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【公認会計士試験】社会人受験生で5→8達成!学習戦略の概要と成績推移。

自己紹介

こんにちは!スローガン経理インターン生のshintaroと申します。
大学卒業後、2年程度正社員として働いたのち、スローガンで経理インターンをしながら公認会計士試験の受験生をしておりました。
会計士予備校(CPA)入学から1年8か月程度で、2024年の論文式試験に合格しました。この記事では、学習スケジュールや戦略の概要や成績推移を記載できればと思います。

自己分析と試験結果

中学受験や大学受験をそれなりに頑張ったので、勉強への一定の自信はありました。文系ですが、算数や数学が得意で、世界史などの暗記科目は苦手でした。会計士試験でも、基本的には計算科目で稼いで、理論科目は守りの位置づけで臨む意識をしていました(実際の結果はそうでもありませんでしたが)。また、大学が経済学部で、経営学の内容は大学で概ね勉強していたので、論文では経営学で稼ぐ戦略を取りました。
試験結果の推移は以下の通りです。

12月短答:不合格(71.6%、ボーダー75%)
財務136、管理67、企業75、監査80

5月短答:合格(87.8%、ボーダー78%)
財務176、管理88、企業85、監査90

8月論文:合格(偏差値53.87、ボーダー51.9)

予備校入学からの半年間(簿記1級を受けるべきではなかった)

まだ正社員として働いている期間に、会計士試験に興味を持ち、まずは手を出しやすそうなところから、ということで簿記2級の勉強を始めました。
そして11月に簿記2級を取得し、12月にCPA会計学院に入学しました。1.8年スタンダードコースで、通信で学習していました。2月に会社を退職し、3月は有給消化、4月からはスローガンで週3~4日働きながら勉強というスケジュールでした。
予備校入学からの半年間は、6月の簿記1級の試験をベンチマークとして、計算科目だけやっていました。計算科目を固めるのが重要だと聞いていたこと、そして自分の勉強方法として、色んな科目を継続してバランスよく勉強するよりも、少数の科目に集中して取り組みたいタイプだったことから、理論科目はやっていませんでした。短答対策問題集を2周したり、簿記1級の過去問を5~10年分解いていました(その甲斐あって簿記1級は合格)。
今から考えると、12月短答に落ちた原因はこのスケジュールの取り方だった気がします。4月の初めあたりに財務計算・管理の1周は終わっていたので、計算科目の復習もそこそこに、理論科目を進めておくべきだった。後述しますが、各科目の一通りの勉強を終えて、短答本番形式の模試に初めてちゃんと取り組むのが本番の1か月前になり、調整が間に合わない結果となりました。もっと前倒しで勉強を進め、一定の準備が出来た状態で9月の短答直前答練第1回を受けられるようにすることを優先すべきでした。
計算科目を固めることは重要ですが、簿記1級と短答は形式が違い、簿記1級が出来たとしても短答の計算が出来る訳ではないので、簿記1級対策に時間をかけるのは間違いでした。ただでさえ時間のない社会人受験生はスケジュールミスが命取りになります。

6月~12月短答(答練や模試はボロボロ。気合で調整するも間に合わず)

6月に簿記1級に合格し、放置していた理論科目の勉強を開始しました。
松本先生の監査論の講義だけは頭に入ってきたのですが、他の授業はなんだか頭に入らない。大学受験の時に、学校の世界史の通史の授業を全く聞いておらず、高3から我流で勉強したが出来るようにならなかった記憶があり、今回は講義を丁寧に聞いて進めていこうと思って、しっかりと全講義に取り組んでいたのですが、あまり得点力には繋がらなかったように思います。財務理論は植田先生、企業法は青木先生で進めていましたが、今からやるなら折原先生と平木先生の講義を聞きます(※講師選びだけが得点が伸びなかった原因ではないです)。
財務理論や企業法の内容が頭に入っていなかったものの、当時はなぜか危機感がなく、まあなんとかなるかと思って進めていました。
9月半ばに全範囲の1周を終えたものの、直前答練を受けるレベルにまで持って行った後でなければ受けたくない(悪い成績を取りたくない)というこだわりを持ってしまっており、初めて短答本番形式のテストをちゃんと受けたのが短答の1か月前でした。結果はボロボロで、その後、他の模試や直前答練を受けつつ調整するも、間に合わず、本番は71.6%。自己採点後は、7割取れたので受かったのかも?と思いましたが、ボーダー75%で撃沈。
勉強開始からの半年で作った計算科目の貯金は確かにあったものの、理論科目が仕上がらなさすぎて、直前期の計算科目の演習量を取れなかったので、結果的には計算でも特にリードを取れずに、ボーダーにやや足りない点数となりました。

12月短答不合格~5月短答合格(財務計算は暗記科目という気付き、WEB問題集との出会い)

12月短答に落ち、5→8を目指す生活がスタートしました。
理論科目はどうせまた短答直前に詰め込むことになるしな、と思い、計算科目の強化からスタートしました。
財務計算に取り組むなかで気付いたのが、財務計算は暗記科目であるということ。結局、問題文で与えられた場面における仕訳や、ミスを起こしやすいポイントを覚えていないと、問題は解けない。以下のようなことをスマホの単語帳アプリにまとめてひたすら暗記しました。
例)
在外子会社における一部売却→為調が実現するので資本剰余金調整あり、のれん分の為調は実現しない、為調の実現に気を取られて子株売却益の消去忘れがち
その他資本剰余金からの配当で有価証券の減額をするかの判断→売目かどうか
減損のCFの見積に含めないもの→利息、税金、FLリース料、資産除去債務
その他貸手リースの仕訳等

