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エネルギー価格高騰でフィリピンのクリエネ(再エネ)株は復活するのか!?
どうもshoheybeatzです。
3月2週目最終取引日は米国のインフレデータと長期化するウクライナ情勢の影響でフィリピン総合株式指数PSEインデックスは0.18%下落の7,112.19でクローズしました。
今週は私自身、ポートフォリオの構成を少し整理した週でした。
まずはウクライナ情勢の長期化により上下落する銘柄の中で時折下がる鉱山株と再エネ株を買い増しをしていました。
鉱山株について以前に別の記事で紹介しましたが、今回のテーマは再生可能エネルギーです。
実は昨年末から米国を中心に再エネ株が売られていて、最近再び上昇しています。
ここでの疑問はなぜここ数ヶ月間下落傾向にあった再エネ株がこのタイミングで買われてきたのか?ということです。
それ以前に、そもそも論ですがなぜ再エネ株が昨年末から売られていたんでしょう?
そして、最後にフィリピンの再エネ企業と今後の長期的な見通しは?
今回はそんな再エネ株についてのアップデートをしたいと思います。
2021年に再エネ株が暴落!?
クリーンエネルギー(クリエネ)若しくは再生可能エネルギー(再エネ)は炭素燃料に代わるエネルギーとして近年世界的に注目されてきましたが、その移行にはあと数十年はかかるのではないかと言われています。
しかし再生可能エネルギーへの投資は2020年頃からバブルと言ってもいいほど短期的に一気に過熱し、多くの再エネ企業の株が買われました。
とくに2020年の米大統領選挙前までにBlackRock Inc.のグローバルクリーンエネルギーETF(ティッカーICLN)は71%上がっていました。(画像)
再エネを支持するバイデン大統領当選後、再エネ関連銘柄やETFの上昇は翌年の2月まで続き、その後一旦はおちついたものの再エネブームはその後も11月頃からまで続きました。
一方フィリピンでもそういった世界的な流れに乗るかのように、2020年10月フィリピンのエネルギー省が、再生可能エネルギーの拡大を発表。
石炭火力発電についてのモラトリアム(一時停止)を宣言し、再エネが一気に加速しました。
さらにフィリピンで再エネの技術が遅れていることも指摘し、再エネ事業への外資の出資を40%以下から100%へ認めるとしました。
そういった再エネを取り巻く環境への変化からフィリピンの株式市場でFGENやASENを筆頭にGREENやBSCなどの再エネ株関連企業の株が大きく上昇します。
しかし、2021末に突然ブームの終わりを告げます。
米国の再エネ株式市場は、米国の金利上昇やカリフォルニアでの太陽光補助金の減少に関する憶測、バイデン大統領の再エネプロジェクトの座礁などにより大きく低迷しました。
また2021年4月から9月まで、ヨーロッパの一部で過去60年間で最も風の弱い時期を迎え、英国に本拠を置く電力会社SSEは、再生可能エネルギーの発電量が予想より32%少ないと報告し再エネの多くが未だ風力発電ということもあり気候問題にも悩まされました。
さらに再エネのインフラに必要な鉄鋼や他の金属コストの上昇と言ったサプライチェーンの問題によりプロジェクトの遅れが発生。コストが上がり利益率に影響を及ぼしています。
そういったことからグローバルクリーンエネルギーETF(ICLN)は2021年末から2月16日までなんと30%も下落し、米国に続くかのようにフィリピンの再エネ株も11月ころから下落していきました。
3月に入り再エネ株が買われている理由
2週間ほど前、原油や天然ガスの主要な産出国であるロシアがウクライナに侵攻したとき、原油、天然ガス、石炭の価格が高騰しました。
その後そんなロシアのウクライナ侵攻に対して、西側諸国が経済制裁を打ち出しました。
バイデン米大統領はロシアからの石油の輸入禁止を、英国は2022年末までにロシアの石油と石油製品の輸入を段階的に廃止すると発表した。
こういった各国のロシアへの制裁発表を機に、国際ベンチマークであるブレント原油とウェストテキサス中間原油は火曜日に上昇し、2008年頃の高値を更新しました。
その結果、石油や化石燃料の価格高騰を背景にS&Pグローバルクリーンエネルギー指数は6%上昇。ほかにも米再生可能エネルギーETFや太陽光及び水素エネルギー企業の株が上昇しました。
アナリストは、引き続きエネルギーコストの高騰が投資家を再生可能エネルギーに向かわせ、株価の上昇を促進すると予測しています。
モルガン・スタンレーのアナリストも、北米のクリーンテクノロジー業界に対する評価を「魅力的」に引き上げ、「強力な成長と評価が広く魅力的であると見ています」と述べました。
