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「テトラパックリサイクル便」の新規入会者数が急増

日本でも同様に持続可能な社会を目指す取り組みとして、アパレル、ホテル、行政・政府の会議などで紙容器入りミネラルウォーターが導入されている。

紙パックのミネラルウォーター、お茶や野菜ジュースなどに用いられているのは常温流通・保存を可能にするアルミ付き紙容器。牛乳パックに使用される紙容器はアルミなし紙容器で開くと内側が白色だが、アルミ付き紙容器は開くと内側が銀色になっています。

その紙パックをリサイクルするためテトラパックは、リサイクル便を実施しています。

このリサイクル便の新規入会者が今増加しているとのことです。


テトラパックとは?
テトラパック は、食品用紙容器の開発・製造を主たる業務とする国際企業。スウェーデンで創業し、スイスのローザンヌに本社を置く。創業者はルーベン・ラウジング。「テトラパック」及び「Tetra Pak」は登録商標である。同社が開発した「三角パック」の俗称で知られる、四面体型紙容器の商品名でもあった。Wikipedia


減プラスチックの一環として世界的に注目される紙容器入りミネラルウォーター

1972年6月5日から2週間にわたってストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して、日本では6月5 日は「環境の日」と定め、 6月の1ヵ月を「環境月間」としています。

食品の加工機器や紙容器、充填システムを提供するテトラパックはグローバル企業として、地球環境に配慮したさまざまな活動に取り組んでいますが、減プラスチックの一環として、紙容器入りミネラルウォーターの普及に注力しています。

気候変動、プラスチックごみを始めとする地球環境の問題を背景に、再生可能な資源から成る紙パックの重要性が高まっており、海外では地球環境の問題を背景に、美術館、ホテル、交通、NGO 、学校など、紙パック容器を活用したミネラルウォーターが多くの団体や企業で導入しています。


アルミなし紙容器はスーパーや自治体などで回収され、リサイクル可能であることが広く知られていますが、アルミ付き紙容器は回収拠点が少なく、リサイクル可能であることの認知が低いため、テトラパックは2008年から「テトラパックリサイクル便」を実施しています。


利用方法

会員登録後に、届いた専用の回収箱に開いて洗って乾かしたテトラパックのアルミ付き紙容器を入れて送付するだけ。送料無料なので気軽に利用することができる。

2008年4月の約1.5㎏の回収からスタートし、今ではメンバー数として 1万8718名(2021 年 3 月末現在)と、コロナ禍で人々の環境意識が高まったことが影響し、2020年の新規入会者数が前年比約 1.7 倍に増加しているとのことです。


アルミ付き紙容器がリサイクルされる工程

全国のテトラパックリサイクル便メンバーから集められたアルミ付き紙容器は、静岡県富士市にある再生家庭紙メーカー「コアレックス信栄」の工場でその他の再生紙原料と一緒に加工され、トイレットロールやティシュペーパーに再生されています。約7個のアルミ付き紙容器(1L分)でトイレットペーパー 1個にリサイクルが可能とのことです。

原料:ストックヤード
1日に約150t~200tの多様な古紙(ミックスペーパーや紙容器、機密書類など)が搬入される。
溶解:パルパー
ベルトコンベアに乗せられた古紙はパルパーに投入される。パルパーとは、大きな洗濯機なようなもので、水流が高速で回転しており、この力で紙を粗くほぐしていく。リサイクル便のメンバーから届いた専用回収箱はそのままベルトコンベアで運ばれ、パルパーに投入される。
熟成:熟成タワー
粗くほぐしした古紙は、熟成タワーで8時間~12時間熟成。水分を含んだ古紙を熟成させることにより紙の繊維が膨らみ異物が取れやすくなる。これは繊維をほぐしていく工程であり、レシートなどをポケットに入れたまま洗濯してしまうと、ボソボソになってしまうようなイメージと考えればわかりやすい。ちなみに熟成タワーは27.5mの高さがある。
精選:リキッドサイクロン
遠心分離の力を使って、重いものを落としていく仕組み。ここで金属等の異物(主に、廃棄機密書類に付随して段ボール箱に混入しているバインダーなど)を除去していく。
溶解:スクリーン、セパレーター
細かい網の目を何度も何度もくぐらせて、ポリエチレン等の異物を除去し、精選していく。
脱墨:フローテーション
精選された繊維からインク分を除去する工程。プールのようなところに精選された繊維を入れて下から泡を出すことにより、泡にインク分を付着させて除去していく。
抄紙:抄紙機
精選された水を含んだパルプを連続的にネットに流して乾燥させ、ロール状に巻き取る。オーストリア製アンドリッツ社の抄紙機を2台設置しており、1台の抄紙速度は1800m/分、1時間に約110kmの速さで巻き取ることができる。
加工:リワインダー
抄き上がったジャンボロールは、この加工工程で私たちが使うサイズのトイレットペーパーに加工され、包装されて製品となる。ジャンボロールから規格の長さに巻き取り、芯があるシングルだと60mに巻き直され、細長いのり巻き状のロールになる。この工程でプリントやエンボス加工が施されていく。
加工:包装機、封緘機
のり巻き状になったロールは、高速回転のカッターを通過し、トイレットロール1個の幅にカットされる。通常の大きさになったトイレットロールは、コンベアに乗せられて、それぞれの製品の包装ラインに運ばれ、パック包装してから段ボールケースに入れられる。
製品保管:パレタイズロボット
ケース単位の製品になったあと、まずは製品ごとにパレット積みされる。1度に何種類かの製品を生産しており、コンベアに乗ってくる製品はバラバラのためバーコードで管理。パレタイズロボットが、製品ごとに自動的にパレットに積んでいく。
完成
工程の途中で分離されたパルプ以外のものも回収して、資源として再利用される。例えば、金属類は製鉄所へ、廃プラスチックやアルミ箔片を含むペーパースラッジ(細かいかす)は燃料として利用され、焼却残渣はセメントの原料などに利用される。

また、リサイクル工程で使用した水は、排水処理施設で浄化し、一定の基準を満たした後、富士川都市下水路に放流される。


アルミ付き紙パックもリサイクルできることをぜひ知って欲しい

「テトラパックリサイクル便」の専用回収箱には「着払ゆうパック」の伝票が貼ってあり、メンバーが送料の負担をすることなく、先述の工程で紹介した再生紙メーカーまで使用済みのアルミ付き紙容器が届けることが可能です。ポストに投函できないゆうパックなので、送るときは郵便局から。近くに郵便局がない場合は、集荷専用電話番号0800-0800-111に申し込むこともできます。

ただ、リサイクル便は手間がかかるので、近くにスーパーや生協での店頭回収や、自治体の回収、公民館等での集団回収がある場合は、そちらを利用してほしいとのこと。

白い紙容器に比べ、アルミ付き紙容器はリサイクル率が低いと、新聞で読んだことがあったので、燃えるゴミに捨てることが心苦しかったが、リサイクル便を知って、小さな力であっても環境保全に寄与できると満足感が得られた。この記事を読んで、アルミ付き紙パックがリサイクルできるということを知っていただければ幸いだ。
参照:https://dime.jp/genre/1158042/


最後に、私たちが知らないリサイクル可能なモノがまだまだありそうですね!パック1つも小さな力ですが多くの人々が意識することで大きな力になるかと思います。

ぜひ、リサイクル可能なモノは適切に分別して貢献していきたいですね!



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