【ジビエレザー】鹿の原皮が手に入った日【後編】
昨日の続きです。
取材先のやさしい店長さんにワイルドな道案内をしていただきつつ、
なんとか無事に加工場へ到着。
そこで待ち構える、人の良さそうな猟師のおじさん。
今は猟師さんだけど、基本は農家さん&料理人らしい。
定年までは、国鉄に勤めていたんだって。
この日取れたのは鹿だけでなく猪も。
体つきが全然違って面白い。
鹿はしなやかだけど、猪はかたい。
解体のために動かすときも、鹿はクニャっと。猪はゴロンと。
同じように山の中で暮らす生き物だけど、
ワンシーンだけ切り取ってもこんなに違うんだな〜
解体スペースは普通の民家のガレージみたいな立地の場所で、
床は魚屋さんみたいにテカテカして、ブルーグレーで、道路に向かって傾斜がついてた。
奥で若い人が赤身肉を小さくスライスしてた。
カツにするんだよ〜と教えてくれた。
今日とれた鹿から、するりと皮をむいてくれる。
大きなビニール袋を広げて、どさっと受け止めた。
重い。
米袋ぐらいは余裕である。
口をきっちり縛って、おじさんに山のことや肉の食べ方、骨や皮のことを教えてもらう。
あの、お代は・・・と聞いてみた。
「大喜利か?」と笑ってた。人のいいおじさんだ。
特別なやつを冷凍してるから、また取りにおいで。
でもそん時は、酒代ぐらいは欲しいなあ。
魚屋さんみたいな白い長靴が、ジビエの血と泥で汚れてた。
何かおじさんに渡せるものでも持ってきたらよかったなあ。
そう思いながらお礼を言って、
ワイルドな道を戻った。
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家に着くと、雨が降ってた。
低い山だけど、麓の町よりも天気が変わりやすい。
強風も、雪も多め。
皮は、なめし業者さんを探して「革」にしてもらうことにした。
自分でなめす人もいるみたいだけど、
素人なめしの革は硬化しやすいと教わった。
初めてのなめし業者さんは、ネットで見つけた、「やさしい革」。
東京の会社。
原皮をクール便で送ると、数ヶ月で革にしてくれるらしい。
料金も、予想よりお手頃だった。
このシリーズは、ふと思いついた「ジビエレザーブランド作り」という目標に向けてたまに頑張る一般人の日記です。
<ざっくりこんな背景があって、ブランド作りを思いつきました。>
・地元で鹿がバンバン増えて、野菜を食べてるらしい。
・獣害を減らすことか、農業を盛り上げることか、地元の何かに貢献したい。まだ何ができるのかわからないけど・・・
・猟銃を趣味にしてる父がもうすぐ職場から定年退職するから、せっかくなら親子で何かやりたい。
・ダウン症の弟がいて、ものづくりが好きっぽいので、よかったら手伝ってほしい。
・地元が好き。
なんか、赤字になりそうな予感・・・!!
クラウドファンディングに挑戦してみようかしら。
おしまい。
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