秋深まりて、心のリボン
冬に近づくにつれ
恋しくなるアイテムがある。
すきま風を塞ぐ防寒のひとつ。
それだけではなく
仕事への姿勢を、縮こまる気を
引き締めてくれる。
身嗜みであり、フォーマルの象徴、
その日の気分で選びたい。
自分なりに彩り、演出できる。
そのアイテム、ネクタイ。
クールビズという言葉は既に懐かしく、
ビジネスシーンでスーツ姿は減った。
スーツ姿はあっても、タイはなし。
Yシャツ姿でノーネクタイは
どこかだらしなく見える場合がある。
だから、ボタンダウンのYシャツが人気。
そして、デジタル化が進み、
軽量とシンプルが加速している。
それも賛成ではあるが
僕はそうなればなるだけ、
クラッシックなもの、
アナログなものに惹かれる。
その代表がネクタイ。
まだまだイケてない自分が
まるでリボンを着けて
何とか真っ直ぐに立っているよう。
へたりそうに、
くじけそうに、
おじけそうに、
ひるみそうに、
僕を含め誰でもなるのだろうけど、
我がネクタイはそんな身を
ほんの少しでも、鼓舞してくれる。
「やってやろうではないか」
「俺がやらずに誰がやる」
そんな気にさせてくれる。
おまじない、お守りのよう。
このひと帯が我が身を律し、
かつ、彩る。
色とりどり、心のリボン。
秋深まれば、これが恋しくなる。