建設業職人は賃金が安い訳
タイトルの通りなのだが、これは内情を知ればその通りであり、現状は天地がひっくり返っても変えられない理由がある。
計算すれば簡単です。
建設業界では歩掛り計算とか常用単価とか色々なものがあって、常用単価は地方にも寄るけどだいたい18000〜25000円とかです。
仮にある程度ベテランになって20000円とすると、月に25日働いてやっと50万円。
コンスタントにこのまま安定して貰えれば年収600万円となります。
けど600万円は高いのか安いのか?というところです。
公務員や上場企業をみると、高いところでは平均年収は650万とか800万とか言われてます。
さらにこれに社会保障や厚生年金、さらにはボーナスや退職金、有給休暇、育児休暇などありとあらゆる補償が与えられます。
一人親方で1日25000円稼げたとしても、上記のような補償もないし年金も国民年金だし有給もないしボーナスもないし休みすら少ないです。
こんな状況ではやはり成り手は居ませんよね。
ちょっと昔は、手に職付けられていーねーなんて言われてたものの、60なったら呼ばれる事すら少なくなるし、建設業法で一人親方の扱いは酷いもので、働く意欲があっても公共工事では出入り禁止になる現場も増えてきている。
公共工事は本当に酷くなるばかりでルールが増え過ぎている。
インボイスもしかりだが、一人親方で手に職をつけたベテランが活躍する場所は民間のリフォームなどしかなくなるかもしれない…。
収入を増やすなら断然人を沢山使い、現場を複数こなすしかない。
うまくいけば年収1000万はすぐいくだろう。
だがしかし、民間のリフォームも予算が少なくて25000円の手間なんか皆無に近い。
ハウスメーカーの下請けはもはや10000すら無い始末だ。
こうして社会保障のない定年超えたじいさんが、小遣い程度にハウスメーカーの仕事をしていてリフォームが成り立ってるのが現状である。
10年後、きっと今ギリギリ活躍している爺さん達は他界し、ハウスメーカーの予算で誰がやるのだろう…。
俺なら絶対にしない。
職人が減っていく中で、職人の取り合いが生まれ着工棟数は減る一方だろうな。
だがここでもし、単価が上がり30000円貰えるような現場が生まれれば、職人は沢山増えるのは間違いない。
犠牲となるのは勿論消費者の皆さんだが。
リフォームの原価はだいたい70%くらいで、例えば外装の塗装工事で100万円なら、塗料代が10〜12%、塗装職人の手間を20000円とするなら約15〜20人工=300000〜400000万円だ。
足場が15万くらいで、だいたい70%くらいである。
粗利は30万円だから、その範囲で営業の給料を払い、賃貸料や保険料やチラシ代などに消え、営業利益は2〜5%が平均だと思う。
こうやって試算した時に、手間の20000円が30000円になったとしよう。
施工原価は450000〜600000になるので、工事金額は120万円は貰わないと儲けられなくなる。
お客さんはいくらでも安い工事に越した事ないわけなので、施工単価が上がるのは消費者の負担でしか無い。
まぁ現在塗料が10%くらい上がってきたからすでに負担増になってしまってるけども。
民間直請負の工事でもこんなギリギリの中で頑張ってるのが職人だ。
これから職人達に高給料だせるようになれれば間違いなく増えてくれるし、募集も頑張りたいと思う。
職人に代わるAIが世を変えるのか、アナログチックに職人を作る事が世を変えるのか、これからの見ものだと思う。
もちろん後者に賭けたいが…。
アキラ100%の番組に言うわけではないけど、年収1000万貰うならとにかく自分は動かず、人を沢山動かす事でしかあり得ないのです。
良い番組だけどね笑