鮭くま
2018年夏、三鷹のデイリーズにて開催の「くまづくし展」で初登場以来、長くご好評いただいております「鮭くま」が、10月1日より、オンラインイベント「DELIな生活のたのしみ展」のプレビューに参加しております。(←おかげさまで完売しました)
この機会に改めて「鮭くま」を作るに至った経緯を思い返してみますと、遡ること2017年。京都の恵文社で「熊彫」というリトルプレスに出会い、北海道の木彫り熊に興味を持ったことがきっかけでした。
それまで木彫り熊のイメージは「劇画タッチのいかつい置物」といった感じでしたが、こちらで紹介されていたのは、丸みを帯びた優しいフォルムのものやユーモラスな作品も多く、それらを眺めていたら、定番モチーフである「鮭をくわえた熊」を羊毛フェルトで作ってみたくなったのでした。
実際にできあがったものは、木彫り「熊」とは程遠い何やらぼんやりした「くま」になってしまいましたが、ぼんやりしているのに鮭をくわえているというワイルドさが違和感となり、自分的にはおもしろく思っております。
約3㎝ほどの小さめサイズという点に関しましては、2012年ごろ、「箱入り作品を作りたいな・・・」と思っていた矢先、友人のすすめでこの4.5×4.5㎝の小箱を知り、素朴な紙質と硬さ、正方形という形状とサイズ感に惹かれ、以来いろいろな動物作品で使用しており、シリーズの系譜のひとつとして「鮭くま」が入ったのでした。
片手で握れるほどの小さな作品ということもあり、ただ飾るだけでなく、お守りのような存在になれたら・・・とも思っております。一説によると、アイヌ民族にとって熊は「山の神様」であり、「神様が人間に会いたくて熊に姿を変えてこの世にあらわれている」と言い伝えられているそうなので、「神の化身・・・」というイメージもプラスすると、多少お守り的パワーが増すかもしれません。
今回は特別にカードも添えて。
「このくまを受け取った方に良いことがたくさんありますように」と、ひとつひとつ言葉をかけながら梱包しました。
ご縁がありますように。