私が旅に出た理由
*この記事は、「はじめての本 - Imperfect story of mine」という有料マガジンに掲載されている私小説の第2話です。第一話はこちらから。
預けていたバックパックが紛失し、予想外に身軽な恰好でチューリッヒ空港から市内に向かうスイス国鉄SBBの車内で、私はぼんやり、
「なんで私は一人でこんな遠くまで来たんだろう?」
「初めての一人旅で、誰も知り合いがいなくて、物価も高いヨーロッパまでわざわざ来なくても、国内にしとけばもっと楽だったんじゃない?」
と、心の中でセルフトークしていました。
特にスイスに来たかったわけではなく、たまたまみつけたヨーロッパ行きの格安航空券がチューリッヒ着だったわけで、このまま荷物がみつからなくて数日滞在することになると、物価の高いスイスでの滞在は、私の旅の予算をかなり圧迫することになるのです。
でも、まだ荷物が無くなったと決まったわけではないし、さっき滞在先を教えてくれた親切なお姉さんたちのところに行けば、きっと助けてくれる。
カスタマーサービスの人も、ほとんど2日以内に見つかると言っていたし、ユースホステルのドミトリーなら宿泊費も当初の予定より安くすんだから、あと1日滞在するくらいどうにかなる。
幸か不幸か、3回の乗り継ぎで約24時間かけてここまで来たから、部屋着や洗面道具など、1日を過ごせる程度の荷物は機内持ち込みの手荷物に入ってるし、なんとかなるはず。
そうそう、私が旅に出た理由は
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