君、ここから(奈良県奈良市・深い森の中)海行く気!?
いつものお気に入りの森に流れるささやかな川。そこに甲7〜8センチ程の大きめのカニがいた。よく見かけるのはサワガニだけど、それよりずっと大きいし、色もグレーのような緑っぽいような・・・。
よくよく見てみると、足に毛が生えている。ハサミ部分には藻がもっさりついている。
ってことは ”モクズガニ“ だ。
こんな海ナシ県の森の中に???
Wikipediaによると「成体は川に生息するモクズガニだが、幼生は塩分濃度の高い海でないと成長できない。そのため一生の間に海と河川の間を回遊する「通し回遊」の習性が生活史にみられる。秋になると成体は雌雄とも川を下り、河川の感潮域の下流部から海岸域にかけての潮間-潮下帯で交尾を行う。」ってことは、ここから海に行くのー!?
えええー!?めっちゃ距離あるから!!((((;゚Д゚)))))))
ローカルな話になるけれど、ここの川は奈良県と大阪府を流れ大阪湾に注ぐ大和川水系で、辿れば海までの最短コースは大阪市住之江区の河口になる。下の絵の緑の矢印がそれ。
直線距離でこれ。遠っっっ!!としか感想が出ない。
モクズガニのジリジリとした歩み方で秋に間に合うんだろうか。でも物凄い距離を移動するモクズガニもいるらしいし、この距離は大したこと無いのかもしれない。
人間の足でもこの距離を歩く気しないのに、たった20センチほどの蟹が川の流れに足をとられたり、天敵に食べられたり、いろんな障害物を乗り越えて行き来するなんて、モクズガニってすごい!
しばらくの間、流れに逆らい岩の斜面に踏ん張っていたモクズガニだったが、水の流れに足をとられ岩場から落ち、ヒラヒラと水底に沈んでいった。
せっかく流れのきついとこをここまで進んできたっつーのに。でも一生懸命登っていたのはなぜだろう。川を上った先は川の源である池なのに。
秋には海に戻らないといけないんじゃないの?何しにここまで来たの?
謎は深まるばかり・・・。