【2つのポルトガル語】:「Pai Natal」と「Papai Noel」
クリスマスのことは、どこのポルトガル語でも
「Natal【ナターゥ】」といいます。
違いと言えば、伯葡語では思い切り「ナターウ」と、
語尾を「ウ」と発音するのに対して、
欧州葡語では、語尾がより「L」らしい音、
つまり「ナタール」に近い発音になるという程度です。
一方、
サンタクロース🎅はというと、
欧州葡語では
「Pai Natal【パイ・ナタール】」
というのに対して、
伯葡語では
「Papai Noel【パパイ・ノエ―ウ】」
といいます。
「Pai」は「父親」、「お父さん」という意味、
「Papai」はブラジルで父親を呼ぶ際の呼称で、
詳細については、こちらの記事 ↓ で綴っております。
「Natal」は冒頭に記したとおり「クリスマス」ですから、
この時点で欧州葡語の
「Pai Natal」の直訳は「クリスマスの父」
だということになります。
では、「Noel」はというと、
これまた「クリスマス」なのですが、
フランス語由来です。
つまり、どちらも日本語に直訳すると
「クリスマスの父」ではあるのですが、
ブラジル葡語(伯葡語)の場合は
「父」の部分が「お父さん」や「パパ」といった
呼称になっていたり、
「クリスマス」が外来語になっていたりと、
どこか「そのまんま」よりは
「カタカナ語にすることで雰囲気を出す」のを
好む日本人と似た感性がうかがえます。
私自身はブラジル育ちなので、
ポルトガルやその他の葡語圏の
「Pai Natal」という言い方にはどうしても
「硬さ」というか「冷たさ」のようなものを感じたり、
「まんま過ぎてダサい」というイメージを抱いてしまうのですが、
逆に
欧州葡語話者はどうなのでしょうね…。
ひょっとすると、
「サンタさんのように敬意をはらうべき相手に
馴れ馴れしい呼称を使うとは!」
といった印象でも持つのかもしれません…。
その辺りは定かではありませんが、
これもまた
アフリカ葡語圏に通うようになって知った
伯葡語と欧州葡語の違いの一つなのです。