短答形式の問題を多く解いて上記のような暗記要素を単語帳アプリに集約し、覚えていった結果、財務計算はある程度点数が取れるようになりました。

苦手意識のあった理論科目については、WEB問題集との出会いにより徐々に出来るようになっていきました。
CPAのポータルサイトからログインでき、一問一答がスマホでできるWEB問題集ですが、これをひたすらやりました。自宅から、カフェが多くある駅まで歩くと20分程度なのですが、歩きながらやっていました。WEB問題集はゲーム感覚で取り組めたので、スキマ時間を見つけては楽しく学習していました。
WEB問題集を一通りやると、最低限の基礎力はつく(逆に言うとWEB問題集を全部解けるようになっても模試で高得点が取れるわけではない)ので、足りない知識をコンサマにチェックペンを引いたりして補ったり、どうしても覚えられないところは語呂合わせで覚えたり、と苦手な暗記に向き合っていきました。

また、特別なことはしていないのですが、管理会計が覚醒し、直前答練でも10位~20位程度に入るようになりました。算数や数学的な地力があったので、管理会計分野で安定して得点できていたのが大きかったように思います。

この時期は論文の勉強はそんなにしておらず、租税経営は触れていませんでした。財務や企業法の論文式試験がどんな形式なのか、短答以後どんな勉強をすると良さそうかのイメージはつけるようにしていました。
短答前の1か月間は仕事はお休みさせていただいていました。

結果、本番の調子もよく、87.8%で短答を突破。
自己採点後はご機嫌にハーゲンダッツを食べました。

5月短答→8月論文(論証暗記もWEB問題集、経営学が穴場だと気付く)

5→8達成を目指す3か月弱が始まりました。この期間も仕事はお休みをいただいていました。
まず、心持ちとして良かったのは、身近な所に5→8達成者がいたため、5→8は可能であると思えたことでした。2023年に5→8を達成して会計士試験に合格し、スローガンで正社員として働いているSさんが近くにいたため、不可能ではないとまず思えたのが大きかったです。「他の受験生が何年もかけて突破する試験を3か月で突破するなんて無理だ」などと、気持ちで負けていてはダメだと思います。3か月で終わらせてやる、という気概が必要です。

まずは租税の速習講義を早く終わらせることからスタートしました。
特別なことはしていないですが、とにかく早く進めたかったので、レジュメのマーカーやメモをテキストに書き写すことはしていませんでした。
財務同様、暗記事項を単語帳アプリにまとめて勉強していました。

経営の勉強も始めましたが、経営管理もファイナンスも、大学で学んでいたため、時間をかけずにA論点~C論点の全範囲をマスターできそうだと気づきました。また、勉強法等を検索して調べていて、他の受験生はあまり経営学に力を入れていないように感じました。論文式試験は偏差値の勝負なので、他の人が力を入れていない経営学をがっつり強化してしまえば、コスパ良く偏差値が伸びるのでは、と考え、経営学は網羅的に勉強しました。

財理や監査の論証暗記は、5月短答前に大好きになったWEB問題集を使って行いました。頭の中で論証が正確に思い出せるようになるまで反復していました。監査論は範囲が広くなかったので、模試前にある程度暗記を仕上げていきました。

7月に受けたCPAの論文模試では、経営学と監査論で科目合格レベルの偏差値が取れ、全体偏差値が48と、悪かった科目を底上げ出来れば受かりそうな結果でした。
そのため、模試後は「経営学と監査論で攻め、他は偏差値50-52で守る」をテーマにして勉強していました。

8月になるまで企業法をほぼやれていなかったり、本番1日目の前日に15時間ぐらい租税を詰め込んだり、その影響で体調不良になりながら試験を受けることになったりと、色々あったのですが、なんとか力を出し切り、終わった時には「合格ラインは超えているのでは」という手応えを得ることができました。
「経営学と監査論で攻め、他は偏差値50-52で守る」戦略を想定していましたが、経営学は想像以上にうまく行き、監査論は攻めるどころか一番悪く、8月になってからやった企業法がまあまあ取れた、ということで、想定通りではなかったですが合格していてよかったです。監査論は得点の伸ばし方がよく分からないですね。

最後に

仕事をやめて会計士試験の受験を始めたときには、周りの人からかなり心配されましたが、走り切って本当に良かったと思います。
会計士試験に合格しているのとそうでないのとでは、収入面も、キャリアにおける安心感も違いますし、一つ得意分野が出来たことは生きていくうえでの自信になります。また、試験勉強で学んだ会計・税務・会社法等の知識は今後ビジネスの世界で生きていく上での節々で効いてくるだろうと想像しています。
この記事を読んでくださっている受験生の方がいれば、辛いことも沢山あるかと思いますが、ぜひ走り切っていただければと願っています。
読んでいただき、ありがとうございました!