早すぎた遅刻(memo)
今日は広告代理店に勤めている龍平とイラストレーターをしている剛との約束で喫茶店にいる。10分前行動である。
龍平がやってきた。この店、いつの間にか禁煙になっていて龍平は席に着くなり、ちょっと外に行ってくるといって出ていった。
戻ってきた龍平を見るとひまわり型のサングラスをかけていた。
「どうした龍平?なにかあったの?」
「いや、ただな、まぶしかった‥‥。」
俺も一本吸ってくるよと席を立つと、店の軒下にある喫煙所でたばこを一本口にくわえた。するとどうだろう。向かいのバス停から女の子が一人やってきた。
BGM
「たばこおいしいの?」
その女の子は視線をこちらから外すことなくきっちり聞いてくる。
「おとなの味かな?」と答えると。
「おかーさん、かっこいいおにーちゃんがたばこはおとなの味だって」
バス停に立つお母さんとおぼしき人。「さーくーらーちゃん。ご迷惑だからこっちで待っていなさい」さくら「ハーイ」
「おにいちゃんばいばーい」
結局ゆったりと吸えなかった。
喫茶店の席に戻ると龍平が聞いてくる。
「どうだった?」
僕は答える
「一杯一杯だった‥‥。」
するとそのタイミングで剛が来た。剛はたばこ持ってるかどうかを僕らに聞くと一本ねだった。奥さんに止められて禁煙中らしい。一本あげると喜んで出ていった。
しばらくすると剛は帰ってきて語りだした。
同じマンションのさくらちゃんとお母さんに吸っているところを見られた。もう人生おしまいだ。と嘆く。
僕も龍平もそれはほっておいて、龍平が持ってきたポートフォリオを見る。
「これ、金になると思う?」
僕は答える
「うん、うまい。シルクスクリーンで処理すれば一桁違う値段がつくと思う。」
「なになに?何の話?」剛は興味深そうに探りを入れる。
いや、ファインアート系で俺、絵、描いてみたんだよ。と龍平。
これが?と剛
僕はうん百万の値はつくと思うよと言っておく。
まーじーでーかー。剛はそういうと酷く落ち込んでいる。俺なんて二週間かかって5万円がいいとこだよ。なんなのそれ。
僕も描いたことあるからわかるけど経験上ゲームのイラストの値段はピンキリだからなぁ。本、雑誌の装丁とかだと底値自体が高いみたいだけれど。
雑談は続く
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