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ボリビアのメノナイト

(※ 長文注意⦅5000文字強⦆! 引用文があったりで
長くなってしまいました。でも、動画解説として画像も沢山貼り付け
ましたので、よろしかったら画像だけでも見ていって下さいね♪)

先日、フォローしているブラジル人バックパッカー夫妻の
Youtube チャンネル
「Mundo sem Fimンドゥ・セン・フィ】」
(=「終わりなき世界」)に
ボリビアのメノナイトの集落を訪れた際の
動画が上がっていました。


「メノナイト」とはこんな人達です。 ↓

日本大百科全書(ニッポニカ)「メノナイト」の解説
メノナイト
めのないと
Mennonite
16世紀のオランダ、スイスのアナバプティスト(再洗礼派)の流れをくむプロテスタントの一派。メノー・シモンズMenno Simons(1496―1561)の信奉者と精神的後裔(こうえい)に対する名称。メノー派またはメンノー派ともいう。ミュンスターを占領した人々(キリストの再来を予測、再洗礼派のなかでも革命的傾向をもつ)とは異なり、暴力を否定する平和主義を特徴とする。ルターやツウィングリの国教会制度を拒否(教会と国家の分離を主張)、信者の自由意志に基づく再洗礼(幼児洗礼の否定)を基本とした純粋な教会の建設を目ざし、兵役を拒否したため厳しい迫害を受ける。アメリカで最初に永久的定住をしたのは、1683年ペンシルベニアのジャーマンタウンである。1639年ヤコブ・アマンJacob Ammanを指導者としてメノナイトから分裂した一派をアーミッシュというが、両者には神学上、ほとんど相違はない。世界中にある多様なグループは、1920年に結成されたメノナイト中央委員会(MCC)の下で貧しい人々の救済活動を行っている。会員数はつかみにくいが、1990年現在北アメリカに約38万人、世界で約85万6000人といわれている。

https://kotobank.jp/word/%E3%83%A1%E3%83%8E%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88-141624

同系統では、メノナイトよりは、
そこから枝分かれした「アーミッシュ」の方が有名かも知れませんね。

日本大百科全書(ニッポニカ)「アーミッシュ」の解説
アーミッシュ
あーみっしゅ
Amish

16世紀のオランダ、スイスのアナバプティスト(再洗礼派)の流れをくむプロテスタントの一派であるメノナイトから、1639年に分裂した一派。ヤコブ・アマンJacob Ammanを指導者として始まったためアーミッシュとよばれる。イエスやアマンの時代の生活を実践しようとする復古主義を特徴とする。メノナイトと同様、ルターやツウィングリの国教会制度を拒否(教会と国家の分離を主張)、国民性やイデオロギーの違いで人を殺すより、牢獄へ行った方がよいとする平和主義を貫く。映画『刑事ジョン・ブック――目撃者』(1985)で広く知られるようになった。現代文明を拒否して電気や車を使わず、馬車を用いて、おもに農業を営む。地味な服装は信仰の表れである。アメリカ合衆国では、義務教育や兵役拒否で国家と争うが弾圧は受けなかった。権威や偶像を認めず、自然とともに暮らすアーミッシュの質素な生き方から何かを学ぼうとする現代人もいる。アーミッシュ単独の実数はつかみにくいが、メノナイト系全体では、1990年現在、北アメリカに約38万人、世界に約85万6000人といわれている。

https://kotobank.jp/word/%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5-158167

日本で「アーミッシュ」が知られるようになったのは、
恐らく上の引用文にも記されている
この映画 ↓ の影響が大きいでしょう。

私自身、
アーミッシュの人達について知ったきっかけは
この映画だったように記憶しています。

❇❇❇

さて、
バックパッカー Youtuber 夫妻の
「Mundo sem Fim」さんのお二人は、

以前メキシコでメノナイトの人達を目撃したときには
その存在について何も知らず、

「観光客かと思いきや馬具を買っているし、何なんだろう?!」

と思ったのだそうで、

後にボリビアに来てから泊まったホテルの
インターネットテレビに
「お薦め」として紹介されていたドキュメンタリーが
「メノナイト」についてのものだったのだそうで、
その番組を観ることで
その独特な生活様式などについて知り、

ついでにボリビアにも
推定人口6万人もの
メノナイト・コロニーがあると知り、
是非訪れてみようと考えたのだそうです。

私自身、
ボリビアにそのような人達がいるとは知らなかったので、
その動画を興味深く観て、
そのうち記事にしようかなと思っていたところ、

たまたま jayjayさんという noter さんの
「アーミッシュの生き方に学ぶ」という記事が
私の別の記事の下部に表示されました。

その記事がこちら。↓

jayjayさんのこの記事に貼られた動画を観てみると、
(それまでの理解では「メノナイト」という大きな枠があり、
その中でもより厳格な考えの人達が分裂して形成されたのが
「アーミッシュ」…という印象だったので)

