【論文解説】大学生看護学生の筋筋膜症候群による不安と肩こり痛の管理におけるアロマセラピー・マッサージの有効性

大学生看護学生の筋筋膜症候群による不安と肩こり痛の管理におけるアロマセラピー・マッサージの有効性：ランダム化比較試験についての解説

研究背景

筋筋膜症候群は、筋肉と筋膜の痛みや圧痛を特徴とする疾患で、肩こりや頭痛などの症状を引き起こすことがあります。アロマセラピーは、自然な香りを利用することで、心身のリラックスやストレス緩和を促すことができる代替療法の一つです。アロマセラピーによるマッサージが筋筋膜症候群による肩こりや不安の症状を改善することが期待されます。

研究目的

本研究の目的は、アロマセラピーによるマッサージが、筋筋膜症候群による肩こりや不安の症状を改善することができるかどうかを調べることでした。

研究方法

3.1. 参加者

本研究には、大学生の看護学生30名が参加しました。参加者は、筋筋膜症候群の診断がされ、かつ、不安や肩頸部の痛みの症状を訴えていることが条件でした。

3.2. 実験グループと対照グループ

参加者は、アロマセラピーを受ける実験グループと、プラセボを受ける対照グループにランダムに割り付けられました。実験グループは、週1回、アロマセラピストによる30分間のアロママッサージを受けました。アロマオイルには、スイートオレンジ、ローマンカモミール、ラベンダー、ペパーミント、バジルの5種類が使用されました。一方、対照グループは、同じ時間帯にリラックスするためのスペースを提供され、リラックスした状態で待機するように指示されました。実験期間は8週間でした。

3.3. 評価方法

アンケート調査と身体的評価により、参加者の肩こりや不安の症状を評価しました。アンケートは、実験前後に実施され、肩こりや不安に関する質問に回答する形式でした。身体的評価では、筋肉の硬さや圧痛の程度を測定し、改善の程度を評価しました。

3.4. 統計分析

アンケート結果と身体的評価結果について、双方向分散分析を用いた分散分析(ANOVA)で分析を行いました。また、実験グループと対照グループの間で、肩こりや不安の症状に有意な違いがあるかどうかを比較するため、t検定を実施しました。

結果