BNPパリバエグザンのアナリストは「よりヘッジされ、多様化され、よりバランスの取れた統合企業を通じて再生可能エネルギーのテーマを演じることを推奨している」と述べ
再エネ企業であるEDP Renovaveis SAの評価を「アウトパフォーム」にアップグレードし、「再生可能な純粋なプレー」の中でScatecASAのような他のヨーロッパ企業にスポットライトを当てました。
フィリピンのクリエネ(再エネ)株
それではここから最新のフィリピンの再エネ企業と株価のアップデートになります。
ちなみに昨年再エネの特集記事を書いてから2社追加しています。
First Gen Corp.(FGEN)
国内有数の再エネ企業で天然ガス、地熱、水力、風力、太陽エネルギーから国の電力の21%を供給している企業で、昨年9月の時点で帰属経常純利益は11%増加して103億ペソと発表しています。
AC Energy Corporation (ACEN)
Ayala財閥グループの再生可能エネルギー会社であり、ルソン島の電力需要の継続的な回復とその発電量の増加により2021年の純利益が前年比で22%急増し53億ペソに達したと発表しました。
Solar Philippine NEC(SPNEC)
昨年12月にIPOを行ったSPNECは国内で純粋な太陽光発電企業で、フィリピン全土で20カ所以上609億ペソ(12億ドル)相当の太陽光発電プロジェクトを行っており、今後フィリピンで最大の再エネ企業になる可能性があります。
Greenergy Holdings Inc(GREEN)
バイオマス、太陽光、水力、地熱などの再生可能エネルギーやフィリピン国内の廃棄物回収施設や廃棄物管理システムの管理、運用を行っている会社です。
Citicore Energy REIT Corp. (CREIT)
先月IPOを実施した太陽光発電プロバイダーのCiticore Power Incによる不動産投資信託で太陽光発電に利用されている土地のリースと発電所の利益収入により高い配当利回りを実現しています。
【その他の再エネ企業】
PetroEnergy Resources Corp.(PERC)
石油の探索や再生可能エネルギー(地熱、風力、太陽光発電)の開発と運用を行っているエネルギー会社です。
MRC Allied(MRC)
不動産開発や再生可能エネルギーへ従事しています。
Basic Energy Corporation(BSC)
情報システム、石油、天然ガスの探査、バイオ燃料と再生可能エネルギーの開発を行っている会社です。
米国とフィリピン、再エネ株の動きが似ている!?
これはあくまで私の個人的な見解です。
しかし今回に限らず、米国とフィリピンのマーケットが同じような動きをする時があります。とくにICLNとACENのチャートを見比べて見ると一目瞭然です。
ICLNとACENはともに2020年10月から一気に上昇していますが、翌年始めに一旦下がっています。そこからICLNは横ばいですが、ACENの場合「PSEiに加えられるのではないか?」という憶測が広がり始めたことでその後も継続して上昇します。
8月に予想通りPSEiに加えられてからさらに上昇します。しかし昨年11月からICLNとACENともに下落していき、先週火曜日から再上昇を始めています。
先に述べたように、米国アナリストたちは今回のウクライナ情勢に起因するエネルギー価格高騰が引き続き再エネ株上昇を促すと予測していますので、この後ACENも継続して上がり続ける可能性があるのではないかと思っています。
ところで、私は二つのチャートが連動しているように見えるのですが、皆さんはどう思いますか?
まとめ
2020年頃から脱炭素燃料の代替エネルギーとして再生可能エネルギー(再エネ)またはクリーンエネルギー(クリエネ)は米国を中心として投資家により積極的に取り引きされていました。
しかし、昨年末より金利上昇や再エネを支持するバイデン政権のプロジェクト遅延や太陽光発電設置への補助金減額などの理由により、再エネ株やETFは低迷中でした。
そんな中ウクライナに侵攻したロシアに対する各国の経済制裁により石油燃料価格が高騰し代替エネルギーとして期待されている再エネ株が再度復活しました。
それに伴い、先週よりフィリピンでも再エネ企業の株が上がって来ていますが、今後も引き続き上昇が継続するのか、注目です。
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※なお上記内容は投資2年目の超ビギナーによるものですので、必ずしもそうなるとは限りませんので、その点はご理解お願いします。
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