[日記] 脳内ソフト
洋服屋に立っているとたくさんの出会いがある。店の従業員とお客さんという間柄から、20年来の親友となることも少なくない。
私の店を昔から支えてくれているウェブデザイナーは、そんな仲間の中でもひときわ特殊である。ほぼ洋服に興味がないのだ。
とは言え、いつもスタイリッシュな雰囲気を全身から醸し出している。私の店の洋服は着てくれているものの、らしくない着こなし。なのに彼は私が見てもいつもおしゃれである。
結局のところ洋服に興味がある、なしに関わらず、スタイリッシュな人間というのは洋服の着こなしにおいても自分のルールをきっちりと決めている。そのルールをもとに組み合わされたスタイリングには、時折、貫禄すら感じる。
そんな話はさておき、彼は素晴らしい能力の持ち主で、持ち前の俯瞰力を発揮したブランディング能力や見せ方のコントロールに関しては一級品である。いつも感情的で手元だけしか見えない私とは真逆である。現に今は東京で数々の著名人と仕事をこなしながら多方面から信頼を得ている。
彼のようになりたいと何度も考えた。自分は努力が足りない…努力すればなんとかなると思っていた。
でもそれは間違いだと数年前に気づいた。そもそも人種が違うのだ。例えるならPCにインストールされたソフトが違うようなもの。人にはそれぞれ得意、不得意があり、不得意なことに時間を注ぎ、注力し続けていても大きな成果は得られない。ましてや自分が思い描くスタイリッシュな人になんてなれない。
自分が得意なことに目を向けて、苦手なことは人に委ねる。仲間を信頼して完全に任せることこそが重要なのだ。
りばかりを見て劣等感に苛まれる前に、自分の「苦手」を認め、ほどほどに努力はしつつ、自分の良いところを精一杯に磨いてやる。それこそがスタイリッシュな人間への近道ではないだろうか。
あなたも私も、まだまだこれから。
キラキラ輝くスタイリッシュな人間を目指していこう。
その光は、いつか必ず周りの誰かを照らすはずだから。