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6,000万円の奇跡、リュック姿の御仁に敬礼

今週18日の朝日新聞の夕刊に、
横須賀市の市庁舎に届けられた
6千万円の話が載っていた。

17日の午後、リュックサックを
背負ったご高齢の御仁が市役所に訪れ、
リュックを差し出し、立ち去ったと。
中には札束がどっさり、
手紙が添えられていた。

小学1年生の頃から月10円から貯め続けた、
何かに役立てて欲しい、
と綴られ、名前も住所の記載もなし。
職員がお札を数えると6千万円あったと。

一方、今週は、元国会議員による
買収事件の原資ともされている
党本部からの1億5000万円について、
幹事長の「関与していない」発言が
波紋を呼んでいる。

お金。そのつかい方。
それ次第で人生が
大きく変わる場合がある。
お金には色は着いていない。

横須賀市のリュックの御仁には、
大変失礼ながら
果たしてどういう素性のお金か、
真実は判然としない。
しかし、このお金が
困っている人の役に立つ、
天恵となることは確かだ。

毎月10円から始めたと言えば、
おそらくその70年間の道程は
喜怒哀楽、ときに艱難辛苦の刻々。
その長き人生の景色を想う。

古くは紫頭巾、アルセーヌ・ルパン、
アニメならルパン三世の世界。
しかし、これは現実の6千万円。

市役所の公表姿勢も素晴らしい。
僕は横須賀市民ではないが、

地域医療や、子どもたちの健全な育成、
老朽化した公共建物の改築、
その他福祉など、有効に使われることを
心より祈念したい。

リュック姿の御仁と政治家。

お金には色は着いていない。


だけど、生きるためを第一義とし、
感謝と救済、成長、いわく、賄賂など、
様々な色彩に人生を染めゆく。

ときに、誰かを救い、
ときに、誰かを狂わす。

情けは人の為ならず、という。
でも自分のためと強く願っているうちは
幸福はお預けだろう。

金は天下の回りもの、という。
慎ましくも、心豊かな人生。
ともかく、徳を貯金して生きたい。

僕はこのリュックのご高齢の御仁を
諸々と想像し、気掛かりでもある。
無力ながらもご多幸を祈る。

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