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どうでもいい話をしよう

2022年の今日。2月24日。
私は推しのアニメキャラの聖地巡礼で
神社の御朱印を受ける列に並んでいた。 
目を疑うような速報に
絶望感に包まれつつも
推し活を遂行し、二度と訪れない今日を
十二分に楽しんでいた。

2024年の今朝。
朝食に焼きすぎたピザを食べながら
チコちゃんに叱られる!を見ていた。
猫の目が光る謎について
何故だったっけ?と気にしていた私には
タイムリーなリマインドだった。
網膜の裏側にあるタペタムという反射板を
猫は持っている。
(2022年の4月29日の放送内容より)

昨日の夜。
大好きなドラマの展開が
あまりにも切なかった。
現実においても
震災を切り離して人生を全うすることが
困難になってきている。


世の中の殆どのことは
どうでもいい事でできている。

はずなのに。
2024年の今日は
あの日の絶望感が増大してる。

世の中の大多数の人々が
どうでもいいと思うような事が
私には大事に思える。

例えば
猫の目のタペタムとか。 
例えば
買ったばかりの安物の保冷バッグの
裏地のほつれとか。


どうでもいい話には
自由がある。
どうでもいい話が
できる私はシアワセだ。


どうでもいいと
手放してしまえないものか。
こだわりを。
他者を。
世の中を。
時には理想を。


猫の目のタペタムは
気になって羨ましく思ったが
人間には無いものだ。

そしてバッグの裏地のほつれも
気にはなるが、直さなくても使える。


だけど
猫の目のタペタムみたいなものを
作り出せたらと思う人がいる。

そして
バッグの裏地のほつれを
下手でも直したいと思う私がいる。

昨日。
ひょんなことから
リハビリ中の腕が上がらなくなって
困惑気味の夫が
「今日のリハビリが終わったら
行きたかった企画展に行こう」
と私を誘ってくれた。
すぐには治らぬ腕に執着せず
素敵だと思えるモノに会いに行く。

2024年2月24日の今日。
どうでもいい話だけど、
良い天気ですね。

どうでもいい話だけど、
今日は何をしますか?

どうでもいい話をしよう。
そして互いを認めあって
互いの今日のシアワセを
願うことが出来ますように。

追伸。

どうでもいい話ですが、
とっても素敵な1日を
夫と過ごすことができました。

例えば竹芝で出会った
虹色のスイーツとか。

例えばブルートレインの写真展や 
フランク・ロイド・ライトの企画展とか。

例えば変わらず穏やかな、
地域猫の今日の姿とか。

どうでもいい話を、
これからも続けられますように。

随筆 蕗358号
掲載予定














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