[続.洋服物語] フランスが育てた "リアルクローズ" ここにあり。
中学3年生の頃に同級生の影響で洋服の魅力に取り憑かれ、今に至る(41歳)までに体験した『洋服』をはじめとした『モノ』にまつわるアレコレ。
自分の価値観を形成するうえでターニングポイントとなった『私と"モノ" との記憶』いわばモノにまつわる物語を書き綴る日記。
これは、
『おすすめアイテムの紹介』ではない。
『私物紹介』でもない。
読んだあなたが、少しでも洋服を好きになるきっかけ、自分の使う道具を愛らしく感じてもらえるようになれば嬉しい。
:Episode.13
「Vetra Coverall Jacket」
洋服において「平凡」というのは非常に魅力的なのではないだろうか。私がここ数年、洋服に対して強く思っていることである。今回は先日記事にしたフランスのメーカー「VETRA」が入荷したので代表モデルであるカバーオール(薄手のジャケット)を改めて紹介しようと思う。
少し脱線するが、着こなしというのはトップス、ボトム、インナー、シューズ、被り物、装飾小物といったさまざまなアイテムを身体に纏わせることで成立している。
それを踏まえて、洋服を上手に着こなすうえで大切なのは『メインをどのアイテムに設定するか』ということ。
テレビに出演している芸能人の装いなどを見ていると、その日のためだけに用意された洋服が全く本人に馴染んでおらず、滑稽に見えることがしばしばあるのだが、新しい春物を購入したからといって、ひとつの身体に買ったばかりでまだ身体に馴染んでいないアイテムや、主張の強いアイテムを複数個着てしまうと、途端に地に足がついておらず、高カロリーで胃もたれするような装いになってしまう。
そこら辺をうまくコントロールしているファッション上級者はさておき、要するに着こなしとはメインを引き立たせる白ごはんのようなアイテム選びが重要なのだ。メインにはなれないかもしれないが、コーディネートを支え、輝かせる洋服。
それはどんなアイテムなのか?
至って普通なんだが、何か他とは違う存在感や重みのようなものがしっかりと表現されており、どんな洋服とも相性が良い。メインにもなり得るポテンシャルを十分に備えているのにもかかわらず決して表には出てこないような洋服…
書いただけでめんどくさい笑。
その考えの延長で、インナー選びこそ洋服において一番難しいと常々考えているからこそ、オリジナルブランドで最初にリリースしたのがTシャツなのだ。
「普通」「平凡」を貫いた洋服。それがVETRAのカバーオールである。
薄手でありながらコシあるコットンリネン素材は、作業着としての長い歴史を持つメーカー特有の説得力のある力強さを。普遍的なデザインはどんな装いにもマッチする。
このカバーオールはお洒落を追い求める人間にとって、ちょうど良い具合に胃もたれを抑えながら地に足をつけてくれる。考えれば「リアルクローズ」とはこんな洋服のためにある言葉なのだろう。
※記事への疑問や質問、洋服に関するご相談などは、TwitterのDMやメールにていつでも受け付けていますのでお気軽にご連絡ください。
【twitter】
📨 https://twitter.com/sas_tksm
【MAIL】
📨 info@slow-and-steady.com
【このマガジンの他の記事はこちら】
※90話以降は無料で読んでいただけます。
【有料マガジン】
【PODCAST "Backyard To Closet"】
【YouTube "岡崎商店"】
【外部リンク】
:ショップ / オリジナルブランド
【SLOW&STEADY】
http://slow-and-steady.com/
【Painted Blank】
https://paintedblank.com/
【instagram】
https://www.instagram.com/at_slowandsteady/
ここから先は
Masahiro's note -EpisodeBlue-
【定期購読マガジン】 "これから店を始めたい" ”店の売り上げを上げたい” "本気でアパレルをやってみたい" "洋服について勉強したい"…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?