名作CMから学ぶ会話劇/緊張と緩和
YouTubeで検索していると、今はもう放送されていない、なつかしいCMを発見することができます。
企業のチャンネルではなく、たぶん個人の所蔵CMコレクションですが、YouTubeも削除しないということは、「ある種のアーカイブ動画」として承認していることになるので、視聴者にとってはありがたいことです。
古い映像は、もう広告代理店にもデジタルで保存されていないので、昔のVHSデータをデジタル変換してアップロードしてくれてる手間を考えれば、視聴者は感謝して視聴しなければならないのかもしれません。
著作権の問題はさておき、そうした貴重なアーカイブ動画には学ぶべき多くのアイデアとヒントが隠されているます。
今回ご紹介するのは、20年くらい前の「SAPPORO 冬物語」のCMをベースにして制作された3分くらいのショートストーリーです。深津絵里と田辺誠一による「男女の建前と本音」を見事な会話劇で表現したショートムービー2本です。
わたしが個人的に深津絵里ファンだったので、自分のYouTubeの再生リストに残していた動画ですが、今みてもホントよくできてると感心します。
女性の部屋でビールを飲む男と女の表面的な会話と心にある本音との葛藤が交錯した緊張感と笑いをさそう2人のかけあいはさすが名俳優どうしの見事なコンビネーションです。
この動画は約3分ですが、「緊張と緩和」という視点で考えれば、ひじょうに緻密に構成されたストーリー展開です。男女の葛藤による「緊張」感が少しづつエスカレートしていき、ピークを迎えたところで、枕から羽根が飛び出し画面は「緩和」され、「冬のビールはおいしいね。」というCMコンセプトに帰結し、観るものはほっとして「緊張」から解放される。もちろん、二人のかけあいに潜むコメディ要素も見事です。
きっと大手広告代理店が制作した長編CMだと思いますが、こういう3分くらいのストーリーCM、これからも需要は十分あるような気がしました。
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