アーミッシュ・コミュニティーの中にも、
事実非常に厳格な人達がいる一方で、
ボリビアの「メノナイト」より
遥かにリベラルなアーミッシュもいると知り驚きました。

❇❇❇

それでは
Mundo sem Fim さんの動画をどうぞ。

(※ 28分強もの長い動画ですが、見学先の映像は6分15秒以降で、
内容については、おおまかな解説を下記に記しております。)


(解説)

動画は、多くのメノナイトの人達が
買い物や、行商・物販にやってくるという
近隣の町から始まります。

ここでは
・今回は受け入れ先などを仲介してもらう形でツアーを
組んでもらったこと、
・行ったところで、受け入れ先の人がどの程度撮影行為に
寛容であるかも分からないことなどが説明され、

道中の景色や食事、
仲介の人の家で待たされる様子などの映像を経て、

6‘:15“ 頃にようやく現地に辿り着きます。

二人は
小さな町かと思っていたそうで、
だだっ広い草原に家々が点在するという景色に少し驚きつつ、
ブラジルにドイツ移民が入ってきた当初も
こんなだったのかもしれないなどとコメントします。

6‘:35“に今回家などを見せてくれる訪問先のご主人と合流。

ご主人は2才のときにベリーズからやってきたそうです。

飼育している豚や馬、トイレ、古い馬車(一見残骸!)などを
見せてもらいながら、お宅へ向かいます。

8‘:40“: ご自宅にお邪魔します。

産まれたばかりの末っ子(ご主人の孫)は
まだ生後16日だそうです。

電気も水道もないので、
灯はガスランプで、アイロンもガスコンロの火で温めて使います。

奥さんが生地から縫って、アイロンを掛けたばかりの
ドレスを見せてくれます。

手の込んだドレスですが、
たった1日の作業で出来上がってしまうそうです。

聞くと、ご主人の服も、
デニムのつなぎ以外は全て奥さんの手作りだそうです。

食糧はバターなども自家製で、

冷蔵庫もありますが、それもガス冷蔵庫です。

そんなメノナイトですが、意外や意外、
ファンタなどの清涼飲料水のストックがいっぱいです!笑

上の孫の女の子は
貸してあげた Mucuva(チャンネルのマスコットのサルのぬいぐるみ)に
すっかり魅了されてしまったようです。

(でも5年以上チャンネルのマスコットとして
一緒に旅をしている家族ですから、
あげてしまったりはしません。笑)

おやつをご馳走になります。
パンもチーズもバターも自家製で、
フレッシュでとても美味しいとのこと。

カレンダーを見ると、ドイツ語のもののようです。

❇❇❇

12':09" からは、Renan【ヘナン】(Youtuber 夫妻の旦那さん)が
歩きながら「メノナイト」について説明します。

・16世紀にドイツで出現したメノナイトは
クリスチャンではあるものの、
カトリックともプロテスタントとも異なる宗派であること、

・とくに違うのは、洗礼は本人が望んで受けるべきとの考えから、
大人になってから受けるという点であること、

・そのせいもあって、
産まれてまもなく洗礼を受けさせる宗派からの迫害に遭い、
世界各国へちりぢりに逃れていったこと、

・ロシアに向かった者もいれば、北米に向かったものもいたこと、

・彼らは彼らなりの聖書の解釈から素朴な生活を好み、
電気も使わなければ、携帯電話なども持たないこと、

・自分達で学校をつくり、そこではドイツ語で勉強すること。

・学校では読み書きと聖書の内容の他、算数も多少学ぶこと、

・でも学校に通うのは5~7年程度だけで、
それを過ぎると家の仕事を手伝うようになること、

・仕事をし始めると、初めて靴を貰うことになっているので、
それまで子供は裸足で生活すること、

・メノナイトの人達は、一旦どこかの国に住み始めても、
その国が進歩していく中で、
義務教育と称して「子供を学校に通わせなさい」だの
「児童に労働をさせてはいけません」などと
うるさく言ってくるようになると、
自由にさせてくれる他の国へと移っていくこと、

・そういった理由でこの家族の一代前の人達も、
1960年代にベリーズから移住してきたこと、

・ボリビア政府は、この一帯の土地を与えてくれた上で、
好きなように生きれば良いとしてくれていること

などについて語っています。

❇❇❇

14':30" 再びメノナイトの家族と合流します。

馬車を用意して待ってくれていました。

誰かが結婚すると、その新たな家族のために
新婦の親が馬車を用意しなければならないのだそうです。

14':54" 次の見学場所へ馬車で送ってもらいながら、
Youtuber 夫妻 がコメントします。

「排他的な考えの人達だと聞かされていたので、
接触はもっと難しいかと思っていたが、
この家のご主人は、
ここで作ったものを町で売る商売をしていることもあり、
外部の人にも慣れていて、
家族総出でとても親切にしてくれて良かった」

