かつて輝いたホテルのドキュメンタリー映画はスラムの生活を描くものだった
1955年、
モザンビーク共和国の
ソファラ州ベイラ市にオープンした
Grande Hotel da Beira
【グランドゥ・オテール・ダ・ベイラ】
こと
「ベイラ・グランド・ホテル」は
当時アフリカで最大・最高級
と言われたホテルでした。
ベイラ市は首都マプトに次ぐ第2の都市で、
位置はこちら。↓
ホテルの位置はこちら。↓
もっと寄ってみると...、
間違いなく好立地だということが見て取れます。
オリンピックサイズ・プールを完備した
それはとても立派なホテルでした。
これらの写真 ↑ は1960年代初頭のものですが、
この巨大な宿泊施設は
残念ながら満室になるほど盛況とはならず、
早くも1963年にはホテルとしての営業は休業となり、
レストランや商業施設、
そしてプールが
市民の憩いの場として利用し続けられました。
ポルトガル人社会で影響力のあった
ジャルディン家の令嬢パトゥッシャさんの
挙式もここで開かれました。
しかし
1964 年には独立戦争がはじまりました。
独立戦争は1974年9月8日(停戦日)まで続き、
モザンビークは1975年6月25日に独立国家となりますが、
2年後の1977年には内戦が勃発し、
1992年に包括和平協定が結ばれるまで
紛争が続いたのです。
そして独立後、ホテルは
盗難や破壊行為に遭い、
やがて不法占拠され、
今では3000人とも4000人とも言われる
貧困層の人々の住む
いわば「垂直スラム」と化してしまいました。
まるで軍艦島のようですね…。
↑ 全300室、内106室がスイート、レストラン2店、
映画館とカジノもあったのだとか…。
挙式の写真にもあった階段ですね…。
そして
もはや電気も水道もないこの空間で
ン千人とも言われる人口が
生活を営んでいるのです。
それでも、そこには
子供達の笑顔があり、
インド洋の日の出は
相も変わらず美しいのです。
そして2010年には、
このホテルの過去と現在についての
ドキュメンタリー映画も製作されています。
それがこちら。↓
(このサイトで予告編が観られます。)
AFP通信のリポートもどうぞ。
(「YouTubeで見る」をクリックして下さい。)
これらのサイトにも
見る価値のある写真が多く載っています。↓
かつて
世界はどんどん便利で豊かになっていくのだと
信じて疑わなかった時代がありました。
今は
「よもや21世紀にもなってこんなことが」
と思わざるを得ないことが
あちこちで起きています。
歴史はやっぱり繰り返すのでしょう...。
時代は逆行することもあるのでしょう...。
それでもいつかは平和で
誰もが豊かで幸せな人生が送れる世界が
実現されることを願って止みません。
本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!
※ 「誰もが幸福になりますように!」、こと、
「癒しの魔法使い 猫」はこたつぶとんさんの作品です。