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初めて革靴を履くかた向け、おすすめとメンテナンス方法について / S&S OPEN TALK #59

四国にあるセレクトショップ SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。

その内容は、商品在庫の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様です。しかしそんな中「これは多くの方も同じお悩みをお持ちのはず」と感じるご質問も少なくありません。さらにそういったものほど短文では返しづらいのが正直なところ。
そこでこのnoteにて「マガジン」という形で回答させていただくことで、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただければと思います。

名付けて『OPEN TALK』今回はこんなメッセージです。

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インスタグラムいつも拝見させていただいております。今まで自分はスニーカーばかりで普段着で革靴を履いたことがありません。初めて履くならどういったタイプのものが良いでしょうか?メンテナンスはどうすればいいでしょうか?

(群馬県 ポポ様)

ご質問ありがとうございます。順番にお答えしておりますのでお時間がかかってしまい申し訳ありません。
さて、当店でも革靴を今まで履いたことのない方は多くいらっしゃいます。そこで今週は、普段着での革靴にチャレンジしたい方に向けて、おすすめの革靴やメンテナンス方法についてご紹介します。

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一足目に選ぶべき革靴について

結論から言うと、革靴初心者の方は一足目は黒の短靴、「外羽根型」で「プレーントゥータイプ」のものを選びましょう。

▪️革靴の羽根について

指で摘んでいるのが「羽根」と呼ばれるパーツ

早速「外羽根型」という、きっと馴染みのない言葉が出てしまいましたが、上写真、手で摘んでいる部分が「羽根」と呼ばれるパーツ。
言葉通り「内羽根型」は羽根部分が縫い付けられており、「外羽根型」は羽が外に出ているのが特徴です。

写真左が「内羽根」型、右が「外羽根」型です。

ではなぜ僕が「外羽根型」のシューズをおすすめするか。
「内羽根型」は「外羽根型」に比べ、羽根部分でのワイズ(横幅)の調整が難しく、サイズ調整や足を入れずらいという特徴があります。
これは冠婚葬祭ほかフォーマルなドレスシューズに多い仕様で、基本的には動き回るシーンでの装着を前提に作られていません。
一方で「外羽根型」は、脱ぎ履きがしやすく、ワイズの調整も効くよう設計されており、普段の日常使いには最適。
つまりカジュアルな普段履きとしての革靴は「外羽根型」を選ぶのが正解なんです。

▪️トゥーの種類について

続いてきっと馴染みのあまりない「プレーントゥー」について。トゥーとは「つま先部分」の名称。実は革靴にはたくさんの種類の「つま先」が存在します。

(左上から時計回りに)プレーントゥー/ストレートチップ/ストレートチップ(メダリオン)/Uチップ/ウィングチップ

革靴はつま先の形状で呼び方が異なり、名前の由来など細かい話をすればキリがありませんが、左上がおすすめの「プレーントゥー」タイプ。理由も明瞭で、プレーン(シンプル)なだけに、どんな洋服にも合わせやすいんです。

年間300日以上革靴を履く僕も、黒の外羽根プレーントゥーが、最も着用頻度の高いタイプ。一足目はできるだけどんな洋服にもマッチしなければ意味がありませんので、色も黒が良いですね。

・・・

革靴のメンテナンス

革靴はメンテナンスが大変そうとの理由から、革靴を避ける方もいらっしゃいます。しかしそれは大きな勘違い。革靴のメンテナンスは、基本さえ押さえていれば、さほど面倒なものではないんです。

■日常的なメンテナンスについて

まず基本は、履いたその日は家に帰ったらその日の汚れやホコリをとること。
乾いた柔らかなタオルや使い古しのTシャツなどで構いません。これをやるのとやらないので、革靴の持ちに天と地ほどの差が出ます。つまりはこれさえ忘れず行えば、革靴のメンテナンスは概ね、OKなんです。

■定期的なメンテナンスについて

次に、定期的にクリームなどで保湿してあげること。
革靴というのは、名前の通り動物の革でできた靴。なのでこの手入れを怠ると革の"割れ"などが起きてしまいます。革の健康を長く良い状態でキープするため、日常メンテナンスに加え定期メンテナンスも取り入れてください。
頻度については、着用頻度にもよりますが「艶がなくなってきた」と感じたらクリームで栄養を入れてあげる、程度で問題ありません。
※ちなみに僕は1ヶ月に1回程度、下記の製品を愛用しています。

使い方も簡単で、クリームを全体に塗り(手で構いません)あとはしっかりと拭き取るだけ。人によってはブラシを数種類使ってメンテナンスしますが、ホコリをとるタオルと同じ物で全く問題ありません。しっかりと拭き取ってあげれば驚くほど艶は戻ります。

<注意点>
・埃を取る用の布と、クリームを拭き取る用の布は、必ず分けてください。
・クリームは油性のものやミンクオイルは普段の革靴には強すぎるため、乳化性のものをご使用ください。

さいごに

革靴に関わらず洋服でも同じですが、大切にする気持ちで製品は想像を超えて長持ちします。
革靴というのは10年20年と履き続けられるものです。雨でも濡れたら拭き取って、風通しの良い場所で乾かせば問題ありません。履いた日には汚れやホコリを気にして、あとは直射日光、湿気を避けた、風通しの良い場所で保管しましょう。

慣れてしまえばスニーカーよりも扱いやすいことに驚くはず。
あなたのこれから始まる革靴ライフを応援しております。

✉️

今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。
個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、LINE@(http://slow-and-steady.com/news/lineat/)の他に、下記メッセージフォームより随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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