ジャンガーダに乗って海に繰り出し、
透明な海水に感激し、
カラフルなおさかなさんがいっぱい集まるポイントでは
ワイワイ言って楽しんで、
20~30分後には
大変満足して陸に戻りました。
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「楽しかったのなら、いいじゃない」と?
うーん…、
いやぁ、それがですね…、
陸に戻ると我に返るわけですよ…。
確かに乗っている間は楽しかったし、
水も魚もきれいで
この上なくハッピーではあったのですが...、
ジャンガーダの上で、
スーツを着て靴を抱えた黄色人種の一行が、
陸から見ていた人達の目に
どれほど滑稽に映っただろうかと想像すると…、
我ながら可笑しすぎて、吹き出してしまいました!
そんなこんなで、この一件は、
ン十年も経った今でも、思い出す度に笑い転げてしまう、
とっておきの思い出話となったのでした。>笑
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 上記はこたつぶとんさんのイラスト「こちらです ネコ」を
加工させて頂いたものです。