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高還元SESは最高なのか?会社のスタンスを理解しよう!


そろそろ本業について書けよ~なる声が聞こえてくるこの頃で
みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

もはや、自分では格闘技が本業なのか、経営者が本業なのか
境目がぼやけて見えるのは年だからでしょうか??・・・💦


意味不明な前置きは置いといて
今回はお題をもらった「高還元SES」について書きたいと思います。

■ 高還元SESとは



業界が違う人からしたら何それって話だろうから簡単に説明すると
SESというのはシステムエンジニアリングサービスと言って
大半は所属している会社で作業するわけじゃなくて
お客様先に常駐して、そのシステムに
まつわる課題を現場で解決するお仕事です。

現場への直行直帰がほとんどだから
雇用形態を度外視して
イメージで言うのなら「派遣」って言えば分かりやすいでしょうね。

これを高還元が合わさったらどういうことなのか。って話だけど

エンジニア社員は会社に属してお仕事をします。会社はお客様から売り上げに当たる 単価/人 を頂いて当人の評価をし、給与を支払う。その残った分を必要経費などに割り当てたりする。 

これを労働分配率って言うわけだけど
高還元と言うのはこの分配率が一般の企業よりは高いのが特徴なんだよね。

例えばお客さまから単価を100万頂いたとしよう。
一般的なSES会社は60万~70万を本人の給与とする。

会社に属さないでフリーランスになってしまえば90万を頂くこともあり得るでしょうかね。
だけど、この仕事が終わったら報酬はお終い。

いつ切られるのか分からないのがフリーランスだから、
リスクが高い働き方だと言える。
 
一方で高還元SESと言うのはフリーランスほどは支払わないにしても
80万ほど還元するという割には正社員雇用なわけ。
つまりは高還元SESと言うのは 
一般的な正社員よりも報酬が高く 
フリーランスのようにリスクはないわけだよ。

ここまでの話ならば
高還元SESって最高じゃねーか!ってなるでしょ?

でもさ
これは違うんだ。


高還元SESのワードが流行り始まった当初誰もが良いじゃん!って思ってたけど
流行りも一巡したというのか 
そろそろこの仕組みの手口にボロが出てきた来たというべきなのか。。。

良い話ばかりじゃない現実もあるということも合わせて知っときたいよね。

■契約単価の罠


高還元と歌ってるけど果たしてその契約単価が適正なのかどうか?
確認しないといけない2つのポイント
  
①商流の在り方
 同じ仕事内容なのに商流が深いと単価も低くなっちゃう問題   
 そもそも営業力の低い会社は単価の高いエンドユーザーや
 元受け直の案件を持ってないことがある。 
 2次受け、3次受けでは
 単価による高還元と言っても結局、
 出だしの単価が低いから高還元たる意味がない。

②契約した単価の開示は正当なのか
 会社によっては契約単価を営業マンが口頭で伝えてくるのがほとんどだ。
 実際の契約単価よりも低い単価だけを伝えれて、
 それで高還元だと思わせて支払われるケースもあるとか


還元率80%で仲介0社の場合
還元率80%で仲介2社の場合

■再投資できない罠


上記に点も踏まえ、ちゃんと高還元だとした場合 
企業として適正に内部留保が出来ているのかどうか?
つまり、社員に再投資できるかどうか?も大事なポイントである。

①営業組織の組成
 プライム企業、エンドユーザーやベンダーさんとか
 いわゆる契約条件が良いところと取引しないと
 そもそも単価が低い問題にぶつかる。
 でも、高還元してて内部留保が少ない会社は果たして
 しっかりした営業チームを作れているのかは謎だ。
 属人的な営業では、たかが知れてるからね。

②社員教育にも稼働待機にもお金は払えない
 高還元会社は内部留保が少ない分、
 社員の教育にお金も使えないし、
 実際に待機した人材を阿か月も抱え込めない懐事情がある。
 考えてみ?
 100万単価の人材に 80万高還元したら、20万/月が利益
 こんな人材が3か月稼働しないで待機されたら、
 1年分の粗利益が吹きとぶ。
 ただでさえ内部留保が少ないのに耐えられるの?
 現実問題、案件にアサインできなければ、辞めてもらうしかない訳だよ。
 高還元で組織を安定化させるのなら薄利多売モデルにするしかなくて
 高々数十人規模の会社で高還元SESを歌うには懐事情が心細すぎる。
 もう一つの観点は組織形成には管理職が必要だということだ。
 若いうちはソースコードをゴリゴリ書けばいいけど、
 ちょっと大人になると、
 チームとして円滑に回ってるのか調整するお仕事もある。
 これらはプロジェクトのリーダーとか、
 マネージャーとか言われるいわゆる管理職の人たちだ。 
 技術スキルを上げるのも教育だし、
 マネージメントスキルも教育が必要だ。
 そのうえで管理職の手当てだってひり分けないといけない。
 全部原資が必要な話だ。 
 今はいいけど、いつかはおじさんになる。
 その時に投資してもらいたいものだ。



若手たちは少しでも高い給与を欲しがって飛びつくのは理解できる。
だけど、ちゃんとその会社のスタンスを理解してからのほうが
あとで、後悔しなくてすむ。


高還元SESをちゃんとやってる会社がないとは言わないけど
結局、労働集約型のビジネスだ。
労働分配率が高いのは素晴らしいが、再投資できる原資も合わせて確保したいよね。

高還元SESは 
再投資が必要な若手にはあまり向いてる形態とは言えない。
むしろ、投資を必要としてないプロの人たちが高還元スタイルに向いていると俺は思う。
となると、高還元じゃなくてフリーランスのほうが稼げることになっちゃうから高還元SESの立ち位置は さみしがり屋のプロに向いているスタイルなのかもしれないね。(笑)