津軽弁の「などさ」みたいなポルトガル語の「オンコットー」
宇宙人A:「『ワレワレハドコニイルノデショーカ?』と聞いたん
だけれど、答えてくれないんだ...」
宇宙人B:「じゃあ『オンコット―』というのをトライしてみろ!」
😅 😂 🤣
説明します。
「オンコット―」とは、
漫画では「Oncotô」と表記されていますが、
多少元々の言語要素を残した表記にすると、
「Onde qu'eu tô」
となり、
更に
一般的なポルトガル語の口語にすると、
「Onde é que eu estou?」
伯葡語:【オンジ・エッキ・エウ・イストー?】
欧州葡語:【オンドゥ・エッケウ・シトー?】
となるのですが、
意味は漫画で推察できるとおり、
「私はどこにいるのでしょうか?」
という意味で、
ブラジルの田舎のおっちゃん、おばちゃんなどが
こんな話し方をするのです。
津軽弁では
「などさ」で「あんた、どこ行くの?」
という意味になるそうですが、
似た感じですよね!w
それにしても、
さすがは宇宙人さん達!
「田舎のおっちゃん・おばちゃん語辞典」まで
持ってきていたのですね!笑
❇❇❇
さて、ついでに
プラスアルファの説明&情報です。
「一般的なポルトガル語の口語」だとした
「Onde é que eu estou?」
という文の「é que」とは、
本来ならば
「Onde eu estou?」または「Onde estou?」
だけで「私はどこにいる?」という意味になるところに、
これ(é que)を疑問詞(Onde = どこ)の後ろに付けることで
「いったい私はどこにいるのだ?」
といった
より強い表現にするとともに
口語っぽい雰囲気を出すものです。
この「é que」は他の疑問詞の後ろにも付けることが可能で、
口語が非常にラフなものになると、
「é que」の「é」が省かれてしまいます。
(※ 文法的には間違っているんですけどね…。)
それゆえ
「オンコット―」にも
「é」らしき痕跡がないというわけです。
ちなみに
いつもと様子の違う友達に対して
「おい、どうしたんだよ?」
と聞くような場合、
ブラジルでは
「キキセテン?」
(Que que cê tem?)
という表現がよく使われます。
これの場合は、
「O que você tem?」
【ウキ・ヴォセ・テン?】
(=「どうしたのですか?」)
↓
「O que é que você tem?」
【ウキエッキ・ヴォセ・テン?】
(=「いったいどうしたの?」)
↓
「O que (é) que (vo)cê tem?」
【ウキキ・セ・テン?】
(=「いったいどうしたの?」)
↓
「Que que cê tem?」
【キキ・セ・テン?】
(=「いったいどうしたの?」)
と、発展していったものになります。
❇❇❇
ちなみにポルトガル人やその他欧州葡語圏の人達は、
(そもそも口語で「você」をあまり使わないということもありますが)
このような「小難しい」表現をする人は
あまりいないようで、
むしろ
対等ないし「上から目線」で用いる「君」や「お前」を意味する
「tu(トゥー)」を用いて
(というか、それを用いていることを前提にして)
「Que tens?」
【ク・テンシ?】
という人が多いように感じます。
が、
ものすごい早口で「ク・テンシ?」と言われても、
「ブラジル人」な私としては、
当初聞き取ることすら出来ませんでした…。💦 苦笑
❇❇❇
最後に両葡語における
よく聞く表現をもう二つほど。
🌀 「何か用かい?」
伯葡語:「Que que é?」
【キキエッ?】
欧州葡語:「Que é ?」
【クエッ?】
🌀 「いったいなんだっていうのよ?!」
伯葡語:「Que que cê quer?」
【キキセケーッ?】
欧州葡語:「Que queres ?」
【クケーリシ?】
といった塩梅で、
欧州ポルトガル語の方が表現が短い場合が多いです。
いずれにせよ、これでは
慣れないと別言語って感じですね…。笑
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「やばっ!知らないところまで来ちゃった!オンコット―?!」、否、
「ギクッ ネコ」はこたつぶとんさんの作品です。
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