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マネキンは、「立」より「座」なり。
何も考えず教育テレビを見ることがある。
小学生の頃、まわりから「まだ教育テレビなんか見てるのかよー」とバカにされたくないので、おじゃる丸を見ていることは内緒にしたことがある。おじゃる丸はいまだに放送されているが、そろそろ尺は返したのだろうか?
そんな繊細な時期を思い出させる教育テレビ。大人になってから気づいたことがある。改めて番組表をみると、面白そうな番組の多いのだ。
子育てが始まってからは、ますます教育テレビから離れられなくなった。NHK受信料の元は完全にとっていると思う。知らんけど。流れている曲にもだいぶ詳しくなった。パプリカなんて無意識に口ずさむレベルだ。野菜のパプリカよりも接する機会は多いと思う。
余談だけど、テレビのチャンネルの呼び方でカルチャーショックを受けた経験がある。僕は日本テレビなら4チャン、フジテレビだったら8チャンというようにチャンネルの「番号」で呼んで育った。就職で広島で生活したとき、この呼び方がまったく通じなかった。
広島の人はTSSとかホームテレビとかチャンネルの「名称」で呼んでいるようだ。今では、テレ朝は10から5になったし、都内で過ごしていても、呼び方はジェネレーションギャップがあるかもしれない。
その教育テレビで、障害者をテーマにしたバラエティ番組が放送されていた。テーマは車いすユーザーのファッション。
お店にあるマネキンや、ファッション雑誌に映るモデルさんは、立ち姿ばかり。たしかにそうだ。取材を受けていた店員さんも言っていたが、これはあえてそうなっているのではなく、立ち姿以外の必要性に気付いていないだけだと思う。
「座り姿のコーディネート」という発想を、当事者以外なかなか思いつかないのではないだろうか。
車いすユーザーは立ち姿のマネキンやモデルを見て、自分が着ている姿を「イメージ」し、服を購入しているのだそうだ。
ここで妻の話をしたい。妻も服を買いに行くことが好きで、よく2人でショッピングモールやアウトレットに買い物に行っていた。気に入った服があっても、「袖が汚れる」「ボタンが届かない」と理由をつけて諦めるシーンをよく見てきた。最終的には家に何着あるんだって感じの機能面重視の服を選ぶ。
共通の友人の結婚式に招かれた時に、パーティドレスを選びに行った。やはり着脱しやすい服となると限られている。パーティドレスとなるとそんなに頻繁に買うものではないので、試着をしたくなる。その時、つきっきりで嫌がることなく試着の助けをしてくれた店員さんはありがたかった。
結婚式のときのドレスチェンジも式場の人が総出でシミュレーションをしながら着付けをスムーズにしてくれた。
僕らは誰かに助けられながら生活している。
この番組で紹介していた「座りコーデ」。とても面白い企画だと思う。健常者でも、オフィスで座っているシーン多いのではないだろうか?電車に座っている時も、自転車通勤も座りコーデだ。健常者にも需要がある。
また、車いすで使用できる試着室も広がっているらしい。僕は生粋のめんどくさがりで、もちろん衣類の着脱も例外ではないので、試着はほとんどしないタイプの人間だった。
しかし、ユニクロに行った時に、「え、こんな気軽に試着できるんだ」と気づき、以前よりは試着するようになった。
妻も家で買った服を試してみたら、動きにくくて失敗したシーンをみてきた。大体、おしゃれなものを買ったときだ。
ユニクロのようなファッション界の大企業が率先してファッションのバリアフリーを実践してくれることは心強い。
リアルな世界では、車いすで入りたい店がたくさんある。妻は諦めてる。経済を学んだ僕としては需要と供給が重なっているのに、外部不経済によって市場を乱してしまっていることが、とても歯痒い。こんなもったいないことあっていいのか。
一風変わったオシャレな店ほど入りにくかったりする。
車いす、ベビーカーウェルカムデーを開催して、その日だけは通路を広げてもらうとか出来たら面白い。当然、それをやるならハンデのある方を対象に広報をしなければならない。集客をする人と集客できる店がマッチすればワクワクする展開が生まれるかもしれない。
ファッションを誰でも楽しめる世界、とても素敵だ。
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