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[続.洋服物語] 初めてトレンチコートを買いました。
中学3年生の頃に同級生の影響で洋服の魅力に取り憑かれ、今に至る(41歳)までに体験した『洋服』をはじめとした『モノ』にまつわるアレコレ。
自分の価値観を形成するうえでターニングポイントとなった『私と"モノ" との記憶』いわばモノにまつわる物語を書き綴る日記。
これは、
『おすすめアイテムの紹介』ではない。
『私物紹介』でもない。
読んだあなたが、少しでも洋服を好きになるきっかけ、自分の使う道具を愛らしく感じてもらえるようになれば嬉しい。
:Episode.11
「60s Burberry Trench 21"一枚袖"」
![](https://assets.st-note.com/img/1677815784826-cFmmftvNsq.jpg?width=1200)
昨日のつぶやきでも書いたのだが、先日のマガジン記事で「まだ早い」とあれだけ言っていたのに、まんまとトレンチコートを買ってしまった…。
最大の理由は『もしトレンチコートを買うのであればビンテージバーバリーの一枚袖のモノが欲しい』それであれば、価格の高騰が進み続けている現状を考慮に入れれば自分の求めるやや大きめのサイズ(44あたり)で状態の良いものを先で探すのは難しい気がしたからである。
あと、着用してみれば想像以上に「普通に着れる」ということが判明した。
時代を越えてリリースされ続けている定番的な洋服なのだから、当たり前といえば当たり前なのだが私の場合、映画「カサブランカ」を見過ぎたためだろうか、なぜか「トレンチはカッコよく着ないといけない」という先入観が強くあった。
それが払拭されたのだからもうこれは縁だと思って購入することにした。
【トレンチコートの由来】
私が購入したのは60年〜70年頭頃に作られたバーバリートレンチコート。そもそもトレンチ(塹壕=銃撃や砲撃から身を守るための穴)という名前の通り、第一次世界大戦中、機能性の高い軍服への需要が高まり英国陸軍より依頼を受けて英国陸海軍の軍人たちが使用するために「トレンチコート」が開発されました。大戦中には50万着以上が着用され、終戦後、徐々に市民に広まっていく。
【戦争を生きぬくための細かな仕様】
水はけの悪いぬかるんだ塹壕内での活動にも対応できるようにトレンチコートには、ミリタリーアイテムのディティールが多く存在しているので紹介していこうと思う。
![](https://assets.st-note.com/img/1677817439395-Su6cR5N1if.jpg?width=1200)
全天候型と言われる雨や摩擦にも強い素材と風向きによって両前で着られるダブルブレスト仕様。(贅沢をいえばコットン100%のものが良かったのだがお客さんに譲り、私が購入したのはコットン60%、ポリエステル40%である)
![](https://assets.st-note.com/img/1677818198559-TLE2nGVyt3.jpg?width=1200)
ライフルを撃ったときの衝撃から身を守り雨や風の進入を防ぐこともできるガンフラップ。
![](https://assets.st-note.com/img/1677818454388-T8ciw83kYd.jpg?width=1200)
エポレットと呼ばれる肩に付いているパーツは手袋など軍用品を吊るすためのもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1677818569160-0HSPOXXD2L.jpg?width=1200)
"アンブレラヨーク"と呼ばれる雨水がコート内へ侵入するのを防ぐように設計された背面(ヨーク)部分。
![](https://assets.st-note.com/img/1677819214433-jZ61nfUWAn.jpg?width=1200)
ベルトに付いているD字型の金具は水筒や手榴弾の持ち運びのためのもの。
![](https://assets.st-note.com/img/1677819428916-77sWLIBwNF.jpg?width=1200)
後身頃下部のプリーツは戦場で兵士がスムーズに足を動かしやすくするために採用されています。
こうやって細かい部分を調べていくと、トレンチコートが元来、戦争のために細部まで作り込まれた洋服だということが理解できる。
洋服は戦争需要と共に進化してきた。現代においてそういった洋服のルーツを知ることに大きな意味があるのかと言われれば「好きな人、知りたい人だけ知ればいい」という専門的な知識なのかもしれない。
ただ、個人的にはモノを大切にするうえでそのモノが持つ物語(ルーツ)を知るというのは非常に大切なことだと考えている。そのルーツに合わせてコーディネートを組んだりすることだってある。
もちろん人それぞれの価値観で構わないのだが、私自身はその洋服を深く知れば知るほど好きになる。
「かっこいい」と直感的に洋服を着るのも楽しいのだが、こういった歴史の詰まった洋服に関しては、自分がわかる範囲で調べてみることをお勧めする。
実際、私もコットン100%とそうじゃないものがどんな割合で作られているのか気になって昨日から調べている。
調べて、考えて、想像する
それもまた洋服を楽しむうえでの醍醐味だと思う。
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