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【実体験】車いすで住めるアパート探しで直面する2つの課題

雨雲が「梅雨の本気」を出し始めた。飽きもせず毎日雨を降らし、飽きもせず週間予報を傘マークでジャックする。「今年の梅雨は大したことないな」って言った人がいるに違いない。梅雨が明けるまでが梅雨だ。油断するな。

そんな雨が続く日はtwitterでピーチクパーチクする僕の仕事が捗る。
「子育てキツい」
「花ってキレイ」
「お腹がすいた」
保育園で会うママ友との会話よりも、たわいもないことを呟いている。

いつものように、たわいもない新作スイーツの記事をリツイートしようとしていたら、一つ面白い記事が目に留まった。

「車いすユーザー対応の賃貸アパートの紹介」

車いすユーザー・・・・賃貸・・・・?
なんぞ・・・!?
車いすユーザー対応ですと!?

今はバリアフリー設計の一軒家に住んでいるが、
かつて、妻と車いすで住める物件探しに大変苦労した経験がある。
正直ナメてた。
車いすユーザーとの家探しナメてた。
今年の梅雨くらいナメていた。そう、「今年の梅雨は大したことないな」と言った張本人はこの僕だ。みんなゴメン。

本題に戻そう。
僕は一人暮らしの経験がそこそこあるので、家探しなんて経験上「楽しい」ものだった。小さい頃から憧れの広島暮らし、そりゃあ幸せだった。
家探しというと、選択肢が複数あって、何件か内覧して、あとは気に入ったところに決めるだけ。その後に不動産会社さんの校長先生のあいさつみたいな長い言葉を聞いてサインするだけ。

しかし、妻と家探しをした時は違った。

不動産会社に行って、物件を紹介してもらったら
消去法で選択肢がすべて消えた。
選択肢が、さーーーっと消えていった。
どこに行ったの選択肢?せんたくしーー!

なぜ家探しが難しいのか。
おそらく大きく2つの理由があると思う。

1つ、入口に階段がない。
この時点でかなりの「選択肢さん」が消える。せんたくしー!!
普通は雨水の侵入を防ぐなどの理由から、玄関は少し高くなっている。
そうすると段差が生じる。普通は、そこにわざわざスロープなんてつけない。

2つ、部屋が狭くて車いす生活に対応できない。
車いすで入れるほど、広い玄関のあるところは多くない。
我が家の場合、室内でも車いすを使用したかったので、室内の廊下にも幅が必要になる。

この2つの理由でほぼ選択肢が消えた。
そして、不動産会社は「ほかにないか後日調べてみます」と言ってフェードアウトしてしまう。連絡がパタッと途絶えるのだ。
2件の不動産会社に行ったが、1件は10年近く経った今もいまだに来ない。いま来ても困るが。

自力で探すしかない。
僕は覚悟を決めて、仕事が休みの日に地道に探し歩くことにした。
幸い、住みたい地域はお互いに地元が同じなので決まっていた。あとは、それっぽい物件の階段を見るだけ。引き続き同じ地域がいいということになった。

そんな絶望感のなか、一件の物件を見つけた。
灯台下暗し。
この時ほど、この言葉にふさわしいシチュエーションに出逢ったことがない。
なんと、お世話になっていた1件の不動産会社の隣だった。

少し新しめのマンション。なんと入口にスロープがある。
さらに、エレベーターまで完備。

この物件との出会いは、ふとしたことだった。
不動産会社の担当者の方との会話がきっかけ。
担当者が
「私も市内に住んでるんですよ。しかもここから近いので便利なんです。」「どの辺なんですか?」
「この隣の建物なんですよ。」

後日、担当者の住む物件を見にいったら
先ほどのようにバリアフリー対応となっていた。

いや紹介してよ!!!!
とっておき持ってんじゃん!!!



「この物件を紹介して欲しいんですが」
その不動産会社に駆け込んだ。
物件の管理会社を取り次いでもらい、なんとかこの物件に住むことができた。
これでも仲介手数料をがっぽりとられ、「まじか」と思ったけど、スーモくん人形をくれたので全ていい思い出だ。

まあ、ここの管理人の方もなかなかぶっ飛んだ方だったけど、それは後日語りたい。家選びはこりごりってくらい苦労した。

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しづ ひろし | 車いす快適社会
最後までお読みいただきありがとうございます。今後も一人でも多くの車いすユーザーに「笑顔」を与えられるバリアフリーを進めて参ります。