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「BLUE」 解説と理由
参加イベントGALLERY IRO 10周年展 BLUEでは、新たな試みとして「やや抽象的な作品」を出展しました。
今回のnoteは、作品についての解説と抽象表現の理由です。
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blue bottle
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「bottle」と名が付いておりますが空洞は無く、ボトル型のオブジェです。白っぽく見えるのは、青系のフェルトをベースに上から白を重ねているため。仄かな青は「青を感じようとする心」を誘発します。
1点ずつで販売しておりますが、2つ以上並べるとリズムが生まれ、5つ全て並べると「お城」のようにも見えます。
いろんなふうに見えてくるのが抽象の良いところ。
blue amulet
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こちらも「オブジェ的なもの」ですが、bottleよりは多少「役割」を与えることができます。
blue amulet 展開例
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「amulet」?
「そもそもamulet(アミュレット)って?」
…ということなのですが、直訳は「お守り」。
今回のフェルト作品は全て、お買い上げいただくと「巾着袋」に入れてお渡しします。それが少しお守りっぽく見えるのです。
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・「青」が象徴するのは「冷静さ」
・ ウールは触ると何となく落ち着く
…となると、
緊張する場面に出くわした時などに「見て、触れて」いただくことで、冷静と落ち着きを取り戻す効果が期待できます(←曖昧な表現)…とか何とか。
単に浅草橋のシモジマでこの袋を見つけて、「作品に合いそう」と思ったところからの発想ではありますが。
2つの喜び
「なぜSleepy Sheepが抽象的作品を?」と、気になる方も多少いらっしゃると思うので、ここに書いておこうと思います。
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動物モチーフを作っているときは、「私の思うかわいい」というゴールに向かって手順を進めて行きます。その場合、「かわいいと思うものができた」が喜びになります。
一方、私にとっての「フェルト」は別の喜びもあって、それは「刺すという行為そのもの」に対する喜び。刺せば刺すほど繊維が絡み合い、硬く結びつき、ふわりとしたかわいさから美しい塊へと表情を変えて行く。その「過程」が心地よいのです。
フェルトという素材と動物モチーフの相性が良いのは、獣毛である羊毛が動物とリンクして、その特性である「柔らかな温かさ」が動物のかわいさを喚起するから。ゆえに普段制作している動物作品は、「柔らかさや毛の流れを残す」ことが必要十分条件であり、また、1点に時間をかけ過ぎないことも「商品」としては大切な要素。ということは、「動物モチーフ」と「刺す喜びを味わう」は、(私にとっては)相容れないものとなります。
2種類の喜びを持つ中で、世に必要とされているのはもちろん前者の方と認識しつつ、「もうひとつの喜びの方も解放してやりたい」という思いが常に心のどこかにありながら、勇気が持てなかった幾年月。
そんな矢先、いつもお世話になっているGALLERY IROさんから10周年企画展のお声がけが。そのテーマが「BLUE」と知った時、なぜか急に「この場で、このテーマならできるかも」と思い立ち、「もうひとつの喜び」の方にフォーカスすることにしたのでした。
改めて「なぜ抽象」?
前置きが長くなりましたが、
「刺すという行為そのものの喜び」を味わうために「カタチ」を限りなく無くしたい
・・・という思いが、抽象的表現に結びついたのでした。
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ぜひご来場くださいませ。