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フィリピンでナンバー1のオンライン証券COLの動画で勉強会パート2
どうもshoheybeatzです。
先日フィリピンで顧客数ナンバー1のオンライン証券会社、COLファイナンシャルがウェビナー動画をユーチューブに公開していました。
このウェビナーですが、視聴者からリクエストを受けた銘柄についてCOLファイナンシャルのアナリスト、エイプリルとジャニス(Juanisですが、「ワンニス」って聴こえるんですが)が好きか嫌いか、その理由についてトークをしています。
その中で私のブログでも何度かご紹介している銘柄がいくつかトピックに上がっていましたので、昨年3月に同様の記事を書いたときにたくさん高評価を頂いたので、今年もやりたいと思います。
ちなみに動画ですが、2022年1月28日に収録され、2月9日に公開された動画なんですが、中期〜長期的な投資アイデアとして参考になると思います。
なお、「英語わかるから直接観たい」という人は、一番下にユーチューブのリンクを貼っていますので、そこからご視聴ください。
COLファイナンシャルとは?
まずはこのウェビナーを主宰しているCOLについて、ご紹介します。
COL Financial Group Incは、1999年に設立され、現在フィリピンで顧客数ナンバー1のオンライン証券会社です。
なお、同社はフィリピン株式マーケットPSEに上場していてティッカーシンボルCOLで取り引きされています。
2022年上半期 Investor Sentiment (投資家のセンチメント)
まずこのウェビナー動画ですが、2022年1月28日に収録され、2月9日にYouTubeのCOL公式チャンネルで公開された動画『COL Financial MARKET OUTLOOK Investing Trend in 2022』(COLファイナンシャル 2022年のマーケット予測と投資トレンド)になります。
リクエストがあった銘柄についての評価はその中で2つ目の動画ですが、本題に入る前に一つ目の動画であるInvestor Sentiment(投資家の心理)について触れたいと思いますが、
この動画はCOLが自社の顧客にアンケートを実施し、投資家が今年のフィリピン株式マーケットについてどう思っているのか、感じているのかがわかる大変興味深い内容になっています。
投資家のセンチメント(心理状態)
58%の投資家はオミクロンの後、パンデミックが終わると予測している。
ちょっとこれには反対の意見がある人もいるんじゃないかと思いますが、投資家はパンデミックに対してかなり楽観視しているということだと思います。
投資家は今年5月に行われる選挙の効果(40%)とコロナウイルスの復活/変異種(35%)を懸念している。
先程のアンケート結果では半分以上の投資家がオミクロンの後パンデミックが終わると思っているという結果でしたが、残りの35%の投資家はやっぱりオミクロンの後も別の変異種が出てきてパンデミックが続くのではないかと思っているようです。
なお、最も多かったのはやはり今年の選挙による株式市場への影響と回答していました。
65%の投資家は上半期はbullish(強気相場)になると思っている。
これはかなり予想外でした。上半期はフィリピン政府による警告レベル引き上げで弱気相場になるんじゃないかと思ってましたが、ほとんどの投資家はそう思ってないようです。
69%の投資は今年も引き続き多額の投資をしている。
これも意外でした。フィリピン株のForein Selling(海外投資家の売り)は1月増えているようですが、国内の投資家はむしろ投資額が昨年より増えているということだと思います。
82%の投資家は今後3〜6ヶ月で投資額を増やすつもりだ。
これは朗報ですね。年始からコロナの影響で投資家はマーケットから離れているんじゃないかと思ってましたが、実は昨年に引き続き多額の資金を投資していて、さらに今後半年以内に投資額を増やすと答えた投資家が大多数を占めていました。
このアンケートからわかるように、フィリピン株式マーケットについては半分以上の投資家は楽観的に見ていて、さらに投資額を増やす=マーケットに資金が流れる=取引高が増える可能性があると考えてよさそうですので、我々投資家にとってはいい知らせだと思います。
COLファイナンシャルの「Most Requested Stocks(もっともリクエストがあった株)
それでは次に、ウェビナーのメインテーマである銘柄の評価について触れていきたいと思います。
投稿されたCOLのウェビナー動画では、まずMCを務めるCOLの社長であるMarvinのあいさつがあり、次に過去のウェビナーで評価した銘柄の結果について発表があります。
それによると、昨年3月と8月に行った過去の2回のウェビナーで、3月は9銘柄中8銘柄が、8月は8銘柄中8銘柄全てが評価通りの結果であったとのことです。
アナリスト別でも、April、Juanisともに12銘柄中10銘柄が評価通りの結果だったようです。
このことから、このウェビナーの評価の正確性がわかります。
今回のウェビナーでは、フィリピン証券取引所に上場されている中でとくにリクエストがあった15銘柄についてAprilとJuanisが好きか嫌いかの札を上げて、なぜ好きなのか、嫌いなのかを説明しています。
ただその15銘柄のトーク内容を全部はさすがに書ききれないので、その中でこのブログで紹介してきたACEN、MONDE、DITO、SPNEC、CNVRGの5銘柄についてのみ抜粋して紹介したいと思いますが、その他の銘柄については、最後に全15銘柄の評価を一覧にしてますので、そちらをご覧ください。
1. ACEN
2人とも嫌い
April:42.3倍はまだ高いです。大幅に下落しましたが、それでも株価収益率は他の電力会社と比較して非常に高価です。それに今、世界的に再生可能エネルギーの株が売られています。
Juanis:まだ底を試しています。もし(好きでも嫌いでもない)中間のパドルを持ってたらあげたと思います。今は上下していますがトレンドはまだ下がっていて、反発が見えていません。大きな回復の可能性を生み出すシグナルが出るまで嫌いの方になるでしょう。
