緑を増やすために街を緑化！オランダのユニークなコンテスト「タイル剥がし大会」

オランダのユニークなコンテスト「タイル剥がし大会」とは？

今年で4回目の開催となる「タイル剥がし大会」がオランダで開催されました！
その名も「NK Tegelwippen」は、オランダで行われる、庭や公共スペースの舗装されたタイルを撤去し、緑を増やすことを目的としたイベントです。

参加者は、自宅の庭や公共の場所から不要なタイルを撤去し、代わりに植物を植えることで、生物多様性豊かな緑地作りに貢献します。

「NK Tegelwippen」はオランダ語で「タイル剥がし」という意味があり、英語では「National Tile Removal Contest」などと呼ばれています。

参加者は自宅の庭や公共の場所のタイルを撤去し、代わりに植物を植えます。 このイベントは、生物多様性を豊かにし、雨水の排水機能を改善し、ヒートアイランド現象を緩和するなど、多くの利点をもたらすことが期待されています。

2023年の開催時には、オランダ全土で450万枚以上のタイルが撤去され、新たに植物が植えられました。

NK Tegelwippenは、オランダの環境問題に対する意識を高め、人々が地域社会に関与し、環境にプラスの影響を与える方法を見つけるための機会を提供しています。

参加者は何をするの？

参加者は、まずイベント公式サイトに登録し、タイル撤去予定の面積を申請します。その後、実際にタイルを撤去し、植物を植えます。植物の種類は、地域や環境に合わせて自由に選ぶことができます。

また、もっとも多くタイルを剥がした市町村に「ゴールデン・タイル」、住民一人あたりで剥がしたタイル数が一番多い市町村に「ゴールデン・ショベル」と、賞品も用意されています。

なぜ「NK Tegelwippen」が開催されるのか？

オランダは、国土の約20％が都市部で占められています。それによりコンクリートやアスファルトによる地表面の硬化が深刻な問題となっています。
このような都市化は、生物多様性の減少、洪水リスクの増加、ヒートアイランド現象などの問題を引き起こします。

NK Tegelwippenは、こうした問題を解決するために、市民が主体的に緑化活動に参加できる場を提供することを目的としています。タイルを撤去することで、雨水が地面に浸透しやすくなり、ヒートアイランド現象の緩和にも効果があります。また、植物を植えることで、生物多様性が豊かになり、街の景観も改善されます。

市民のアイデアから生まれたプロジェクト

NK Tegelwippenは、2018年にオランダの首都アムステルダムで始まった市民参加型プロジェクトです。当時、アムステルダム市議会議員であったロナルド・ファン・デア・カンプ氏は、街の緑化を促進するために何かできないかと思っていました。そこで、市民に庭や公共の場所からタイルを撤去し、代わりに植物を植えることを呼びかけるアイデアを思いつきました。

このアイデアは、多くの市民から支持を受け、NK Tegelwippenはアムステルダム全域に広がりました。2020年には全国的なイベントへと発展し、現在ではオランダ各地で開催されています。

まとめ

NK Tegelwippenは、市民が主体的に環境問題に取り組むことができるユニークなコンテストです。タイルを撤去し、植物を植えるというシンプルな活動を通して、生物多様性を豊かにし、街の環境を改善することができます。

このプロジェクトは、オランダだけでなく、世界中の都市にとって参考となるモデルとなる可能性を秘めています。