展覧会の夏(3)
7月、3つ目の展覧会はBunkamura(現在は渋谷ヒカリエ9F)にて開催「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」。
3回目
Bunkamuraでは3回目のソール・ライター展ということで、今回は新たな切り口での展示が多数。
1950~60年代のファッション写真や・・・
絵画作品や・・・
カラースライドの複製も展示。
ソールにとっての「写真」はプリントよりむしろスライドで、そちらの方が膨大に残されているのだとか。
プロジェクション展示
ゆえに、本展の目玉は10面の大型スクリーンに投影する約250点のスライド写真。
真っ暗な空間で「カシャリ、カシャリ」と切り替わっていく写真は、プリントしてパネルや額装で展示されたものより、没頭してその空気感に浸れるような気がしました。
ソールは「光」で描いたものを、「光」で見る方が好きなのかもしれないな・・・などとも思ったり。
好きポイント
ソール・ライターの好きなところは
・色彩
・構図
・撮影地が近所(New York)のみ
・被写体との距離
・被写体の多くは見知らぬ誰かか身近な人
・被写体が撮られていることに無意識
・テーマは(おそらく)一貫して
美しいもの、愛おしいもの
・言葉
ご本人はシャイな性格で、大きく注目されることを好まなかったとのこと。とはいえ、自身(作品)の価値をわかっているからこその膨大なアーカイブで、その射程は図らずも長い。
時折、作家の純粋とエゴについて考えることがあるのだけれど、その矛盾(見られたくないけど見せたい)は、「負わされた役割」のようなものかもしれない。