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私の勝手な妄想です。でも絶対こうだと思うんです。(爆!)

トップ画像:from https://www.youtube.com/watch?v=BPon7p6OQu4


ポルトガル語に、
「TIRAR O CAVALO DA CHUVA」
という表現があります。

これは直訳すると、

「馬を雨の中からどける」

つまり、

「雨が降っているから馬を屋根のあるところ(納屋など)に連れて行く」

といった意味で、

実際の用法上(文脈上)は、

「あきらめる」

と訳されるものです。

*****

この表現は、概ね次のような形で用いられます。

「Tira o cavalo da chuva!」

伯葡語:【ーラゥ・カヴァール・ダシューヴァ】
欧州葡語:【ティーラゥ・カヴァール・ダシューヴァ】

(意訳= 「あきらめなさい!」、「もう、あきらめろ!」)

または、

「É melhor tirar o cavalo da chuva.」

伯葡語:  【・メリョール・チーゥ・カヴァール・ダシューヴァ】
欧州葡語:【・メリョール・ティール・カヴァール・ダシューヴァ】

(意訳= 「あきらめた方がいい」、「もうあきらめた方がいい」)

※  ちなみに「cavalo」を「cavalinho (カヴァリーニュ:”お馬ちゃん“)に
   置き換えて、ちょっと皮肉っぽいニュアンスを表現することも多々あり
   ます。それにより「もうお馬さんを引っ込めな」といった感じになり、
      結果、「あきらめの悪いヤツだなぁ~」、「いい加減あきらめたら?」
   といった意味の表現になります。

*****

私がこの表現を習ったのは、中学生のときの国語の授業で、

「あきらめる」

「馬をこれ以上濡らさない」

「馬を納屋に戻す」


と、頭でお絵描きしているうちに、

「そうか!」


と、突然閃いてしまいました。

*****

そこは西部劇風の飲み屋、

「二人でどこか遠くへ逃げよう。〇時に△△の店で待っている」

と、愛する女性に告げた青年は、

店の片隅で既に数時間待っているが、
約束の時間もとうに過ぎたというのに彼女は一向に姿を見せない。

やがて降り始めた雨は本降りとなり、
店の前でスタンバイさせた馬も、たてがみからは水が滴り落ち、
水をはらおうと、時折耳をピクピクさせながらじっと耐えている。

そこで、見兼ねた店主が

「なぁ、お前、もうあきらめなよ。
馬も濡れてしまってかわいそうじゃないか。
ほら、納屋に連れていってやれって!」


という、

「見事青年は振られました!」な物語が思い浮かびました。

テレビとマンガが大好きな「思春期女子あるある」な
「妄想物語」♪ です。

そして、そう思い込んだが運のつき、
おばあちゃんになった今でも
「tirar o cavalo da chuva」という表現を聞く度に、
この「駆け落ち未遂物語」が脳裏に浮かんでしまいます。>笑

*****

ところが、
つい数か月前、この表現の本来の語源はどうなのだろうと
調べてみたところ、

その昔、客人が帰ろうとするのを家人が
「もっとゆっくりしていきなさい」と引き留める際、

英語の「You may」に相当する
「Pode」を用いて

「Pode tirar o cavalo da chuva.」

伯葡語:【ージ・チーゥ・カヴァール・ダシューヴァ】
欧州葡語:【ードゥ・ティール・カヴァール・ダシューヴァ】

(「馬を雨からどかせなさい」→「馬を納屋に繋いでやりなさい」)

という表現を使っていたのだそうで、

この場合、

「帰ろうったって、そうはさせませんぞ!
もっとゆっくりしていって下さいな」

という意味合いがありますから、
「帰るのをあきらめさせる」ということで、それが転じて
「あきらめる」という意味の表現になった
という説が有力のようなのです。

ちなみに現代では、上記の
「Pode tirar o cavalo (cavalinho) da chuva」
という表現は、
「あきらめた方がいいよ」「期待しても無駄だよ」
などと訳されます。

無論、語源としては、
恐らくこちらの説の方が正しいのであろうとは思いますが、
どうも今一つインパクトに欠ける気がしてなりません。

ましてや

語学学校で教えるような場合を想定しても、
断然私の「妄想脚色バージョン」の方が納得もいくし、
覚えやすいのではないかと思ってしまうのです。>笑

従いまして、

本件に関しましては、独断と偏見で、

「Shiominさんの『妄想案』の勝ち~!」

と自己判定させて頂きたいと思います、はい。>爆!

*****

ということで、
(説明内容は限りなく身勝手なものではありますが、)
ポルトガル語の「面白表現」を一つ
ご紹介させて頂きました。

本日もお読み頂き、ありがとうございました!

悲しいモチ

※  「フラれたモチ」否、「悲しいモチ」はこたつぶとんさんの作品です。


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