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コーディネートがサマになるコツ/S&S OPEN TALK #13

SLOW&STEADY ではオープン直後から、お客様からの相談窓口として、LINE@を利用しています。
その内容は、商品の在庫状況の確認から始まり、商品ご購入後のアフターケアに至るまで多種多様ですが、そんな中「これは多くの方も同じようなお悩みをお持ちのはず」と感じるようなご質問も少なくありません。さらに、そういったご質問ほど短文では返しづらいのが正直なところで、そこでこの度、そんな魅力的なご質問の数々をピックアップさせていただき、ここnoteにてマガジンという形で回答させていただく、という試みを開始いたします。

名付けて『OPEN TALK』今週はこんなメッセージをいただきました。

                 ✉️

「コーディネートがサマになるコツ」

ずいぶん前に店長さんが店頭で別のお客さんに「コーディネイトは手首や首回りを特に意識したらいい」と話していたのを詳しく教えてほしいです。店頭で聞けばいいのですが、真面目にデータとして保存したいので。(S様)

ちょっとした会話まで覚えていただき、いつもありがとうございます!
僕はいつも「洋服は着倒すほうが格好いい」や「洋服より自分が主役であること」などといったことをお伝えしておりますが、同じくらい、いやそれ以上に「首、手首や足首に意識を向けことが大事」と、確かに店頭で口を酸っぱくして話しているかもしれません。
しかしながら、これはあくまで、僕が20年以上かけて接してきた洋服、そしてお客様から蓄積された、完全僕独自のデータを元に導き出した120%持論(笑)なので、ぜひ参考程度にお納めいただきたいところですが、そのうえで、体の「首」がつく部分を意識した方がいいと、僕が伝え続けるのには、2つの大きな理由があります。

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1. 洋服が小慣れて見える
長袖シャツをロールアップして、少し手首をのぞかせる。そこにアクセサリーや時計。足首にはチラッと見える靴下。と、「首」に意識を向けてあげることで、その人が持つ個性やオリジナリティーがアクセントになって引き立ち、洋服をうまくまとめてくれるんです。つまりは「洋服をうまく着こなせている」印象を与えやすい。※逆に、着ている洋服に合っていないアクセサリー、靴下を選べば、全てが台無しになるのは要注意。

2. スタイルよく見える
これは接客をさせていただく際など、主に体の大きなお客様にお伝えしていることですが、手首や足首をすっきりさせることで、単純にスタイルがよく見える効果があります。そこで当店ではパンツのレングス(長さ)を必要以上に重要視しています。長すぎると体も太って見えるし、短すぎても短足に見える、この微々たる差が、全体のイメージに大きく影響します。

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これ、白状してしまうと、僕自身のコンプレックス(もともと面長な顔立ち)をうまく昇華させるために、試行錯誤して身につけたことでもあります。
体の大きな人がタートルニットや、首の詰まったトップスを着ると、顔が大きく見えたり、余計に体が大きく見えちゃうんですよね。

そんな、体の大きな人、顔が大きめな人、細い人、首の短い人、長い人…、とさまざまな体型の方がいて、その方ごとに合わせた首や手首、足首のまとめ方というのが必ず存在します。

この辺、語り出すと長くなるので、詳しい話はぜひお店へご来店いただきたいのですが(笑)、そんな難しいことじゃないんです。
体の細い人はある程度ボリュームのあるアクセサリーや、少し厚手の靴下を履く、ロングタイプのブーツを選ぶ。
体の大きな人は首元は少し広めのカットソーを選んで、パンツのレングスは足首が見えるぐらいのものを履く。シューズはレースアップなどではなく、極力シンプルなデザインのもの。
こういったちょっとしたことを知っておくだけで、自身の体型をコーディネートでカバーすることができます。

今書きながら気づいたんですが、僕なりに導いたこの説の根拠というか肝は、「首が、体にとって一番細い部分だから」かもしれませんね。そこをうまくコントロールする(見せる)ことで、体型からくるイメージを調整できる、ということなのかもしれません。

鏡の前に立ち、まずはじめに見るのは顔、そこから徐々に目線と意識は下に向いていくはずですが、「顔」と「体」をつなぐ首、「手」と「手のひら」をつなぐ手首、「足」と「地面」をつなぐ足首。
思えばコーディネートも「つなぎ目」が肝心です。そこに、その人なりの洋服イズムを垣間見てしまうのは、洋服屋の性(サガ)なのかもしれませんね。
ぜひ、ご参考までに。

✉️

「接客のお悩み」

大学生2年。近くの服屋で昔からの憧れショップ店員をしてます。まだまだペーペーです(笑)(SLOW&STEADYは高校生時代とあるショップの方から「〇〇が欲しいならこの店で買うよりあの店に置いてある服の方が本物だから君にはそっちの方がいい」と言われ、勇気を出して来店したものです(笑))正直なその店員さんも凄いなと憧れましたがSLOW&STEADYの洋服も凄くて、そこにいるお客さんと一緒に談笑したのも凄いいい思い出です。(当時の僕には勿論手が届かなくて買えなかったんですが(笑))
話が長くなりすみません。質問は、ショップ店員として、その人に似合っていない洋服をどう勧めればいいかです。店として勧めなければいけない服が都度決まっていて、でも似合っていない人、あるいは似合っていないのに、自分では似合っていると思っているお客さん(こっちの方が迷います)にどう接していいか、どんな言葉を選ぶのが正解か、凄い迷います。(福岡 K)

✉️

少し乱暴な言い方にはなりますが、一度でも当店にお越しいただいたお客様ですから、近しい友人からの忠告だと思って、お聞きいただけたら幸いです。
まず「自分に嘘をついてまで売らなければならない」というマインドを、きっぱりリセットしましょう。洋服接客の基本はサポートです。物を売ることではありません。

その上で、Kさんは「洋服を売ることで働いているお店に貢献したい」という想いが強いからこそ、悩みを抱えているのだと思います。
であれば、ここで大切なのは、似合っていない人に嘘をついてまで販売することではなく、お店に貢献することです。短期的に数着〜数十着と販売することをまず一旦捨てて、10〜20年とお店に寄り添っていただけるお客様を作りましょう。それこそが本当の貢献になるはずです。

また、「似合っていないのに、自分では似合っていると思っているお客さん」ですが、これも正直に伝えましょう。その際に大事なことは、その理由を丁寧にお話しすることだけです。

当店が何度もお伝えすることですが、洋服とは自己満足です。
満足している相手に否定的なことを伝えるには覚悟が必要で、しかしそれをしなければ洋服店である意味がありません。
それがのちに大きな信頼関係を生むことを僕自身、20年間の多くの失敗で学びました。

復唱しますが、嘘をついて何年も続けられるほどこの業界は決して楽ではなく、コロナ渦でますます来店数は減少を続けています。しかしそれは逆を言えば、一人一人に向き合える時間が増えているということ。
そんなスタッフの存在は、お店にとって、これ以上ない強い存在です。ぜひKさんにはそんな販売員を目指してみて欲しいと思います。

いつかまた、直接、接客についてお話できる日を楽しみにしています。

✉️

今週は、以上です。
ここでは、あくまで僕の答えられる範囲内にはなりますが、このマガジンを使って、皆様からお寄せいただく「洋服に関するご質問やお悩み」を、ざっくばらんにご紹介しております。

個別の商品に関するご質問ももちろん歓迎です。ご質問は、以下より随時受けつけております。どうぞお気軽にご連絡ください。

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