大人の魅力、青い羽根。
日本で見られる青い鳥のうち、オオルリ・コルリ・ルリビタキは【瑠璃三鳥】と呼ばれていて、野鳥好きな人々からは結構人気らしい。
個人的には青い鳥はカワセミがナンバー1だと思っているけども。形がなんとなく幸せの青い鳥のイメージと違うかな。豪快に魚とか丸飲みするし…。選ばれし者だけあって、あの3羽の方が可憐な感じはする。
そんなことはさておき。
オオルリ・コルリは夏鳥だけど、ルリビタキは奈良では寒くなってからよく見られる鳥だ。薄暗い杉の林でチロチロチロチロと鳥の影がちらつく。それはたいていルリビタキかな。
その姿は光に当たってこそ、青い羽根がキラッと見えてルリビタキだなと分かるが、なにしろ暗い場所を好む傾向の鳥なのでだいたい見つけた瞬間は暗くて何色か分かりづらい。暗い森の中では鮮やかな青色も保護色になるのだ。大きさも実際はスズメより小さいけど、コロッと丸い体つきだからか大きく見える。
ヒッヒッと鳴いては尻尾を細かく上下させて、すばしっこくちょこまか飛び回る。だけど、さほど見失わないのがこの鳥のいいところ。ルリビタキは縄張り意識が強いから、飛んで行ってしまっても同じ場所で待ってりゃまたすぐに戻ってくるのだ。
さっきからルリビタキを青い鳥と言ってるけど、体の側面に山吹色のところがちょっとあって、お腹は真っ白だ。全身青色ではない。
青いのは頭と背中から羽、尻尾にかけての上面だけで、それもオスのみ。メスは尻尾のあたりがわずかに青いだけなのだ。ついでに言うと、オスであっても幼鳥時代はほぼメスと似たような色味なのでオスメスの判別がつきにくい。ルリビタキ以外にもそういう野鳥はけっこう多い。
オス特有の上面が青い状態になるには2年以上かかるらしいから、あの青さは大人の魅力なのだ。
お気に入りの森の茂みゾーンに2羽でいつも行動しているオスのルリビタキ達がいるのだが、たまにジョウビタキのメスに追いかけられている。
やっぱりあの美しい青い羽根は他の鳥にもモテモテなのかもしれないな〜。