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アリス九號.「CYAN」
akubi Inc.でクリエイティヴを担当させて頂きました。
撮影は先輩たちと遊びに行くようなラフななスタイルでとても楽しかったです。
昨日は渋谷公会堂へ。不夜城エデンツアーのファイナルに遊びに行かせてもらいました。
きっとこの状況でしか産まれる事の無い瞬間に立ち会えた事、光栄に思います。
ライブを見ながらいろんなことを思い出しました。
まずアリス九號.との出会いは高校生の時、HMVの試聴コーナーで華想夢想紙を聴いた時だったと思います。
銀の月 黒い星という曲が好きで、その場で購入。
その3年後、奇しくも同じ事務所の後輩として実際に出会うことになります。
当時から知っていてくれた人には伝わりやすいと思いますが、SuGはV系なのか原宿系なのかよくわからないと思われていたので、どこのラインにも属しているようで属していない不思議な立ち位置でした。
ラップやエレクトロ、振りではなくダンスを取り入れるなど、当時のV系のシーンでは割とタブー視されている世界観だったりもしたので結構迫害もされたり、はっきり言って先人の先輩方にあんまり気に入られてられるタイプではなかったと思います笑
華やかなビジュアルでいながら、そんな俺たちにも懐深く接してくれる方々だなと感じたのを覚えています。
若い時は圧倒的なコミュ障だったこともあり、余計に孤立していたのですが、交流が始まるのはなぜか事務所を退社するタイミングだったりしました。
将さんと初めて食事に行き、餞別としていただいたBlueのマイクはいまも手元にあります。プリプロなどで大切に使わせていただいていました。
その後もそれぞれの課題を相談しあったり、何より、バンド人生で一番大変な時期にお話ししたときに、自分のことのように瞳を潤ませながら話を聞いてくれたこと。
どうしようものない、答えのない運命の渦に翻弄されていて、抱えきれない痛み押しつぶされそうな時だったので、ただただ優しく話を聞いてくれたことにとても助けられました。
そして同時に、アリス九號.の抱えてきた、大きな十字架にも触れた。
ぼくらはバンドマン、アーティストとして、ステージに立ち続ける以上。
輝きの裏に同等の影を背負い続けます。
中にはそんなもの1mmも背負わずに、器用に輝き続けられる人もいるのかもしれません。
だけど、そんな表面的だけ輝くアーティストって綺麗でも魅力的じゃない。
自分なりに後輩として、また、僭越ながら同じ時代を生き、切磋琢磨したアーティストの立場として見てきたアリス九號. / ALICE NINE.を表現できたらいいなと思いました。
曲調的にも、どちらかというときらびやかでファンタジー要素のあるメインイメージというより、その裏にあった青春を描ければなと。
そしてそこから、
'5795日の奇跡が、新しい青春を創る’
というテーマが産まれました。
夜に成る直前の光。そのたった数分しか撮れない世界の中でのシルエットがとても美しい。
予報では70%の雨だったのに。
撮影に向かう移動中もずっと雨が降っていたのに。
なぜだか、ぼくらが到着する頃には雨は止んだ。
SuGのメジャーデビューの年、2010年にmillion dollar orchestraというブランドを立ち上げ、それから音楽とファッションを連動させる、3D 音楽という世界観を提示してきました。
今回はCYANという曲の世界観を具現化させて、身につけられるよう3D化しようという企画です。
シンプル海外のポスターのようなイメージを、インクジェットという一番鮮明に表現できる手法でプリント。
スモークパープルなサングラス。左下してにはCYANのロゴでオリジナリティを。
そして何より、リング。何よりこれに一番の想いを込めました。
外からは煌びやかな青春にしか見えなくても、裏側にあった決して綺麗な言葉だけでは語れない5795日。
それを表現したくて表面にはCYAN。内側には5795の文字を刻印しました。
また、付け方のよってシンプルなリングと、6つのチェーンリングと使い分けることができる。
ファンはバンドの鏡。
プレーンな方を表面にしても、'6つのチェーン'を表にしてもつけられる。
こんな絵の才能のない自分が、一流のシルバー職人さんと話して詰めていきました。
音楽だけでもなく、デザインだけもなく、その両方と歴史を連れた記念アイテムとして手にとってもらえたら幸いです。
受注締め切りは7/7の24時まで。
こんなところまでこだわり過ぎてしまいました。。。
これから先、さらに光と影を増して行くだろう5795の歴史の続きに、また何らかの形で登場させてもらえることを心待ちにしてます。
武瑠