ポルトガル語では「可愛い」を表現するのが意外と難しい件...
いや、なにもポルトガル語に限ったことではありませんよね…。
なにせ「可愛い」にぴったり見合う語が海外にはないから
「kawaii」という日本語がアニメとともに
世界で知られるようになったというのは周知の事実ですものネ ♪
でも、そうは言っても、
「kawaii」は本来の「可愛い」とは異なり、
日本の漫画とかロリ系ファッションなどに見られる
日本特有の「可愛さ」を指すのだと思うのです…。
だって、
世界中どこへ行っても
人間の赤ちゃんも動物の赤ちゃんも
間違いなく可愛いし、
生き物でなくても
可愛いプリントとかグッズとか、
世界は可愛いもので溢れていますからね ♪
それらを形容する単語がない言語が存在するだなんて
あり得ません!!
それが証拠に、これをご覧下さい!
⇓
a)
b)
c)
d)
😁😂🤣
これではむしろ
「『可愛い』があり過ぎ!」
って感じですよね…!💦www
にも拘わらず、
「『可愛い』を表現するのが難しい」と感じるのは
どうしてかについて述べてみたいと思います。
まずは a) の 「bonitinha」について。
「bonitinha【ボニチーニャ】」は
「bonito【ボニートゥ】」(=美しい)の女性形である
「bonita【ボニータ】」に、
「小さい○○」、「かわいい○○」、「○○ちゃん」といった
ニュアンスを与える接尾語である
「-inha【-イーニャ】」(※ 男性形は「-inho」)を付けて、
「可愛らしいイメージ」を醸したものです。
ただ、
この「bonitinho/ bonitinha」は
冷静に考えると、
「美しい」が小さくなるわけですから、
「『美しい』に至らない」という意味に捉える人も
いなくないんですね、これが…。
そのため、
こんな漫画があったりもするのです…。
⇓
そんなわけで、
「bonitinha」と言われると
喜ぶ人もいる一方、
侮辱されたと感じてしまう人もいるのです…。😥
ちなみに
古めのポルトガル語の辞書や教科書では
圧倒的に「可愛い= bonitinho/bonitinha」
とされていたと記憶しているのですが、
最近は
b) の「fofa【フォッファ】」
(男性形は「fofo【フォッフォ】」)
を紹介しているものが多いようです。
この「fofo/fofa」は、
元々は「柔らかい」、「ふっくらしている」
といった意味の語で、
時と共に
「ぷにぷにしたくなるような可愛さ」を表すものとして
定着していったものです。
そして
この「fofo/fofa」に
例の「-inho/-inha」という接尾語を付け加えて
「可愛さ」を強調したものが
「fofinho【フォフィーニュ】」/「fofinha【フォフィーニャ】」
ということになります。
そんなこんなで
「-inho/-inha」のあるなしに関係なく
「可愛い」と和訳する上で
「fofo」/「fofa」と「fofinho」/「fofinha」が
最も相応しい表現だと思われますし、
実際最近の教科書には
これらが紹介されていることが多いのです。
一方、最後に残った d) の
「gracinha【グラッスィーニャ】」ですが、
これは
英語の "grace"(=《神の》恵・ご加護)
に相当する「graça【グラッサ】」という名詞に
前出の「-inha」が付いたものになります。
この d) は名詞ですので、
形容詞である a) ~ c) とは異なり、
主語と「graça」/「gracinha」の間には、
「This is a pen」の「a」と同様の不定冠詞である
「uma【ウマ】」(男性形は「um【ウン】」)が入ります。
で…、
実際の会話では
「Maria é uma graça」も
「Maria é uma gracinha」も
「マリアは可愛い」
と和訳できるのですが、
Google 翻訳の a) ~ d) には
「graça」を用いた例文は出しておりません。
それは何故かというと、
こういう結果だったからです。
⇓
😁😄😉
てなわけで、
何が言いたいかというと、
・ ポルトガル語で「可愛い」は、いろいろな言い方があるけれど、
どれも他の意味の言葉を応用したものだということ。
・ そのせいもあって、「可愛いはこういうのね!」とどれか一つを
暗記して、そのつもりで相手を褒めてしまうと、場合によっては
相手が変な深読みをしてしまって失敗に繋がってしまうかもしれ
ないということ。
・ 日本語の「カワイイ」は、まさしく「可愛さ」を表現するための
単語なので確かに優秀で、海外でも絶賛されるだけのことはある
ということ。
等々...。
❇❇❇
ところで、
何かとポルトガル語の情報には疎い Chat GPT 君と
今回も会話をしてみました。w
なにかと腰が低くて、
ツッコまれるとすぐ謝りまくってしまう Chat GPT 君を
まるで虐めているようで悪いのですが…、
今回はそれなりに実りあるやり取りが出来ましたし、
この件に関しては概ね的を射ていたので紹介しちゃいますね♪
⇓
というわけで、