理想の洋服部屋とは?/S&S OPEN TALK #51
四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。
名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。
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洋服好きにとって、収納スペースがなくなってくるというのは死活問題!
僕も似た理由でずいぶん前に、実家にコンテナハウスを持ち込み改装し、色々な事情から今はあまり活用してませんが、洋服部屋を自作しました。
そこで今週は、これから洋服部屋を作ろうとしている方に向けて、洋服部屋の環境づくりについてご紹介できればと思います。
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環境づくりについて
洋服部屋を作るご相談をいただく際、多くのかたが気にされるのが「部屋の大きさ」ですが、実は洋服部屋にとって広さよりも大事なことがあります。
それが環境。カビや衣料害虫、直射日光や照明器具による長時間照射の色あせなどの致命的ダメージの要因となる「高温多湿」こそ、洋服にとっての最大の敵なんです。
その上で僕が普段、洋服部屋で心がけていることは以下の4つ。
部屋を清潔に整え、生モノを置かず、換気と直射日光に気をつけることは、カビや害虫を防ぐだけではなく、それらの早期発見にも繋がります。
ゆえに洋服部屋の基本は、日当たりが良くて湿度が低い場所。南向きならなお良く、遮光カーテンを使って室温を調整しつつ、洋服に直接日光が当たらない状態を作ることができれば、言うことはありません。
そこで、もしあなたの洋服部屋が上記のような部屋でない場合、急いで除湿と換気の徹底が必要となります。具体的にはサーキュレーターと除湿機を、冬以外の一年中使用されることをお勧めします。しかし電気代や家族の目もあるでしょうから、現実問題このような代替案を続けるのは困難でしょう。
つまり洋服部屋は、最初の部屋選びこそが重要で、これが叶わない場合「洋服部屋を諦めてしまう」と言うのも選択肢のひとつとなります。
と「環境づくりについてご紹介」と言っておきながら、早速手厳しいことを書いていますが、洋服にとって部屋の環境はそれほどまでに大事なんです。
それを肝に銘じて、まずご自身の洋服部屋を見つめ直していただき、その上で読み進めていただければと思います。
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収納方法について
環境を整えた洋服部屋でも、洋服にとって心がけることはいくらでもあります。
まずは、ハンギングについて。
洋服を詰めすぎてしまうと部屋をどれだけ換気しても意味がありません。洋服と洋服の間は、最低10~15cm(拳一つ分)ぐらいを目安に、適度な空間を空けてください。※ハンガーはプラスティック製ではなくできれば木製の物を。ハンガー自体が湿気を吸収してくれます。
ここでよく聞くのが「ハンガーラックに対して洋服が多すぎる」というお声。その場合はたたんで保管して良いもの、ハンギングに向かないもの(例えばスウェットや薄手のシャツ、ニット類)以外を優先してハンギングするようにしてください。それでもスペースに対して洋服が余る場合は、シワにならないようなアウターは二つ折りで保管するなどして対処します。
「ハンギングした方が良いもの、そうでないもの」は多くの方が悩まれるところですが、判断は人それぞれと前置きしつつ、参考までに僕の場合をご紹介します。
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ベビーアウター&ライトアウター類
アウターの間に薄手のシャツなどが挟まるとシワの原因になったり、ウールの毛などがついてしまうなど、面倒なことが起きやすくなるため、アウターはハンギングし定位置に保管するようにしています。
ニット類
ニット(ウール、カシミア、アルパカ)は、衣料害虫の好物なのでハンギングせず、頭の高さぐらいの清潔な棚にまとめて保管し、さらに埃を払う意味でも定期的にたたみ直しを行い、棚の拭き掃除を行うなど徹底します。
パンツ類
パンツは三つ折りではなく二つ折りにして、素材別で畳んで保管しています。(デニム / デニム以外の厚手コットン生地 / 薄手コットン生地やリネン生地 / 他)※ウールパンツの場合は、ニット同様に埃のつきにくい比較的高い場所に置くようにしています。
インナー・Tシャツ類
日光による変色が嫌なのでハンギングせず、クローゼットまたはタンスの中に保管し、半袖と長袖、白とそれ以外の4種類に分けて保管しています。
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また、どれだけ洋服の管理を徹底しても、外から帰ってきてそのまま洋服をクローゼットに戻してしまっては何の意味もありません。
僕はその日着た洋服は、ブラッシングなどで埃を落とし、ナチュラルな衣料用ミストを軽くスプレーしシワを伸ばし、一日、別の場所においておきます。それから次の日、出勤前に元に戻すようにしています。大変そうに思えますが、所要時間は1分。この作業が洋服を長持ちさせるかそうでないかの分かれ目となります。
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まとめ
最後に、自身の失敗談からひとつだけ。
洋服部屋の環境をどれだけ整え、日頃の保管方法を徹底したとしても、「頻繁に通えない場所には絶対に作らない」ようにしてください。
15年以上前「かっこいい洋服部屋が欲しい!」と思いたち、洋服専用のコンテナハウスを自作しました。当時は自慢の空間でしたし、今もそれなりに機能はしていますが、実家から離れた生活が10年以上経過した現在、やはり物置以外の何ものでもなくなってしまいました。
数年前「これは良くない」と判断し、必要なものは急いで移しましたが、残念ながら深刻なダメージで捨ててしまった洋服もたくさんあります。
天然素材で作られた洋服というのは、やはり生き物です。
毎日ほんの数秒でも自分の目で確認し触れ、その都度、ほんの少しでもケアしてあげないと、確実に劣化していきます。
洋服好きにとって、洋服とは道具であり相棒。放置したり、一緒にいても適当に扱ってしまっているのなら、せめてまずは洋服を置いている場所の掃除・整理整頓を行なってみてください。
最高の洋服部屋となることを、お祈りしております!
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今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
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