と…。

❇❇❇

15':15"~
今度は材木業を営んでいる甥っ子の作業場を見せてくれます。

ガソリンで動く動力付き機械類もありますが、
聞くと、機械類も集落内で製造しているとのこと。

親族同士はドイツ語で話します。

❇❇❇

16':36" から数秒間見えるのが学校です。

16':43"~
元のお宅に戻り、
今度は結婚式に用いられる衣装に使われる布を見せてもらいます。

こげ茶色っぽい布ですが、
結婚式では新郎・新婦共にこの色の衣装を着るのだそうです。

16:52~
ここから再び Renan による解説です。

コミュニティーには税金の問題などを担当する
行政上のリーダーの他、
どの技術が導入可能かなどについて決める
宗教上のリーダーがいるそうです。

そして目下問題になっているのは、
近年ボリビア政府により新たなIDカードが導入されたのですが、
そのカードには、メノナイト達が「悪」とみなす
チップが組み込まれているため、
コミュニティーの住民の中には IDの更新を怠り、
不法滞在者になってしまう人が増えているのだそうです。

話は変わり結婚についてですが、
男女がお互い結婚の意思を示すと、
一定期間婚約した後、1週間同棲し、
その後最終的に「イエス」か「ノー」の答えを出すという、
ある種「足入れ婚」的な風習があるのだそうです。

なお、離婚は存在しませんが、
どちらかが先立った場合の再婚は可能です。

コロニー内は平和で、家に柵などはなく、
こちらの子供があちらのお宅にお邪魔するといったことも自由です。

ただ、最近悲しい事件があったそうです。

栽培している植物に麻酔効果があるものがあり、
住民がそれを用いて噴霧できるスプレータイプの液体を作ったところ、
夜中に外部からの侵入者がやってきて、
部屋にそれを噴霧しては女性を襲うという事件が起きたのだそうです。

犠牲者は何が起きたのかも分からず、
しかも違和感があっても言い難いことですから
うやむやになってしまいそうだったところ、
密告者が現れ実態があばかれ、犯人は捕まったとのこと。

19':20"~
子供のおもちゃのトラクターも自家製です。

19':30"~
今度は Renan 達を連れてきてくれた車に乗って、
少し離れたところにある「店」を見にいきます。

19’:50"~
店に到着します。

食品から鍋などの日用品、更には馬具までなんでも売っており、
ときには外部のボリビア人も買いにきます。

会計には手巻きの古い計算機もあります。

❇❇❇

22':18"~
これ以降は、
もう一件チーズ作りをしている人の家に寄りますが、
事故で動けなくなってしまった息子さんがいるということもあり、
家の中の撮影は照明器具のみとなってしまいましたが、

夕暮れ時の牛の搾乳作業を見せて貰い、

24':25"には
Renan が Michele【ミシェーリ】(奥さん)に
今回のツアーの採点をお願いすると、

Michele が
「(10点満点中の)10点!」

と答えてツアーは終わります。

(それ以降は、本当に良いツアーであったこと、
当初予定にはなかったものについても、
話の流れであれもこれも見せてくれたこと、
ここのルールはこの集落のもので、
もっと厳しい集落もあれば、もっとゆるく、
町中で暮らすメノナイトもいることなどが話されています。

❇❇❇

翌朝は、早くも別の町への移動です。

ちなみに前夜、宿に戻れたのは日付が変わってからだったそうです。

なにせメノナイトのコロニーへは
この画像 ↾ のサンタ・クルス・デ・ラ・シエラを
朝7時半に出発して、
あちこちで待たされたり、途中で食事をしたりで
辿り着いたのは昼過ぎでしたから、

帰りは「待たされる」といったトラブルこそなかったにせよ、
相当遠かったことは間違いないようです...。

この二人のタフさにはいつも驚くばかりですが、
とても気に入っているチャンネルなので、
今後も頑張ってほしいものです。

❇❇❇

最後に、
こちらもフォローしている Youtuberさんですが、
カリフォルニアにお住いの日本人の方で、

以前アーミッシュが多く住む地方に
住まれたことがあるとのことで、
トークだけですが、
分かり易いお話をされているので貼り付けますね ♪


最後までお読み/ご覧頂き、誠にありがとうございました!


※ 「たまには真面目風を装う Shiomin」、否、
「メガネを直す ネコ」はこたつぶとんさんの作品です。


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