洋服の深淵/S&S OPEN TALK #17
SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。 その内容は、商品の在庫状況の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様ですが、そんな中「これは多くの方も同じようなお悩みをお持ちのはず」と感じるようなご質問も少なくありません。さらに、そういったご質問ほど短文では返しづらいのが正直なところで、そこでこの度、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただき、ここnoteにてマガジンという形で回答させていただく、という試みを開始いたします。
名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージからです。
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「洋服の深淵」
ファッションは自己満足という言葉を聞いてから、本当に自分の気に入った洋服を買うようにしています。ある日、ふと気づくと自分の持っている洋服は、同じブランドのものばかり、気づけば同じブランドを着ている状態でした。どんなに気に入ったコーディネートでも、全身ブランドを統一してしまうのは、ファッションを楽しんでいると言えるのか、不安になってきてしまいました。もっとファッションを楽しむべきでしょうか?(S様)
盲目的にひとつのブランドに執着してしまい、実際のディティールを抜きに選んでしまっている、というのならいただけませんが、フラットにあらゆる洋服を見ることができていて、それでも結局、いつものブランドにたどり着いているというのであれば、何の不安も必要ないと思います。
好きなブランドがあって、そのブランドが作る洋服が好きなのであれば、誰に何を言われようとも、気にせず楽しみましょう!洋服の楽しみ方なんて、人それぞれです。
ただその上で、着ている洋服のブランドが統一されていることに、もしかして多少の飽きが来ている、ということであれば、シューズや小物、帽子などを上手く取り入れるのも手です。
これが意外と頭を使う作業で、「そのブランドと相性の良いものとは、一体どんなものなのか?」と真剣に考え出すと、普段よく知る大好きなブランドだとしても、改めてその背景やコンセプトを全く知らなかった、ということがよく起こります。そうすると、そのブランド含めて、その周辺の洋服の知識を、どんどんと深掘りする必要が起こります。
しかし、この作業がまた面白いもので、その過程を繰り返すと「気づけば同じブランドを着ている」という「感覚」ではなく、そのブランドの魅力を、どんどんと「言語化」できるようになります。
すると、その洋服を来ていることに明確な「理由」ができ始めるので、ますます、それ以外を着る必要性を感じなくなってしまうんです。
そう。これがいわゆる、洋服好きだけが迷い込む、洋服の深淵(笑)Sさんも、とうとう、この深淵に一歩足を踏み入れてしまったようです。
もちろん「洋服を楽しむ」=「洋服に詳しくないといけない」ということでもありませんが、知れば知るほど、もっと洋服が好きになり、洋服を好きになればなるほど、多くのブランドに興味が向かい、たくさんの洋服を深掘りすればするほど、どんどん自分の好きな洋服にしか興味がなくなっていく…。このパラドックスの先(いや深み)では、真の洋服好きが、ウジャウジャ蠢(うごめ)いています。
ぜひ、ご自身で「その洋服を、なぜ自分は好きで着ているのだろう?」と自問自答を繰り返してください。あなたがその洋服を着ているとき、その洋服もまた、あなたを着ているのかもしれません。
次回はぜひ、さらに深みで、お会いしましょう(笑)
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「インスタグラムでのスタイル写真」
彼氏の影響で、SLOW&STEADYさんのインスタフォローしてます!オシャレ!写真が毎回他のお店よりもカッコよくて、毎回毎回、雑誌みたいです。これはお店のスタッフの方が撮影しているんでしょうか??私もあくまで自己満ですが、自分の、あるいは彼氏とのスタイル写真を並べてインスタ投稿しています。が、もちろんこんな格好良く撮ることができません。スタイル写真を上手く撮るコツ(ついでに物撮りもw)があったらぜひ教えて欲しいです!
PN:karin(27)
HPやSNSに投稿する写真については、開店以来、最も力を入れてきたことの一つで、種明かしをすれば、在籍する専任カメラマンが担当しています。
開店直後こそ、試行錯誤(カメラマンである友人・知人からのアドバイス)で、自力で撮影を行っていましたが、やはりプロのそれでは、圧倒的にクオリティーが違うため、今はすべてをお任せしています。
その上で、当店ではInstagramでの撮影は、おそらく多くの方が気づかないようなところまで、実験と検証を重ね、変更につぐ変更を続けています。
また、当店は洋服店ですので、商品が正しく写っているかが、何よりもまず最優先。そのため、撮影時間(光量とその角度)は非常に重要ですし、商品に目が向きにくい「背景」は避ける傾向にあります。
そうすることで、自然と並んだ時の統一感(Instagramではこれも重要)が保たれますし、構図についても熟考しやすくなりました。その点は、あらゆる写真集、あるいは映画などからヒントを得たり、カメラマンと共にそれこそ試行錯誤を重ねながら、撮り続けることで、今のスタイルが少しづつ形となりました。
ちなみに(これは、近くにカメラスタッフがいるからこそ理解できたことですが)、優れた写真を撮るためには、膨大な時間と、機材への投資が、やはり必要不可欠です。
素人の僕でも、時折、無性に心が動かされる写真に出会いますが、そこに写し出される被写体や構図、またテクニックなどの、その裏側にある、撮影者の熱量のようなものがあってこそなのだと、この歳になってようやく腑に落ちました。
いまはスマートフォン1台あれば、誰でも簡単に高クオリティな1枚が撮影できてしまう時代です。だからこそ当店では、そういった、よりわかりづらい部分にこそ、力を注いでいます。
「餅は餅屋」という言葉があるように、一定の品質以上のものを求めるのであれば、それ相応のコストをかけて然るべきで、まずはどのような写真を本当に撮影したいのかによって、お求めの答えは変わってくるように思います。
と、きっとこんな重たい回答をお求めでないことは百も承知ですが、それこそ、当店の熱量のようなものを、感じ取っていただければ幸いです。
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今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
★★★ノベルティ送付お知らせ★★★
OPEN TALK を開始して4ヶ月経ち、ありがたいことに、たくさんの方よりご質問が寄せられるようになりました。
そこで、感謝の意味も込めまして、SLOW&STEADY ノベルティを、採用させていただいた方へ、今週よりプレゼントさせていただきます!(合わせて、ご質問はすべて、下記メッセージフォームからのみと変更させていただきます)
洋服にまつわることでしたら、どのような質問でも構いません!ぜひぜひ、当店まで、あなたからのお便りをお待ちしております!
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引き続き応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
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