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インターン生が教える公認会計士試験高速回転勉強法
はじめに
初めまして。インターン生の泉です。今回の記事では、私が公認会計士試験に合格した際に実践していた勉強法を紹介します。
私は2020年の秋ごろにCPA会計学院に入学後、2022年の5月に短答式試験に合格、その後2024年の8月に論文式試験に合格しました。私は短答は一発で通ったものの論文式試験に2回も落ちているため短期合格者とは言えませんがこれから会計士試験に挑戦する人や今現在勉強を開始していてこの試験の難易度に苦しんでいる人の参考になればと思います。
結果としては以下の通りです。監査論と租税法は1年前に科目合格していたためありませんが総合偏差値57.5をとることができました(監査と租税はそれぞれ61.3と56.0でした)。
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会計学午前(管理会計論)の第2問と企業法の第1問で少しミスをしてしまったものの他の科目は概ね模試や答練と同じような偏差値になっています。
勉強法
では、具体的な勉強法に入っていきます。これはいたってシンプルなもので【使う教材を一元化しそれを高速で回転し続ける】というものです。
皆さんはエビングハウスの忘却曲線というものを聞いたことがありますか?ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウスが提唱した理論で人は学習した内容を時間とともに忘却し、それは復習を重ねることによって徐々に学習内容を忘れにくくなり脳に定着していくというものです。
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これを見ると、人は学んだものを2日後にはほとんど忘れてしまっています。なので、復習をして曲線を上に引っ張り上げる必要があるわけです。繰り返し復習を重ねることで情報が脳みそに定着し、忘れにくくなり答練や本試験においての点数も上昇しやすくなります。試験範囲が膨大な会計士試験においては論点を正しく記憶するということが非常に重要です。そのために必要なものは教材の一元化と高速回転です。
教材の一元化とは普段学習に使用しているテキストに他の教材(問題集や答練、講義内容)をテキストに書き込むことです。自分が間違えた問題や、テキストに記載されていない論点、講師が講義中に述べた問題を解く上でのTipsなどテキストを補完する情報を書き込むことで回転する必要がある教材を一つに絞るというものです(答練は別で回転する必要があると思います)。
次に高速回転は、その名の通り一元化した教材を高速で回すというものです。決して雑になってはいけないですが、試験範囲は膨大ですので回転率には正面から向き合う必要があると思っています。
私はテキストの章ごとにある頭のページに回転した日付を記入していました。「最近よく勉強しているな」や「最近あんまり勉強していない気がする」といった感覚的な管理ではなく「前回この単元を勉強してから何日空いているか」という定量的な評価軸を加えることで勉強量が安定しやすくなり点数の安定化にもつながります。勉強時間を測るのと同じ理屈ですね。
何回転かしていると自分の中で基準となる回転期間が明確になってくるのでそれを下回らないように勉強を続けます(自分は5日程度テキスト1週を目安に回転していました)。それと同時に雑にならない限界まで回転期間を圧縮すると尚良いです。是非やってみてください。
答練の重要性
ここまでは日常の学習について述べてきました。次に日常学習を踏まえて答練の学習についてお話をします。答練は定期テストのようなもので、日ごろの学習が正しいものであるか定着しているかを確認するために受けるものです。
答練で大事なのは必ずオンタイムで受けることです。会計士試験では自己管理が重要です。答練をオンタイムで受けてフィードバック、日々の学習に繋げるというサイクルを構築するかは合否に直結します。自分の実力を点数で確認するのは怖いことですし、先延ばししようと思えば出来てしまう答練ですが答練の点数で合否は決まりません。悪くてもその後の学習で本試験までに穴埋めすればいいだけなので必ずオンタイムで受験しましょう。
答練受験後は間違えたポイントをテキストに一元化しましょう。こうすることで、日常学習の効果も上昇しますし自身が特定の論点を苦手であると認識することは意識の変化にもつながります。後はモチベーションの観点から答練の点数を記録するのも良いかもしれませんね。ぜひ、答練を有効活用して合格をつかみ取ってください。
最後に
いかがだったでしょうか。勉強法自体は極めてシンプルな方法で誰でも思いつきそうですが、この膨大な範囲を年単位で徹底して学習を続けることができれば必ず点数に結びつきますし、合格につながると思います。
この試験は非常に難易度も高く途中で心が折れそうになることもあるかと思います(筆者も2度目の論文の不合格で心が折れかけました)。しかし、もし最後までやりきることができ合格をつかむことができたらこの資格はあなたに社会的地位や経済的利益のみならず成功体験という何者にも代えがたいものを与えてくれます。これは残りの人生においてあなたを支えてくれる大きな財産となるはずです。
お付き合いいただきありがとうございました。この記事があなたの合格の一助になれば幸いです。