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【間違いやすいポルトガル語】「novamente」とは「newly」ではないので注意しましょう!

以前、こちら ↓ の記事で、

ポルトガル語では
形容詞の女性形に「-mente」を付け足して
副詞形にすることができる、

それは、
英語において
「-ly」を付けて副詞形にするのと
似てはいるけれど、

「-mente」の場合は
名詞には付けられないので
英語の「-ly」とは違うし、

一部意味にも違いがあって、
トリッキーだ…

といった話をしているのですが、

そのわりに、
多くの日本人が
実際に誤って使用しているのを
何度か目撃しているにも拘わらず、
挙げるのを失念してしまったものがあります...。

それが
トップ画像やタイトルでも表示している

「novamente」

伯葡語:「ノヴァンチ」
欧州葡語「ノヴァントゥ」

というもので、

「novo」が「新しい」、

その女性形が「nova」

これに「-mente」を付けたものが、

「novamente」

なので、

多くの日本人は
当然

「novo/nova」=「new」

「novamente」=「newly」

「newly」=「新たに」

「あ、『novamente』も『新たに』よね?」

と思ってしまうのですが…、

ブッブー!!

こたつぶとんさん from イラストAC

というのも、

「novamente」とは、

あろうことか、

「再び」

という意味なのです!!


😲😲😲


「novamente」とは
どちらかというと書き言葉、
つまり硬い表現なのですが、

考えてみれば、
口語でよく使われる
「また」「もう一度」といった意味の表現にも

「de novo」

伯葡語:【ジ・ーヴ】
欧州葡語:【ドゥ・ーヴ】

というものがあったりします。

「『de novo』? 英語に直訳したら『of new』?!
なんじゃそりゃぁ~?!?!」

…ですよね…。

いや、私だって、
こうやって改まって書いてみると、
つくづく

「変な表現だなぁ~」
と思います。

でもでもだって、
そうなんだもん!w
仕方ないじゃん!ww

ポルトガル語では

「de novo」「novamente」
英語の「again」に相当する表現なんだもん!

私のせいじゃないもん! www

┐(´д`)┌



ところで、実は
この話をしようと思ったきっかけとなったのが

「新設」、「新設する」

という表現です。

私は、主に
ODA関係の翻訳業に従事していることもあり、

「○○の新設」だの、
「○○を新設するにあたり...」
といった表現・文言に頻繁に出くわすのですが、

ポルトガル語では
例えば文書タイトル中の「新設」などは、
原則、単純に
「construção【コンストゥルゥン】
(= construction = 建設)
だけで済んでしまいます。

一方、
文中の場合は、

「学校の新設」であれば、

「construção da nova escola」
(新しい学校の建設)、

「学校を新設する」であれば、

「construir a nova escola」
(新しい学校を建設する)

といったように、

「新」という要素を建設ではなく、
建設される対象の方へ移譲してしまうのが通常です。

この傾向は、とりわけ
ブラジルのポルトガル語(伯葡語)に顕著で、

私は建築のプロではないので
正確に分かるわけでもないのですが、
翻訳していて抱く
ブラジルのポルトガル語(伯葡語)に於ける区分は…

建設・新設 =「construção【コンストゥルゥン】
改修=「reabilitação【ヘアビリタゥン】
復旧=「restauro【ヘスウル】
改築=「remodelação【へモデラサゥン】
リフォーム=「reforma【へフォルマ】
リノベーション=「renovação【へノヴァゥン】
(または日本語で「リノベ」というときのようなお洒落感を出すなら
「retrofit【ヘトゥロフィッチ」

といったところなのではないかと思うのですが…、

一方のブラジル以外のポルトガル語(欧州葡語)の場合は、

「retrofit」のような
外来語でお洒落感を出すようなことこそない代わり、

(普段はブラジル人と同じく「新設= construção」で通しているものの、)
厳密に、
「復旧」や「建て直し」ではなく
「新設」なのだということを伝えなくてはならない場合は

「新設」

「construção de raiz 【コンストゥルゥン・ドゥ・らーシ】

「新設する」

「construir de raiz 【コンストゥルール・ドゥ・らーシ】

という表現を用います。

「raiz【らーシ】とは
「根」という意味なので、

直訳すると、
「根からの建設」「根から建設する」
ということになります。

この表現は
どうやら欧州葡語特有の表現のようで、
"construção de raiz""construir de raiz"
と、
クォーテーションマークで限定した形で検索してみると、
欧州葡語サイトばかりがヒットします。

一方、
厳密に「新設」だと示さなければいけない場面でも、
ブラジル人の口から聞いたことのある表現は、
せいぜい

「construção do zero【コンストゥルゥン・ドゥ・ール】

や、

「construir do zero
【コンストゥルール・ドゥ・ール】

つまり
「ゼロからの建設」「ゼロから建設する」
という表現で、

これらもクォーテーションマークで限定して検索すると、
ブラジルのサイトが数多くヒットします。

ただ、
「ゼロからの建設」「ゼロから建設する」
というのは、
意味こそ分かり易いものの、
専門用語だとはにわかには思えない表現なので、

ひょっとすると、
厳密な専門用語が別途存在するのかもしれませんが、
残念ながら見たことも聞いたこともなく、
ネットで調べてもそれらしきに出くわすことができていません...。

なので、ここはひとまず

Kikkoさ~ん、
その道のプロのお嬢さんに聞いて下さいますかぁ~?


と記しておきます。w

きっと、近日中に Kikkoさんが
なんらかのコメントを下さると思いますので、
気になる方は、
また覗いて下さいネ!

                                              と、なんとも他力本願な Shiomin...!💦 m(_ _)m

🥲🥲🥲

ところで、
実はここまでは全て前置きで、

実は…
本当に言いたいことはというと…、

実は何度も見てしまったことがあるんです!


ポルトガル語ネイティブでない
「翻訳者」と名乗る人の
添削用文書の中に…

「新設された建物」
といった表現が

「prédio construído novamente」

または

「edifício novamente construído」


などと訳されているケースを…!


😲😲😲

ひとまず
「prédio」は「建物」
「edifício」は「ビル」
だと思って下さい。

無論問題なのは
「construído novamente」

「novamente construído」
です…。

※ 「novamente」の位置は意味に影響しません。

訳した本人は
「newly constructed」
のつもりなのでしょうが、

勿論これでは
「再び建設された」
という意味になってしまいますから、

「OH, NO!」、

「一旦造ったものを壊して造り直すんか~い?!」

とツッコみたくなってしまいます...。

orz…


いやぁ、
このご時世だからってぇのもあるのでしょうが、

最近、
取引のある翻訳会社などから
職を求める人々の
トライアル翻訳のチェックを
頼まれることが結構あるのですが、

かなりショッキングな事例も少なくなく、

改めて
間違いやすい表現などについての記事を
一つでも多く書いていかなくっちゃナと、
ちょっとだけ初心を思い出す
Shiomin なのでした…。


なんだか長くなってしまいました。

このようなワカラン語の戯言を読んで下さった方々には
心より感謝申し上げます!

※ 「落語家 猫」はこたつぶとんさんのイラストです。








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