ポルトガル語圏の「オリンピック委員会」の名称
毎度の2つのポルトガル語の相違点についてです。
まずは代表的なブラジルとポルトガルについて見てみましょう。
「ブラジルオリンピック委員会」は、
「COMITÊ OLÍMPICO BRASILEIRO」
【コミテッ・オリンピク・ブラズィレイル】、
「ポルトガルオリンピック委員会」は、
「COMITÊ OLÍMPICO DE PORTUGAL」
【コミテッ・オリンピク・ドゥ・ポルトゥガーゥ】
といいます。
「BRASILEIRO」は、英語だと「BRAZILIAN」、
「DE PORTUGAL」は、英語だと「OF PORTUGAL」
です。
又、よく見ると、
委員会を意味する「コミテッ」も
「COMITÊ」と「COMITÉ」
ということで、
アクセントの形が違います。
形式としてはどちらもあり得る形なので、
「またしても一致しないね~」
で
済ませることもできないことはないのですが、
敢えていうと、
ポルトガルの言い方の方が、
「フォーマルな表現らしさがある」
ということができます。
(つまり、ブラジル人がダサいと感じる要素があるということです。笑)
米国の場合に例えると、
フォーマルな場で大統領が呼ばれる場合、
「The President of the United States of America, ○○ ○○」
とアナウンスされますよね。
でも、ニュースや雑誌の
「誰々はこう言ったが、かれかれはああ言った」
といった程度の話なら、
「American President」で済ませてしまうこともあるでしょう。
ただ、冷静に考えると、「American President」って、
「どこか別の国のアメリカ人の大統領」かもしれませんよね。
(そんなのいないからアメリカの大統領だと分かるけれど...。)
*****
では、その他のポルトガル語圏ではどうなっているかを見てみましょう。
ブラジルの
「Comitê Olímpico Brasileiro」と同じ形式
(但し「コミテッ」の表記は欧州葡語)なのは、
アンゴラオリンピック委員会:
Comité Olímpico Angolano
【コミテッ・オリンピク・アンゴラーヌ】】
と、
カーボベルデ・オリンピック委員会:
Comité Olímpico Cabo-verdiano
【コミテッ・オリンピク・カーブヴェルディアーヌ】
の2つだけで、
その他のポルトガル語圏は、
ポルトガルの「Comité Olímpico de Portugal」と
同じ形式を、以下のとおり採用しています。
・「ギニアビサウ・オリンピック委員会」:
Comité Olímpico da Guiné-Bissau
【コミテッ・オリンピク・ダ・ギネ・ビサウ】
・「モザンビークオリンピック委員会」:
Comité Olímpico de Moçambique
【コミテッ・オリンピク・ドゥ・モサンビック】
・「サントメ・プリンシペ・オリンピック委員会」:
Comité Olímpico de São Tomé e Príncipe
【コミテッ・オリンピク・ドゥ・サゥントメー・イ・プリンスィプ】
・「東ティモール・オリンピック委員会」
Comité Olímpico Nacional de Timor-Leste
【コミテッ・オリンピク・ナスィオナーゥ・ドゥ・ティモール・レストゥ】
(※ これは IOC による National Olympic Committeeの正式名称。)
更に、普段ポルトガル語圏として扱っていない
下記2つについても、「ポルトガル形式」です。
・「マカオ・オリンピック委員会」
Comité Olímpico de Macau
【コミテッ・オリンピク・ドゥ・マカウ】
・「赤道ギニア・オリンピック委員会」
Comité Olímpico da Guiné Equatorial
【コミテッ・オリンピク・ダ・ギネ・エクァトリアーゥ】
*****
尚、アクセントが異なる
「COMITÊ」と「COMITÉ」ですが、
アクセントが示しているのは、どちらもこの音節が強く読まれること、
且つ、
「COMITÊ」の「TÊ」は閉口音、
「COMITÉ」の「TÉ」は開口音だということですが、
基本、普通の日本人には同じに聞こえてしまうため、
ここでは深入りしません。
👄👄👄👄👄
最後に、
国際協力の分野でポルトガル語通訳を目指す方々に一点。
「日本国際協力機構 - JICA」のポルトガル語訳は、
モザンビーク以外の全てのポルトガル語圏で
「Agência de Cooperação Internacional do Japão - JICA」、
モザンビークのみ
「Agência Japonesa de Cooperação Internacional」
となります。
これはモザンビーク事務所立ち上げの際、
ブラジル事務所から赴任された方が決定されたことに寄るのですが、
結果からというと、
「モザンビークは欧州葡語圏です。
しかも他と異なるのは如何なものかと…」
と個人的には思ってしまうわけですが、
こういったマイナー事項を知っておくのも、
「業界通」への一歩かもしれませんね♪
最後までお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「学者風 電球2」はこたつぶとんさんの作品です。