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2つのポルトガル語で「犬の散歩」

葡語屋 - pequeno

「犬を散歩に連れていく」
と言うと、
「犬が散歩をしたがっていて」
それを可能にするべく「人間が犬を連れだす」ということなので、
散歩するのは「犬」
それに付き合うのが人間ということになりますよね。

一方、
「犬と散歩する」と言ったなら、
人間と犬双方が散歩することになりますね。

ブラジルのポルトガル語でも
上記2つのパターンで「犬の散歩」を表現することができます。

①「犬を散歩に連れていく」

                             「LEVAR     O    CÃO   PARA    PASSEAR」
                                      ↓    ↓      ↓     ↓      ↓   
                                to take    the    dog        to     have a walk

② 「犬と散歩する」

         「PASSEAR      COM      O     CÃO」
            
↓         ↓      ↓    ↓
                                 to have a walk    with    the     dog


🐕🐕🐕🐕🐕🐕🐕

このように、すんなり日本語から
ポルトガル語や英語になるのは、
「散歩する」という動詞が、
これら3言語全てで「自動詞」だからです。

だって、「散歩する」と聞いて
「何を?」と訊く人なんていませんものね。

で、
「何を?」に答える「目的語」を要求しないということは、
「自動詞」だということですよね♪

🐕🐕🐕🐕🐕🐕🐕

と、変にしつこい確認するのは、

何を隠そう、

ブラジル以外のポルトガル語、つまり欧州葡語では

同じ「passear」という動詞が「他動詞」
つまり「何を?」に答える目的語を要求する動詞なのです!!

日本語にこそ『○○を散歩する』という言い方はありますが、
それは『通る場所』を示す副詞節ですので、
少なくとも目的語ではないですよね?

だとすると、最低限『passear』という動詞は
『散歩する』って意味ではない筈ですよね?

そう。

ブラジルのポルトガル語(伯葡語)では
「散歩する」という意味の「passear」動詞が、
欧州葡語では「散歩させる」という意味だということです。

なんでやね~ん?!?!


と私でさえ思うのですが、

ともかくそうなので(笑)、

欧州葡語で「犬を散歩させる」ときの言い方はというと、

          ③ 「PASSEAR       O     CÃO」
                ↓           ↓     ↓
                             to take to have a walk      the       dog

という、
すんなり感のない英語になってしまう文型となります。

なお、以前書いていた原稿はこちらです。↓

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なお、実際に「私はこれから犬を散歩に連れていきます」と言う場合は、
「IR 動詞」(英語の「to go」に相当)の
一人称単数(「Eu vou」)を用いて、

🐕① 伯葡語で「私は犬を散歩に連れていきます」

「Eu vou levar o cão para passear.」

ウ ヴォウ レヴァール カゥン パラ パスィ―ル】
          ↑
                                                       早くしゃべると「プラ」になる。

🐕② 伯葡語で「私は犬と散歩しに行きます」

「Eu vou passear com o cão.」

ウ ヴォウ パスィ―ル コン ウ ゥン】

🐕③ 欧州葡語で、「私は犬を散歩させにいきます」

「Eu vou passear o cão.」
ウ ヴォウ パスィ―ル ウ ゥン】

🐶🐶🐶🐶🐶

ご覧のとおり、
欧州葡語の言い方が一番短くすっきりしていますが、

言うまでもなく、ブラジル人に対してこの文を発したならば、

ブラジル人は、日本人が
「ワタシハ、イヌヲサンポシマス」という文を耳にしたときと
同じように感じてしまいますので、

すかさず、

「Não, não! 」
【ナゥン、ナゥン!】
「違うよ、間違っているよ!」

と注意されてしまいますので、ご注意下さいね!

本日もお読み頂き、誠にありがとうございました!

夜間飛行 魔女と黒猫

※ 「お空をお散歩」、否、「夜間飛行 魔女と黒猫」は
こたつぶとんさんの作品です。









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