「月謝」? 「賄賂」?
ポルトガル語に「PROPINA (プロピーナ)」という単語があります。
ブラジル人に「propina」とはどういう意味かと聞くと、
100パーセント
「賄賂」/「袖の下」
だとの回答が返ってきます。
ところがこの単語、
ポルトガル語の本家である
ポルトガルでは、
「授業料」、
つまり「学校の月謝」などを指す単語なのです。
ブラジルの「国語辞典」では、
「賄賂」、「袖の下」の意味しか
載っていない場合と、
良心的な辞典の場合でも
「ポルトガルでは『授業料』の意」
としている程度で、
「本来の意味は『授業料』だった」などと
記している辞書はもはや存在しません。
一方、ポルトガルの「国語辞典」は、
「授業料」という意味に加え、
「ブラジルでは『賄賂』の意味で用いられる」
と記してあることが多いようです。
「Propina」はスペイン語では
「お駄賃」や「チップ」
といった意味で使われるようなので、
その影響もあるのか、
ブラジルでは、
「これだけしてあげたでしょ?お駄賃は?」
又は
「これで分かっただろう。
レッスン料だと思えば安いものだろう?」
といったコワイ使い方がされていくうちに
元のポルトガル語の意味が
完全に失われてしまったのだと思われます、はい…。
ちなみにブラジルで育った私は、
未だに欧州葡語圏のテレビで
「授業料の引き上げ反対」のニュースなどが流れると、
一瞬だけ
「あら、汚職事件かしら」
と思ってしまいます。>苦笑
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ちなみにアンゴラでは、「袖の下」のことを
「gasosa (ガゾーザ)」といいます。
こちらは、欧州葡語で「清涼飲料水」を指します。
ブラジルで「gasosa」は「ガソリン」を意味する俗語です。
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と、
「どっちみち、誰が何言ってんだかわからない」
というお話で、
失礼しました~!
※ 「大遅刻した猫」はこたつぶとんさんの作品です。