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エスポルチ Vs. デシポルトゥ
先日、
「handebol」は「handball」と頭文字が一致するから分かり易いけれど、
「andebol」は「h」がないからすぐには何のことだか分からなかった
という話をしておりましたが、同じようなケースを
もう一つご紹介します。
伯葡語:esporte【エスポルチ】
欧州葡語:desporto【デシポルトゥ】
というケースです。
その意味は、「スポーツ」です。
如何でしょう?
単語の中に「sport」があるから
「あ、スポーツだ!」と
すぐ分かる人と、
スポーツには「S」で始まる単語としてのイメージが強くて
すぐにはピンと来ない人に分かれる感じでしょうか。
私が教師をしていた頃は、このようなケースの単語が出てくる度に、
「頭文字が違うのは苦手」
という人が多かったように記憶しています。
また、「S」で始まる単語だと思っていたものが
「E」で始まる単語になっていた場合と
「D」で始まる単語になっていた場合でも
印象は違うかもしれませんね。
*****
ちなみに、
「D」で始まる欧州葡語の
「DESPORTO」は、
実は伯葡語、つまりブラジルのポルトガル語にも存在し、
同じ「スポーツ」という意味なのですが、
「私はブラジル葡語をかじったけれど、『desporto』なんて見たことない」
という人や、
「ブラジルに少し住んでいたけれど、『desporto』なんて聞いたことない」
という人も、少なくないのではないでしょうか。
それもその筈、
「desporto br」で検索を掛けて出てくるのは
「Confederação Brasileira do Desporto Universitário 」
「ブラジル大学スポーツ連盟」
とか、
「Conselho do Desporto do Estado do Ceará」
「セアラ州スポーツ委員会」
といった、お堅めの組織名が大半を占めます。
そう、同じ意味でも
日本語ならば、「運動」といった場合と
「スポーツ」といった場合のような
響きやニュアンスの違いがあるのです。
ですから、
ブラジルに少し住んだり、ブラジル葡語を多少習っても、
そのような組織との関わりがなければ、
「『スポーツ』は『esporte』だよね」
で済んでしまうことが多いかと思われます。
*****
そんな「esporte」と「desporto」ですが、
形容詞になると、
「esporte」は、「esportivo(s)」/「esportiva(s)」
「desporto」は、「desportivo(s)」/「desportiva(s)」
となるのですが、
その意味も、「esportivo(s)」/「esportiva(s)」の方は
「スポーティーな~」
といった雰囲気、
「desportivo(s)」/「desportiva(s)」の方は、
「運動の~」、「スポーツ用の~」
といった、お堅い表現とされます。
それが証拠に、今度は「esportivo br」で画像検索すると、
いきなりスポーツカー「carro esportivo」が
ドドドッとヒットしますが、
「desportivo br」で画像検索すると、
「desportivo」が名称に付くサッカークラブの写真と
お堅めな本がヒットし、
そのままウェブ検索に移ると、
「Associação Desportiva para Deficientes Físicos」
「障碍者スポーツ協会 」
といった組織名がヒットします。
*****
一方、「esporte」や「esportivo」はブラジル葡語とし、
ブラジルのような区別をしない
欧州葡語では
「desporto」や「desportivo(s)」/「desportiva(s)」が
万能になりますので、
「スポーツカー」も
「carro desportivo」や「viatura desportiva」と
「desportivo(s)」/「desportiva(s)」を用いることになるので、
結果、
いつものオチに至ってしまいます…。
つまり、ブラジル人には
「『carro esportivo』を『carro desportivo』って言うってダサくない?」
という反応になってしまう人がいるということです…。
(そういう人は、町中を走るスポーツカーをイメージしているからで、
オートレースなどのマシンならブラジルポ語でも「carro desportivo」
というのだことを知らないだけなのですが…。)
というわけで、またしても
「やっぱり伯葡語と欧州葡語はウマが合わないようだ」
というお話になってしまい、お粗末様でした。
本日もお読み頂き、ありがとうございました!
今夜は自由の身になったので、ルンルンお風呂♪
※ 「お風呂 子ねこ」は、こたつぶとんさんの作品です。