洋服を好きになるコツ/S&S OPEN TALK #58
四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。
名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。
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過去にも何度も頂くご質問ですが、洋服屋で働く多くの方が抱えるお悩みなのだと、尋ねられるたび再確認いたします。今回も責任を持ってお答えいたします。
結論から言うと、コツはありません。洋服を「好き」とか「嫌い」とか、そう言うものを超える経験を積むしかない、それが20年以上この業界にいて理解ったことです。
僕の場合で言えば、それは「人との出会い」です。
店を通して得た、多くの方との出会いが非常に大きい。皆、僕がセレクトした洋服を真っ直ぐに信じてくれています。それには嬉しい反面、責任が伴います。しかも当店の扱うアイテムの性質上、それは時間が経つほどに大きくなっていく責任です。
きっと大袈裟に聞こえて恐縮ですが、至って真面目に、店で出会う方々は、皆が家族のようなものであり、大きな財産なのです。
大切な財産を捨てる人などそうそういません。
もし僕が洋服業界から去ったとしても、その関係が続く方も、また新しい出会いもあるでしょう。けれどこんなに濃くて密な関係を構築できる場所を、今の所僕は店以外に知りません。ゆえに、僕は洋服屋を続けています。
それはどんな条件よりも優先されることで、その楽しみの方が僕の人生において、有意義なことなんです。
これはあくまで持論ですが、世の中は説明のつくことばかりではありません。多くの人が目に見えないだけで切り捨てがちなものが、確実に作用しあいながら、世界が回っています。
もしあなたが、いま本当に洋服を嫌いになりそうなのだとしたら、人を見ていないのかもしれません。洋服など所詮ツールとはよく言う言葉ですが、まず人と人があってこその洋服。その人が好きだと言ってくれた洋服をどうして嫌いになれるでしょう。
人生は有限です。転職自体はわるいことではありませんし、自分の可能性を別の場所に見出そうとする姿勢はとても素晴らしいと思います。
どんな選択の先にも、自分に正直に進まれることを願っています!
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今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@(http://slow-and-steady.com/news/lineat/)の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。
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