「音楽と演劇の年賀状展」をやめることにした
「なんで12年でやめようと思ったんですか?」
これまで12年間すべての年賀状を展示する「音楽と演劇の大年賀状展」名古屋会場のひとつ、Cafe&Bar drawingで設営作業しているところをお客さんに声をかけられた。干支を一周してちょうど一区切りついたから、ある程度やりたいことをやりきったから、ぼく個人の生活の変化など、理由はいろいろある。
「12年続けるってすごいですよね。僕も大学院生の頃はいろんなプロジェクトをやってたんですけど、仕事が忙しくなってからはなかなかできなくて。でもこの展示を見て、自分も何かおもしろいことができる気がしてきました。来てよかったです」と言われた。めちゃくちゃ嬉しかった。
いまや面倒くさいニッポンの年中行事のひとつとも言える年賀状という文化も視点を変えれば楽しめるし、それは年賀状だけに限らないと思う。仕事でも、日々の暮らしでも、手を動かしたりアイデアさえあれば、刺激と遊びに満ちた世界がひらくのだと思う。
自分には表現したいことや伝えたいメッセージなんかないと思っていた。でも、年賀状展を通して、世界はまだまだこんなに楽しめるし、遊ぼうと思えばいくらでも遊べるんじゃない?と、12年かけて外の世界へ呼びかけようとしていたのかもしれない。無意識の僕のメッセージを展示を見た誰かが受け取って、あたらしい世界をひらくきっかけになったとしたら最高に幸せなことだし、12年やった甲斐があると思う。
音楽と演劇の大年賀状展、名古屋で始まります。名古屋のあとは、埼玉、岡山にも巡回します。この展示が、誰かの視界が明るくひらけるバトンになれますように。
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