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【2つのポルトガル語】: ホチキス

先日は、消しゴムが
ブラジルのポルトガル語(伯葡語)では
「borracha【ッシャ】」、
ブラジル以外のポルトガル語(欧州葡語)では
「goma de borrar【ゴーマ・ドゥ・ボぃレ】」
と呼ばれると書きました。

ということは、
当然両葡語間には
他にも名前が一致しない文房具があるわけで…。💦

今回はホチキスについてです…。

いや、
トップ画像を見ていただけば一目瞭然なので、
つぶやいて済ませてしまおうと思わなくもなかったのですが、

例によって
ちょっと深堀りしてみたら
芋づる式に色々出てきてしまいw、
「テキスト」にすることに...。

それでは参りましょう。

❇❇❇

まずはブラジルのポルトガル語(伯葡語)です。
伯葡語で「ホチキス」のことは

「grampeador」

【グランピアール】

といい、

ホチキスの針のことは

「grampo【グンポ】」
                        👆 この「ポ」は「プ」に近い

といいます。

※ 「grampo」は「ピン」類の総称で、ヘアピンの場合は「grampo de
  cabelo【グンポ・ジ・カーロ】」といいます。
      ・「cabelo【カベーロ】」とは髪の毛のことです。
            👆この「ロ」は「ル」に近い。


一方、
ブラジル以外のポルトガル語(欧州葡語)
「ホチキス」は、

agrafador

    【アグラファィレ】    

                  👆
                  しゃべっている本人としては
                  普通に「アグラファール」と
                  言っているつもりなのですが、
                  特徴的で余計な音が入るので、
                  「ール」を「ィレ」と発音
                  すると、ちょうど本物に似て
                  聞こえます。✌

といい、
ホチキスの針のことは

「agrafo【アグーフォ】」
                     👆 この「フォ」は「フ」に近い

といいます。

    ※  ちなみに「agrafo」とはピンポイントで「ホチキスの針」という意味
     のようでで、他の意味などは見つかりませんでした。

また、
ホチキスで留めることも、

伯葡語:「grampear【グランピール】」

欧州葡語:「agrafar【アグラファール】」

と、それぞれの動詞がありますので、

「ホチキスを使ってホチキスの針を留める」ことは、
伯葡語では
grampeador を使って grampogrampeiaする」ことで、
欧州葡語では
agrafador を使って agrafoagrafaする」こと
だということになります。w

※ ちなみに伯葡語に「agrafar」という動詞はないのですが、欧州葡語には
   「grampear」という動詞は存在するようです。が、意味はホチキスとは
  関係なく何かを引っ掻けたり留めたりすることのようなのですが、俗語
  としては「異性を『落とす』」という意味でも使われるそうです。

❇❇❇

で…、毎度のことではありますが、
日本の和葡辞書ではどうなっているのだろうかと思いまして
調べてみると、

伯葡語派 ⇓ のものもあれば、

欧州葡語派 ⇓ のものもあり、

更には両方を示しているもの ⇓ もあります。


ところが
どちらがどのポルトガル語かといった情報は
載っていないようなのです。

つまり
単純に2通りの言い方があるのだと思われる可能性があり、
よもやポルトガル人に「grampeador」と言ったり
ブラジル人に「agrafador」と言ったりしても
多くの場合通じすらしない
とは誰も思わないでしょう。

しかも辞書データベースを作っている側も
「2つの言い方があるのね」
としか思っていないようですから、
同じサイト内でこのようなこともあり得るのです。

「ホチキス」と入力したら、
「agrafador」(欧州葡語)と出るのに、

「ホチキスの針」と入力すると、
「grampeador」(伯葡語)の「agulha」(縫物用の『針』)
と出たり

「ホチキスの芯」と入力すれば、
「grampeador」(伯葡語)の「núcleo」(中心部、核)
と出たりで…

てんで要領を得ません…。

😔😔😔

更に悪いことに、
伯葡語の「grampo」には
更なる「隠語/俗語」的な用法として
「盗聴器」という意味もあるので、
それを踏まえて今度は葡→和で翻訳を試してみました。

「grampo do telefone」(電話の盗聴器)」と入力すると…

何故に「屋台」?! なんでこうなる?!?!

👀👀👀

「スパイは知事の電話に盗聴器を仕掛けた」
という文は...、

ま、これは直訳されただけなので
致し方ないことなのかも知れませんが...💦w

😅😅😅

「彼の電話は盗聴されていた」
という文だと、何故か…

同じ動詞なんだから、せめて
「彼の電話はホチキス留めされていました」
と訳しとくれ!!www

😂😂😂

「彼女の家の電話の盗聴器は既に取り除かれました」だと...、

「主食」?!?!


何をどう間違ったら、こうなるのだか…!👀

🙃🙃🙃

てな塩梅で、
日本人が独学するには
インターネットを駆使したところで
ポルトガル語の場合は
まだちとヤバ過ぎるかも…!
と思ったのでした…。

❇❇❇

本日もお読み頂き、まことにありがとうございました!


ホチキスといっても、いろいろあるもんね…!w


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