これは酷評されていると言ってもいいでしょう。昨年まで再エネ株のACENはかなり大きなリターンが出ていて、昨年PSEインデックスに追加されたときも大きく取り上げていましたが、今年はACENだめだそうです。
2. MONDE
April 嫌い
私たちは非常に長い間この銘柄を推奨してきましたが、過去数回の四半期決算で、同社は所有している代替肉事業のQuornが直面している課題のため、予想よりも収益が上がるのに時間がかかると思っていて、その課題の一つが英国でのビジネスで、人々はもう家で料理をしなくなりましたので、業界全体が弱まっていますし、米国のビヨンドミートのような競合他社の存在もあります。それにコモディティ価格の上昇の影響を受けていると同社の関係者が話していました。そのため、2月にPSEインデックスに追加されますが、これは私たちにとってクライアントに保有株を減らすよう促すいい機会になると思っています。もちろん、長期的にはまだMondeが好きですが、短期的にはアンダーパフォームする可能性があると考えています。
Juanis 好き
今、別のパターンを構築しています。パターンが形成される限り、短期的にはかなりの蓄積があると思います。サポートされるまではじめは一旦下落すると思いますが、その後バリアの突破を試みるでしょう。
おおっと!!これも超意外でした。
まさかエイプリルは顧客にMONDE売るよう勧めるって・・。そんなこと言われたら、売っちゃうじゃないですか。
3. DITO
どちらも嫌い
Juanis:反発の兆候を待っているんですが、まだそれが見えませんし、それがない限り、下降トレンドが継続すると思います。
April:DITOは加入者ベースを昨年の500万から今年は1200万に増やすと楽観的に考えていますが、通信業界は非常に競争が激しいため、非常に困難で、これらの目標を達成するには大きなリスクがあると私たちは感じています。 GlobeとPLDTはネットワークの改善に多額の費用を費やしており、両社がこの競争に参加することはないと思いますので、DITOに困難な時間を与えることになります。また、DITOは光ファイバーインターネットビジネスに参入を発表していますが、そこにはコンバージICTがいるため、大変困難だと思います。
これは同感です。昨年大赤字を出していたDITOはSROの延期はするし、まだ数年は利益を出せないし、ファイバーに参入今更したって厳しいと思ってます。
4. SPNEC
Juanis 好き
彼らは健康的なフローを作っていると思います。確かに、彼らは急速に上昇していますので、ここで利食いが起きると思います。エントリを探している場合は、それが終わるのを待つべきでしょう。
April 嫌い
当然のことながら、太陽光発電エネルギーの純粋なプレーヤーであり、その容量を50メガワットから10,000メガワットに拡大し、現在多くのシェアを発行することになるので、多くの人がエキサイトしていると思いますが、私はここに執行リスクがあると思います。この企業はまだビジネスを開始していませんので、エキサイティングするのはわかりますが・・。
エイプリルのコメント、かなり長くて端折ったんですが、色々言ってて注目されてるけど、ほんとにやれんの?ってことでした。でもIPOしてから株価2倍くらいに上がってるので、この銘柄買いたいって気持ちはたしかにあるんですが、ここからエントリーするのはさすがに度胸がいりますので、様子見しましょう。
5. CNVRG
Juanis 好き
同様にこれもまたコンソリデーションしてるように見えます。今後数ヶ月で海外のインデックスに含まれる可能性があり、短期的にはその決定が下されるまでにコンソリデーションを続けると思いますのでそれまで購入することを急がないでください。
April 嫌い
コンバージのビジネスは素晴らしいです。 ブロードバンド事業は非常に力強く成長しています。 最近PSEインデックスに追加され、今後MSCIインデックスに追加される可能性がありますがやはり現在の株価は高いです。 ですので購入する良い事業を待っています。
コンバージも今年に入ってかなり下がってますけど、プロはまだ高いと思ってるようです。ただMSCIインデックスに入るかもしれないって情報は朗報ですね。昨年コンバージがFTSE Global Equity Indexという海外のインデックスに加えられたときに株価が上がっていましたので、今回も同様に株価が上がるかもしれません。
15銘柄の評価一覧表
昨年PSEインデックスに加わったACENとCNVRG、今年に追加されたMONDEを除いたPSEインデックスに加えられているブルーチップ銘柄はほとんど二人とも好きだと評価にされていました。
また不動産投資信託(RERT)についても議題に上がっていてMREITは高く評価されていました。AREITはエイプリルが株価収益率から高いって言ってました。
まとめ
今回もまた非常に参考になるウェビナーだったと思います。
フィリピン株の投資家センチメントも驚いたこともありますが、投資とは言ってみれば投資家の心理ゲームだと言えなくもないため、今回のアンケート結果はとても参考になります。
ただし、MOST REQUESTED STOCKでは昨年からこのブログで紹介してきたACEN、MONDE、CNVRGなどはプロのアナリストの目からはあまり良い評価がされていませんでした。
(もしこれまでのブログを見て株を買って、この記事を見てがっかりしている人がいたら、スミマセン)
プロのアナリストたちは「ブルーチップ銘柄を買いましょう!」ってことを言いたいのだと思いますので、ぜひ参考にして頂けたらと思います。
今回は全部の内容は紹介できませんでしたが、ちゃんと全部観たいと言う方はユーチューブのCOL公式チャンネルに上げられているウェビナー動画のリンクを貼っておきますので、ご視聴ください。
参考動画:
COL Financial MARKET OUTLOOK Investing Trend in 2022
※長い文章はかなり端折ってますので、もし全部ちゃんと観たいという方はタガログ語混じりの英語ですが、是非ユーチューブのほうでご視聴ください。
※この動画は2022年1月28日に収録してされ、2月9日に公開された動画『COL Financial MARKET OUTLOOK Investing Trend in 2022』の一部を抜粋しています。