さよなら少女性
私は幼い頃からピンク、フリル、キラキラの宝石(玩具)など、いわゆる「女の子っぽいもの」に心惹かれる人生でした。
小さい頃は母に無理やり選ばされた、真っ赤なランドセルが嫌でした。あの子みたいにピンクが良かった、と今でも思います。
ゲームでキャラメイクが出来るとなれば、必ずピンク色の髪にし、ツインテールがあればそれを選び、可愛い装備があれば一直線。性能なんか気にせず、常に「可愛いか否か」で決めていました。
大学生になり、家を出、最初にしたのは「可愛い」集め。地雷系、量産型オタク系の服が特に刺さり、少ないバイト代からなんとか捻出しつつ可愛い服を買っていました。
バイト先だって可愛い所がいい。クリーニング屋のバイトを辞め、コンカフェで働くようになりました。
でも、歳を重ねるごとに、親や周囲の人達は「その年だともう浮くよ」「痛々しいよ」と言うようになりました。当然でしょう。
みんなが落ち着いた大人っぽい服装になっていく。いつまでも「可愛い」にしがみついているのは他でもない、私1人なのですから。それを特に痛感したのが、地元で開かれた成人式でした。私は成人してしまった。大人になってしまった。そう強く感じました。それなのに私はまた「可愛い」に手を出してしまう。「可愛い」は不治の病です。私はこれからも、「可愛い」に毒され、しがみついていくのでしょう。それがいつまで許されるのかは分からないし、きっとその日が来るのは近いのでしょう。
さようなら、「可愛い」を無邪気に消費できた私。
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